昭和電工、リチウムイオン電池部材の生産能力を増強:環境車、携帯端末向け需要拡大に対応

2011年7月19日 13:43

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 昭和電工は19日、リチウムイオン電池向け部材の生産能力を増強すると発表した。電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)、スマートフォンなどの携帯端末向けに需要拡大が見込まれることに対応する。

 同社が増産するのは、人造黒鉛負極材(SCMG)、正負極添加剤(カーボンナノチューブVGCF)、電池包材用アルミラミネートフィルムの3種。

 SCMGとVGCFは、自動車や蓄電用途向けの大型リチウムイオン電池の高容量化、長寿命化に関わる部材。来年の上期をめどに、SCMGは現在の年産能力1000トンから3000トン、VGCFは現在の100トンから200トンへ増強する。

 また、リチウムイオン電池の小型化を可能にする電池包材用アルミラミネートフィルムは、今年末に予定する設備の増設で年産能力を1.5倍に拡大する計画。小型のリチウムイオン電池は、スマートフォンやタブレット端末の普及で需要拡大が見込まれている。

 同社は2011年度からの中期経営計画で、電池関連部材を成長事業として位置づけており、SCMG、VGCF、アルミラミネートフィルム、カーボン下地アルミ箔SDXの4部材合計で、2015年に300億円以上の売上高を目標としている。リチウムイオン電池のほか、蓄電池、燃料電池関連部材の開発を進め、事業の強化を図っていく方針。

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