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ここがポイント-会社を伸ばす中小企業の採用戦略:第7回 採用選考プロセスの組み立て方(1)(1/2)
今回は、採用活動にあたっての選考プロセスの組み立て方について、考慮しておきたいポイントをお伝えします。
■面接回数をどうするか
面接回数を考えるとき、原則は組織階層に応じての設定になります、中小企業の場合は、多くても計3回程度でしょう。この回数自体に明確なセオリーはありませんが、注意が必要な点は以下の二つです。
(1)選考期間を考えて、そのスケジュールとの兼ね合いを考慮すること
新卒採用はポテンシャル採用ですので、じっくり判断したいとの意向から、2ヶ月、3ヶ月という長い選考期間になる場合があり、説明会など初めの接触から通算すると、さらに長期のこともあります。入社時期は決まっていますから、タイムリミットが迫っていない限り対応は可能でしょう。
これが中途採用の場合は、少し事情が異なります。離職中の方もいますし、内定から入社までの期間は概ね短く、タイムリミットは近いことが多くなります。選考期間は1~1ヶ月半程度というところが一般的だろうと思います。
この選考期間を考慮せずに、単純に「面接は3回」などと決めてしまうと、3ヶ月で3回はあまりにも間隔が空きすぎてしまいますし、1ヶ月間で3回はスケジュールがタイトになり、意外と大変です。
このような場合の対応として、前者のように長い選考期間であれば、面接回数を増やしたり、間に何らかの企画を挟んだりという事が必要でしょう。例えば選考とは直結しない社員との懇談、職場見学、パネルディスカッションや質問会といった形での情報提供などが考えられます。
後者のように短期間に選考しなければならないのであれば、判定精度を保つ工夫が必要で、一回の面接に対応する面接官を増やす、面接時間を多めに取る、些細な連絡等も含めて接点を増やし、付属情報を集める努力をする、などということが必要になってきます。
(2)同じようなシチュエーションで何度も面接しないこと
応対できる人員が少ない中小企業ではやむを得ない場合も多いのですが、何度も面接に呼び出して、毎回同じような話を聞くというケースがあります。面接官の顔ぶれまでほとんど同じということもあります。
よくあるのが課長、部長、社長と順番にそれぞれ別日程で面接をするが、面接で他の人がどんな雰囲気でどんなやり取りをしているのかを知らず、情報共有もイマイチ足りずに、結果として同じことを何度もやるようになってしまっている場合です。
会社にとっては、時間をかけて慎重に、最終決済者の社長が判断する材料集めということでしょうが、応募者の立場からすると「同じことを聞くのは情報共有や連携がされていないのではないか」「コミュニケーションが良くない風土ではないか」「何事にも判断が遅いのではないだろうか」など、マイナスの印象を与えます。選考を通じて志望度を下げてしまう恐れもあります。
それならば、例えば全員が一堂に会して面接した方が、面接官がお互い気づかない点をカバーし合えるし、時間の上でも効率的ですし、結果的に応募者の印象も良いはずです。不足があれば、また別の場を設定することも可能でしょう。
きちんとステップを踏んで採用活動を進めることは大事ですが、あまり杓子定規に考えると弊害も出てきます。面接は単に回数を重ねて時間をかければ、判定精度が高まるという事ではありません。自分たちの都合だけにとらわれず、応募者の心情なども考慮をしながら、自社なりのプロセスを考えていくと良いと思います。
ある会社では、すべての面接を社長と担当役員の方が二人で行うのですが、固い雰囲気の面接の後には、食事しながらざっくばらんに話せる場を作ったり、面接場所を会議室、応接室、社長室と変えてみたり、面接官に年の近い社員や境遇の似た社員、予定配属先の上司など毎回ゲストを混ぜたりして、場所や話題や雰囲気を変えることで応募者に毎回新鮮な印象を与え、面接対応の評判が良い会社があります。マンパワーを割かない上でのちょっとした工夫ですが、選考過程を通じて応募者の志望度を上げることができています。工夫次第で良い対応はできると思います。
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