遠い企業業績より近くの金価格」で最高値更新の金関連株にリサーチ余地=浅妻昭治

2011年5月2日 18:25

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

連休の谷間で、「2日新甫相場」の2日で、さらに米国の相場格言でいう「Sell in May and go away(5月に売って市場から撤退せよ)」の「5月」である。

連休の谷間で、「2日新甫相場」の2日で、さらに米国の相場格言でいう「Sell in May and go away(5月に売って市場から撤退せよ)」の「5月」である。[写真拡大]

【浅妻昭治(株式評論家・日本インタビュ新聞社記者)のマーケット・センサー】

  連休の谷間で、「2日新甫相場」の2日で、さらに米国の相場格言でいう「Sell in May and go away(5月に売って市場から撤退せよ)」の「5月」である。アイノマリーからは、三重苦のスタートを示唆している。連休明けからガラリと相場付きが変わるのかどうか不明だが、少なくとも連休中は市場参加者が限られ、不確定要因も多すぎて警戒心が先に立ってしまう。

  本当だったら、てぐすねを引いていた業績相場が始まっている頃合であった。被災者の方々の神経を逆撫でするようで心苦しいが、「想定外」の東日本大震災と原発事故が、複合して発生していなかったら、それこそ株式市場は、相次ぐ好決算の発表を謳歌していたはずである。米国市場でインテルやアップルの好決算に牽引されてNYダウが、2年11カ月ぶりの高値をつけたように、日経平均株価も業績相場の色合いを濃くして上値を追っていたに違いない。

  確かに日経平均は、大震災直後のザラ場安値8227円から3月期決算会社の決算発表スタートとともに、9849円まで大きくリバウンドしたが、これを業績相場と呼ぶのはいささか無理がある。今期業績予想を未定とした主力銘柄が多いが、その銘柄が買いなのか売りなのか評価が一定せず、気まぐれに動いているようであり、今期予想が市場コンセンサスを下回っても買い進まれる銘柄まで見受けられた。業績を買っているとはいい難い。あくまで需給相場である。米国株の上昇でリスク許容度の増した外国人投資家が日本株買いを続けているに過ぎない。

  もし相場が、このように米国株主導型で推移するとすれば、もう少し買われていい銘柄がある。金価格関連株である。金先物価格は、NYダウの2年11カ月ぶりの高値どころではない。前週末29日の取引終了後の時間外取引では一時、1トロイオンス=1569.8ドルと3日連続で過去最高値を更新したからだ。4月27日のバーナンキFRB議長の記者会見で、国債購入策が6月に打ち切られたあとも、緩和的な金融政策を継続することが示唆されてドルが売られ、ドル代替資産の金買いが拡大した結果である。

  ところが、この金価格の上昇には関連株の反応はいま一つである。代表株の住友金属鉱山 <5713> は、大震災後の1031円安値から1400円台までリバウンドしたが、なお年初来高値1593円に届かずしまいである。貴金属専門アナリストが、揃ってこの金価格高騰を冷ややかに分析、需給要因から「Sell in May and go away」の天井観測を行っているクスリが効きすぎている結果のようである。

  しかし、ことわざにもあるように頼りになるのは、「遠い親戚より近くの他人」である。いつ現実になるかまだ不明な企業業績の好転を待つより、いま目の前にある最高値を確実に捉える「遠い企業業績より近くの金価格」で銘柄選択をしてみるのも一考余地がある。

  住友金鉱のほか、三菱マテリアル <5711> 、DOWAホールディングス <5714> 、アサヒホールディングス <5857> 、松田産業 <7456> 、フルヤ金属 <7826> などをリサーチしてみることである。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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