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ここがポイント-会社を伸ばす中小企業の採用戦略:第7回 採用選考プロセスの組み立て方(1)(2/2)
■集団面接、グループディスカッションの功罪
採用選考の中で、集団面接やグループディスカッションを導入している会社が増えています。その実施目的は、「集団の中での振る舞いが見たい」という判断材料のバリエーションを増やしたい部分と、「応募者をふるいにかけたい」という採用活動効率の部分の二点が大きなものです。
しかし実際にやって見ると、なかなか難しいのが本音ではないでしょうか。これはグループのメンバー構成や場の雰囲気といった偶然の環境に人の言動や行動が左右され、本質的な判断がしにくい点にあります。判断基準がブレやすいのです。ですから実施にあたっては、選考過程の初期段階に、明らかに採用基準から外れている人の足切りのために行うことが多いと思います。
この難しさは、選考を受ける応募者の立場からはさらに強く感じることです。面接結果の善し悪しというのは、ただでさえ実感しにくいことですが、集団面接やグループディスカッションの場合、選考する側の判断基準がブレやすいですから、そう感じる度合いは一層大きくなります。そんな中で不採用になれば、クエスチョンマークがいっぱいです。応募者にとっては、とても納得しにくい選考方法であるといえます。
選考方法が納得しづらいという事は、この対処を誤ると会社の敵を作ってしまうことになります。採用活動は広報宣伝活動でもあるとお話ししましたが、その目的からすると、これは絶対避けなければならない事です。
一つの方法として、私は集団面接やグループディスカッションの終了時に、その時のやり取りの内容についてのフィードバックをすることをお勧めしています。それぞれの人の良かった点、不足していた点、アドバイスを面接官の方からコメントしてあげるのです。もちろん選考結果のネタばらしにならないように、話し方には注意する必要があります。ただうまくコメントすれば、応募者はそれを聞くことで、会社がどんなところに注目していたのかがある程度わかり、結果を受け入れやすい心理になります。また後につながる反省材料を得られることで、結果が良くても悪くても、それを前向きにとらえることもできるようになります。
私がお手伝いしたある会社では、最終面接で不採用となった人への通知に、面接で感じた強み、弱みをフィードバックする手紙を添えているところがあります。せっかく応募してくれた方に、最後の最後で断るのは申し訳ないから、せめて今後の自信につながるように、との思いからです。
会社として、採用基準に達しなければ採用はできません。そんな人でも採用活動を通じて会社のファンになってくれれば、これは最高の広報宣伝活動です。そう思ってもらえるような心づかいは、常に持っておく必要があると思います。
次回も引き続き、採用選考プロセスの組み立て方の注意点について、お伝えしようと思います。
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