3月短観の再集計、震災後は先行きの景況感が悪化

2011年4月4日 15:06

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 日本銀行は4日、企業の景況を調査した3月の短観を、東日本大震災の前後に分けて再集計した結果を発表した。大企業・製造業の業況判断指数(DI)は、足元が震災前の7に対して震災後は6と変化が小さかったが、先行きは震災前の3からマイナス2に5ポイント低下。先行きの景況感が悪化していることが示された。

 大企業・非製造業では足元が震災前の1に対して、震災後は7と、製造業とは逆に改善しているが、先行きでは震災前が0に対して、震災後はマイナス4に悪化している。

 中堅企業では、製造業の足元が震災前のマイナス3から震災後はマイナス7に悪化。非製造業の足元はマイナス7からマイナス2にと大企業・非製造業と同じく改善。先行きは、製造業がマイナス7からマイナス14、非製造業がマイナス11からマイナス14にいずれも悪化した。

 中小企業では、製造業の足元がマイナス10からマイナス6に改善、非製造業の足元がマイナス18からマイナス19に改善。先行きは、製造業がマイナス16からマイナス18、非製造業がマイナス22からマイナス25に悪化している。

 いずれの規模でも足元の業況判断の震災前後の変化はまちまちだが、先行きについては悪化している傾向が見られる。

 なお、日銀は震災後の回答企業数が少ないことから、震災前後のDI水準同士を比較するのは適切でない可能性があるが、震災前後の最近から先行きへの変化幅は比較可能性がより高いと考えられるとしている。

 日銀では、3月短観について、回答期間を2月24日から3月31日、回収基準日を3月11日に設定して調査していた。3月11日の震災発生前後では、調査対象企業の回答時の状況が大きく変わったため、異例の措置として、調査開始日の2月24日から3月11日までの回収分を「地震前」、3月12日から調査期間最終日3月31日までの回収分を「地震後」に分けて再集計した。

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