5月の企業倒産、1年10カ月ぶりに増加:震災の影響で

2011年6月8日 16:11

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企業倒産の月次推移を示すグラフ(出典:東京商工リサーチ「2011年(平成23年)5月度 全国企業倒産状況」)

企業倒産の月次推移を示すグラフ(出典:東京商工リサーチ「2011年(平成23年)5月度 全国企業倒産状況」)[写真拡大]

  • 主要産業別の倒産件数推移を示すグラフ(出典:東京商工リサーチ「2011年(平成23年)5月度 全国企業倒産状況」)

 東京商工リサーチが8日発表した5月の全国企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は、前年同月比4.8%増の1,071件で、負債総額は同23.7%減の2,526億7,400万円だった。震災が影響し、倒産件数は1年10カ月ぶりに前年同月を上回った。

■震災の影響で倒産件数が増加
 同社によると、倒産件数が増加に転じた背景には、東日本大震災関連の倒産が5月に64件発生するなど、震災が大きく影響した。震災関連の経営破綻は6月7日までで156件にのぼり、「阪神・淡路大震災」が発生した1995年の震災関連倒産144件を既に上回っている。一方、負債総額は5月度としてはこの20年間で最少金額だった。

■産業別では10産業のうち5産業が増加
 産業別の倒産件数では、10産業のうち5産業で前年同月を上回った。増加率が高かったのは、金融・保険業40.0%増(5→7件)、サービス業他36.5%増(197→269件)、農・林・漁・鉱業25.0%増(8→10件)など。小売業、不動産業などは減少した。業種別では、宿泊業(8→29件)、広告関連業(8→18件)、飲食業(60→68件)などサービス業での増加が目立った。

■地区別では9地区のうちで6地区で増加
 地区別の倒産件数では、9地区のうちで6地区が前年同月を上回った。増加率が高かったのは、九州52.8%増(53→81件)、北陸39.1%増(23→32件)、中国21.6%増(37→45件)、中部21.4%増(121→147件)だった。これに対して四国(42.4%減)、東北(8.5%減)、関東(3.2%減)の3地区は減少した。震災の直接被災地である東北は5カ月連続の減少となった。

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