シュレーディンガー猫状態光パルスの量子テレポーテーションに成功

2011年4月20日 12:30

印刷

記事提供元:スラド

  Anonymous Coward 曰く、

 東大が、「シュレーディンガー猫状態光パルスの量子テレポーテーションに成功」と発表した (東大による記者発表詳細の PDF) 。

  日刊工業新聞の記事で簡潔にまとめられているが、東大の古澤明教授らは「2 つの状態が同時に存在しており、観測した時点でどちらかの状態に決定される」という状態 (シュレーディンガー猫状態) を「位相が反転した光のパルスの重ね合わせ」として実現。これを「量子もつれ状態にある 2 つの光ビーム」を用い、片方への測定がもう片方へ及ぶことを用いて光パルスを伝送した。

 シュレーディンガー猫状態はそれを観測してしまうと状態が決定されていまい、その性質が失われてしまう。しかし、量子もつれ状態の光ビームを利用する観測では、測定が間接的に行われるため、シュレーディンガーの猫状態を失わずに伝送が可能となる。「この成果は、量子力学基礎の検証という意味ばかりでなく、量子情報通信・量子コンピューター実現に向けた大きな一歩である。特に、超大容量光通信への極めて重要な一歩である。」とのこと。

 スラッシュドットのコメントを読む | サイエンス

 関連ストーリー:
原子間の量子テレポーテーションに成功 2004年06月18日
100%確実な量子テレポーテーション 2002年06月18日

 

※この記事はスラドから提供を受けて配信しています。

関連記事