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~ここがポイント-会社を伸ばす中小企業の採用戦略~:第4回 採用計画を考える上でのポイント(2)(1/2)
前回に引き続き、採用計画の際に、考慮しておきたいポイントのご紹介です(前回コラム)。
■新卒と中途では認識を分ける-スケジュールと採用数
中小企業の場合、中途採用を中心とした活動を行っている場合が多いと思います。これは欠員、増員、新規事業など、直近の必要性に応じて人材を求めることが多いためだと思います。
ここ最近は、新卒の就職難のためか、「良い人材が取れるなら」「働く場を少しでも提供してあげたい」などと、小さいながらも新卒採用に初めて取り組んでみようという会社や、しばらく見送っていたが再開してみようという会社のお話を時々聞くようになりました。
このような動きは歓迎すべきことですが、新卒採用の経験があまりない中小企業では、具体的な採用活動の進め方について、中途採用と同じようなやり方で、少し安易に考えているところがあります。
基本的に中途採用は、直近の必要性に応じての採用ですから、活動は短期間に集中して行い、内定後はあまり期間を置かずにすぐ入社ということがほとんどでしょう。
これに対して新卒採用は、次年度入社に向けての活動なので、採用活動を始めてから内定まで、また内定から入社までは、それぞれある程度の期間があります。
採用活動では説明会、筆記テスト、数次の面接とステップを踏み、時間をかけて見極めを行いますし、内定期間中は電話やメール交換をしたり、懇親会をしたり、入社前研修をしたりと、お互いが理解しあうための交際期間のような位置づけになります。(こちらはあまり手をかけないという会社もありますが、私は入社後の定着を左右する重要な期間だと捉えています。)
会社によっては夏頃から、翌々年の4月採用の活動を始めますから、採用活動期間、内定者期間を合わせて1年7~8か月というような長い時間がかかります。
ここからいえば、中途採用は「スポット」での活動、新卒採用は「流れ」で考える活動ということになります。同じ採用活動ですが、捉え方ははっきりと分ける必要があります。
すでに新卒採用に取り組まれている企業ではごく当たり前のことかもしれませんが、これから取り組もうという企業は、あらためて以下の点に配慮した上で行っていただくとよいと思います。
・新卒採用の活動スケジュールは、いつごろ内定出しをするかを考え、そこから逆算して計画する。(エントリー開始から内定までの1クールは2~3か月程度が一般的)
・内定から入社までの期間が長く、一度内定すれば相応の責任が発生するので、受け入れ可能な採用人数を慎重に設定する。
・収益につながるまで早くて3年。長い目でとらえることができる採用数と研修体制を準備する。(放置して見て覚えろでは新人は育たない)
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