震災後、「大切にしようと思った」相手の54%が「親」 家族との絆を再考=電通調査

2011年7月15日 18:48

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 電通総研が15日発表した調査結果によると、東日本大震災の後に「これまで以上に大切にしようと思った」相手は「親」が54%で最多だった。2位以下も「配偶者」「子供」「兄弟姉妹」と続き、家族を重視する傾向が見られた。

■「大切にしようと思った人間関係」、女性は「ある」が80%

震災をきっかけにこれまで以上に大切にしようと思った人間関係についての回答(出典:電通総研「震災をきっかけとした人間関係の変化」)

震災をきっかけにこれまで以上に大切にしようと思った人間関係についての回答(出典:電通総研「震災をきっかけとした人間関係の変化」)


 同社によると、震災をきっかけに「これまで以上に大切にしようと思った人間関係」はあるかという設問に対して、全体では「ある」が74.2%、「特にない」が25.8%。男女別で差が見られ、男性は「ある」が68%だったのに対して、女性は80%と割合が高かった。特に20代での男女差が顕著だった。

■「大切にしようと思った」相手は「親」が最多
 「大切にしようと思った」相手は、「親」が54%と最多で、2位は「配偶者」47%、同率2位で「子供」47%、3位が「兄弟姉妹」で46.6%と上位4つを家族が占めた。5位は「現在付き合いのある友人」で32.3%だった。

■独身者では「現在付き合いのある友人」「恋人」も

震災をきっかけにこれまで以上に大切にしようと思った人間関係についての回答。独身者の場合(出典:電通総研「震災をきっかけとした人間関係の変化」)

震災をきっかけにこれまで以上に大切にしようと思った人間関係についての回答。独身者の場合(出典:電通総研「震災をきっかけとした人間関係の変化」)


 一方、独身者は、配偶者、子供がいないことから「大切にしようと思った」相手の傾向が異なり、上位から順に「親」「兄弟姉妹」「現在付き合いのある友人」「恋人」「最近交流が少なくなっている旧友」だった。

■既婚者では、男性は「配偶者」、女性は「子供」

震災をきっかけにこれまで以上に大切にしようと思った人間関係についての回答、既婚者の場合(出典:電通総研「震災をきっかけとした人間関係の変化」)

震災をきっかけにこれまで以上に大切にしようと思った人間関係についての回答、既婚者の場合(出典:電通総研「震災をきっかけとした人間関係の変化」)


 また、既婚者では、男性の回答トップ3が1位から順に「配偶者」「子供」「親」で、女性では「子供」「配偶者」「親」と、男性は「配偶者」、女性は「子供」を最も大切に思うという傾向が見られた。

■「長子が小学生以下」の既婚者では「子供」
 「長子が小学生以下」の既婚者では、男女とも「子供」が1位となり、男性では、2位が「配偶者、3位が「親」、女性では2位に同率で「配偶者」と「親」が並んだ。年齢の低い子供を持つ既婚者は、男女を問わず子供を最も大切に考えているという傾向がうかがえる。

■震災後に見直した人間関係
 また、「震災をきっかけに改めて見直したり、距離をとるようになった人間関係はあるか」という設問に対しては、男性は22%、女性では16%が「ある」と回答し、男性がやや多いという結果だった。

■見直した関係のトップは「不適切な男女関係」
 その相手としては、「不適切な男女関係」が7.3%でトップ。家族を大切に思う傾向が強まったことの裏返しとなった形だ。次いで「過去に付き合っていた恋人」、「直接ではなくネット(SNSなど)でやり取りのある友人」が6.8%、「最近交流が少なくなってきている旧友」が6.7%という結果だった。

 同調査は、全国20~69歳の男女個人1,200名を対象にして6月4日~5日にインターネット調査で実施された。

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