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ここがポイント-会社を伸ばす中小企業の採用戦略:第6回 会社を理解してもらうために(2)(1/2)
今回は、主に会社からの情報提供の仕方、ポイントなどをお伝えしようと思います。
■場の使い方を考える
新卒採用の場合であれば、まず会社説明会を開催して、自社の紹介や説明をする機会を設けると思います。一方中途採用活動の中では、会社説明会を開催することはほとんどないと思います。では中途採用には会社説明が不要かというと、全くそうではありません。社会人経験があって会社選びの目が肥えているという点からすれば、むしろ新卒以上に会社説明に手間をかける必要があるはずです。
“それなら中途採用でも会社説明会をやればよいのか?”
もちろん可能ならばやるに越したことはありません。しかし以前のコラムで述べたように、中途採用は「スポット」活動ですから、一度に何人も集めて説明会を行うのは難しいでしょうし、人手に余力が少ない中小企業で、一人二人のために説明会をやるほどのマンパワーは割けないでしょう。「流れ」で捉える新卒採用とは異なります。
“ではどうするのか?”
これは新卒採用でも共通ですが、会社説明会は単に情報提供だけの場ではなく、“相互理解の場”であり、さらに“企業アピールの場”となります。これが目的だとすれば、説明会だけがそのための場ではありません。会社案内などの資料、ホームページの掲載情報、面接での質疑やその場を使っての説明など、方法はいくらでもあります。
要は“相互理解”と“企業アピール”という目的をしっかり意識し、その目的を達成するために、それぞれの場の使い方を今一度考え直すことです。限られた時間の中では、事務連絡の電話やメールでも、合間のちょっとした待ち時間でも、面接場所へ案内する道すがらでも、使い方次第で貴重な場になり得ます。
また、せっかくこれらの場を使おうという意識があるのに、それを、“応募者を観察すること”だけで考えている会社が多いようです。ここにプラスして、“会社を理解してもらうこと”にも使う意識を持っていただけると良いと思います。
■欲しい人材が望む情報を考え、アピールする
よく「欲しいタイプの人材がなかなか応募してこない」、「いい人が応募してきても辞退されてしまう」という話を聞きます。私がいたIT業界でいうと、エンジニアの仕事上では、顧客調整やチームマネジメントなどで、コミュニケーション能力や対人能力を要する場面が多いのに、応募者はどちらというとパソコンに向かってコツコツ作業することが好きなタイプの、おとなしめの人が多かったりします。
会社として欲しい人材というのは、その仕事に向いている人材ともいえるので、本来適性がある人に目を向けてもらえないのは、とても不幸な事です。しかし、世間一般の業界イメージや仕事イメージがありますから、それを突き崩すことは一企業ごときで簡単にできることではありません。特に「欲しいタイプの応募が少ない」のは、募集広告の出し方などで工夫の余地はありますが、市場動向や他社との競争力に左右されますので、特に中小企業が自社の努力だけで状況を改善するのは、なかなか難しい部分であろうと思います。
一方、「いい人に辞退されてしまう」については、自社の努力次第で改善できる部分があります。相手が気にしている部分やこだわっている部分を察知して、そこに向けた情報提供とアピールをすることで、お互いの理解度と信頼関係を高め、相手を前向きな気持ちにすることができます。アピールは、やり過ぎるとウソつきになるし、控えめ過ぎると伝わらないので、なかなかさじ加減が難しいですが、いい人をつかまえるためには絶対に必要なところです。
ここで大事なことは「自社のありのまま」と言える幅の中で、現状や将来を「前向きな言葉」で伝えていくことです。「自社のありのまま」を逸脱するとウソになりますので、その後の信頼関係にかかわりますから注意が必要です。「前向きな言葉」というのは、例えば「○○事業はやっていないんですよね・・・」と言って終わってしまうより、「○○事業より△△事業の方が将来性があると判断して、そちらを手掛けています」、または「○○事業は××という理由で、あえて手掛けていません」などと言った方が、会社の姿勢やポリシーまで含めて、より良い印象で伝えることができるという事です。
欲しい人材とのご縁をつかむためには、「相手に合わせて」、「適切な情報を」、「適切な言い方で」という事が重要になります。
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