日立化成、車載用リチウムイオン電池負極材の生産能力を倍増:環境車向けの需要拡大に対応

2011年7月26日 17:39

印刷

 日立化成工業は26日、車載用リチウムイオン電池カーボン負極材の生産ラインを増設し、生産能力を倍増させると発表した。ハイブリッド車(HV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、電気自動車(EV)などの環境対応車向けの需要拡大に対応する。

 同社は現在、車載用負極材の生産を第一ライン、第二ラインで行っているが、7月時点で稼働率が高まっており、今後の需要増加に対応するため約35億円を投じて第三、第四ラインを増設することを決めた。増設する2ラインでは、生産能力の増強のほか、設備の耐震性向上を図っており、大震災が発生した場合の復旧期間も短縮できるという。

 同社は、今後も車載用負極材の需要の伸びに合わせて、数年内に複数回の能力増強を行う計画で、負極材事業での世界トップシェアの維持を図るとしている。同社の車載用負極材は、日産自動車のEV「日産リーフ」に搭載のリチウムイオン電池などに採用されている。

 リチウムイオン電池用部材の市場はHV、PHV、EVの普及に伴って拡大することが予想されており、富士キメラ総研によると、2011年には前年比約7倍の349億円、20年には10年比で254倍の1兆2,705億円にまで成長する見込み。

関連記事