パートや契約社員増加で非正社員は38.7%に上昇 厚労省調査

2011年8月29日 19:13

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 厚生労働省は29日、2010年「就業形態の多様化に関する総合実態調査」の結果を発表した。同調査は、多様な就業形態の実態を明らかにすることを目的に、事業所規模5人以上の民営事業所約1万7,000カ所と、そこで働く労働者約5万1,000人を対象として、平成22年10月1日現在の状況について調査を実施したもの(前回は平成19年に実施)。有効回答率は、事業所調査で61.7%、個人調査で64.7%。

 事業所の調査結果によると、正社員以外の労働者の割合は、38.7%で、前回(37.8%)を上回る結果となった。これを就業形態別に見ると、前回調査と比べ、派遣労働者の割合は低下している一方、契約社員、嘱託社員では上昇していることがわかった。

 具体的には、正社員以外の労働者では、パートタイム労働者が22.9%(前回22.5%)、契約社員が3.5%(前回2.8%)、派遣労働者が3.0%(前回4.7%)となっている。
 
 男女別には、男では正社員が75.3%(前回76.0%)、パートタイム労働者が10.3%(前回10.2%)、嘱託社員3.2%(前回2.3%)、契約社員3.1%(前回2.3%)などとなっているのに対し、女では正社員が41.9%(前回42.6%)、パートタイム労働者が40.5%(前回40.0%)、契約社員が4.0%(前回3.6%)、派遣労働者が4.0%(前回5.8%)などと、正社員とパートタイム労働者の割合がほぼ同じとなっている。

 産業別には、宿泊業、飲食サービス業、生活関連サービス業、娯楽業、卸売業、小売業では正社員以外の労働者の割合が正社員に比べて高い割合となっており、パートタイム労働者では宿泊業,飲食サービス業、卸売業、小売業、生活関連サービス業、娯楽業で、派遣労働者では情報通信業で、契約社員では教育、学習支援業で、それぞれ他の産業に比べて高い割合となっている。

 正社員以外の労働者の活用理由(複数回答)としては、「賃金の節約のため」が43.8%と最も高い割合となっている。次いで「1日、週の中の仕事の繁閑に対応するため」33.9%(前回31.8%)、「賃金以外の労務コストの節約のため」27.4%(前回21.1%)の順となっている。
 
 正社員以外の労働者を活用する上での問題点(複数回答)としては、「良質な人材の確保」50.8%、「仕事に対する責任感」50.5%を挙げる事業所が多い。

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