本家Slashdot設立者、CmdrTacoが引退

2011年8月26日 09:01

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記事提供元:スラド

 本家Slashdotの創業者であり、14年間編集長を続けてきたRob "CmdrTaco" Maldaが引退しました。tamoが該当ストーリーの翻訳を寄せてくれてので掲載しておきます。残った編集陣のメッセージや引退ストーリー掲載30分後のCmdrTacoのやり遂げた姿も見ておくとよいかもしれません。彼がいたことが/.jp開始に大きな影響を与えたことは間違いないので、日本側としては非常に残念ではありますが、彼も次の何かを始める時がきたのでしょう。

  tamo 曰く、

 部分的に和訳してみました。

14 年と 1万5000 ストーリー以上の投稿を経て、私が Slashdot に別れを告げる時が来てしまった。まだ大学生だった頃にボロ家で親友たちと一緒にこの場所を作ってから今までに、ここは 100万以上の読者に読まれ、何億というページも提供するまでになっている(カール・セイガンの声が聞こえるほどの天文学的数字だ……)。任期中には Slashdot が本来の姿を守るよう最善を尽くしてきたが、ここらで誰かにやって来て「未来」を見つけてもらうことにしよう。今後の個人的な予定は特にないが、私をつかまえる必要があれば twitter で @cmdrtaco として、または Google+ でRob Malda として連絡をとれるようになっている。メールアドレスはmalda at cmdrtaco dot net が最新だ。最後のサインオフをする前に排泄しておきたいと思った甘ったるいノスタルジアを読みたいと思うのであれば、べ、べつに続きを読んでもいいんだからね! (続く...)

 あれは 97年の夏。私は広告代理店でプログラマのバイトをする大学生だった。あるシンプルな CMS を書いたのだが、それは実質的に私の初 perl プログラムだった (Microsoft なものを一切使わずに書けたのがすごく嬉しかった!)。フリーランスの Java 仕事で古い DEC Alpha Multia を手に入れ、それを職場のデスク下に押し込んで、このドメイン名を登録したのが 10月。Jeff "Hemos" Bates が登録料を出してくれた。数ヶ月のうちに一日何千人もの読者にサービスを提供するようになっていたし、すでに今日の Slashdot とかなり似通ったシステムだった。つまり、ほんの数人の友達と協力して、自分がひっかかりを感じたストーリーを共有していただけなんだ。

数ヶ月後に "Simple Solutions" というエッセイを書いたとき、ほぼ一晩にしてトラフィックが倍増した。新しいハードウェアを購入する必要があったし、すぐに ISP の帯域制限を超えてしまい、コロケーションも始めなくてはならなかった。これはバナー広告の開始を意味していた。すごい勢いで成長するサイトを維持するために昼夜を問わず作業しながらなんとか大学を終わらせると、少しばかり収益も出てきたので、やがて仕事を辞め、Slashdot にフルタイム従事することができるようになった。ほんとうにギリギリ卒業したんだよ。それから間もなく友人たちも私のあとに続き、一緒にBlockstackers 社を作ることになった。

そんなちょっとした趣味が生業になっただけなので、私たちには助けが必要だということが明らかになった。営業や人事という荷は重すぎたんだ。それで Slashdot は 99年、Andover に売却した。Slashdot 設立以来、私の名刺には Blockstackers, Andover, Andover.net,VA Linux Systems, VA Software, OSDN, OSTG, SourceForge, そしてGeeknet といった社名が書かれてきた。肩書も何度も変わった: 最初の名刺は「嘘と誤報係」だったが、今は「Slashdot 編集長」だ。しかしこの間ずっと、何と言いかえようとも私の役割はひとつのこと、「Slashdot をすごいサイトにする」だった。そのためにいつも最善を尽くしたし、結果としても、成功した回数のほうが多かった、と思いたい。

(略)

引退の結果、このストーリーが出たあと私は投稿権を失うことになる。私にとって、これこそ一番受け入れづらい事実だ。ストーリー投稿はずっと、お気に入りの仕事だった。Slashdot は IRC や学校の友人とストーリーを共有するために作ったんだから、これが「作業」だったことなんか一度もない。ああ、きっと禁断症状が出るに決まってる。自分で設置した街頭演説のお立ち台から降りようとしているんだ。永遠に投稿し続けられればいいと思うが、周りの仲間たちは私が、投稿権を残しておけばいつまでも変わらない奴だということが分かってる。これからも Slashdot は読むし、うまくいけば時々タレコミが採用されるだろう。あの呪文: News for Nerds, Stuff that Matters は今も生きている。ここ以外のだれも、これ以上うまくやってはいない。

今後がどうなるかは本当に分からない。次の仕事も決まってないし、計画はぜんぜんない。しばらくは息子や妻と過ごすだろうし、ずっと積ん読だった本も読むつもりだし、本を自分で書いてもいいかも。

(略)

何年も Slashdot を作る助けになってくれたみんな、ありがとう:全員の名前を挙げるにはこの textfield は狭すぎるけど、自分で分かるよな、私がみんなをゴタゴタに引き連り込んだんだから。そして最後に、Slashdot 読者のみんな、ありがとう。みんなが持ち寄った時間を私が効率良く気分良く無駄遣いしていたとすれば嬉しい。

Pants are optional.

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