NEC、金融情報ベンダー「QUICK」の次世代情報配信基盤を構築

2011年8月19日 19:07

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金融情報ベンダー「QUICK」の次世代情報配信基盤システムのイメージ図

金融情報ベンダー「QUICK」の次世代情報配信基盤システムのイメージ図[写真拡大]

 NECは19日、国内最大の金融情報ベンダーであるQUICK社の次世代情報配信基盤を構築したと発表した。同配信基盤は、大容量データをリアルタイムに高速処理し、高い信頼性を保持したオープン・ミッション・クリティカル・システム(OMCS)をLinuxベースで構築したもの。今年6月から稼動を開始している。

 「2010年1月に東京証券取引所にて次世代株式売買システムが稼動したことを契機に、昨今、個人投資家のオンライン取引や証券会社・機関投資家によるアルゴリズム取引が急速に普及したことから、金融マーケットでは市場情報が増大している。このため、金融情報を扱う企業では、大量の情報を高速配信するサービス基盤が必要となっている」(同社)。

 「このような背景を受け、QUICKにおいては、東証からの情報量増大に対応するため、システムアーキテクチャを刷新し、大量の情報を受信して、それぞれを数十台のサーバへ一斉配信する処理をミリ秒オーダで実現させるOMCSを構築した」と同社はコメントしている。

 同システムでは、サービス基盤となるハードウェアに高性能・高拡張性・高信頼性が特長の「Express5800/スケーラブルHAサーバ」、標準的なLinuxディストリビューションのOSと信頼性を強化するミドルウェアからなる「Enterprise Linux with Dependable Support」、システムの中核となるミドルウェアには、メモリ上で大量・高速トランザクション処理をおこなう「InfoFrame Table Access Method」を採用している。

 「これらの製品と、NEC独自のトータルソリューションにより、高可用性を損なわずに、短期間でコストパフォーマンスの高いシステムの構築を実現している」(同社)という。

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