東日本大震災で半導体・電子部品の供給不足のおそれ:米調査会社

2011年3月15日 17:06

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 米調査会社アイサプライ(iSuppli)は14日、東日本大震災の影響で日本からの出荷が滞ることで、一部の電子部品に供給不足と価格高騰が起こる可能性があるとの調査結果を発表した。

 同社は、震災による電子製品の生産設備への直接的な被害の報告は少ないが、物流とインフラへの影響が出ていることを指摘。今後2週間は日本からの出荷が減少するか停止すると見ている。また、この供給不足の影響は7-9月期まで続く可能性があるとしている。

 同社によると、供給不足と価格高騰の可能性があるのは、NAND型フラッシュメモリ、DNAM、マイクロコントローラー、液晶パネル、液晶の構成部品など。

 実際の供給不足はまだ現れていないが、震災による心理的な効果で部品の価格には影響が出始めている。高密度NAND型フラッシュメモリの価格はスポット市場で10%上昇した。また、スポット市場でのDRAM価格も11日から最大7%上昇している。

 しかし、同社はDRAMのOEM顧客向けの価格の大幅な変動があるとは見ていない。また、契約市場における主要なOEM顧客への平均販売価格は当面現状のまま保たれる見込みが高いという。

 同社によると、日本は2010年の世界半導体市場で5分の1以上を占めている。日本企業のマイクロチップの2010年の売上高は633億ドルで、売上高では世界市場の20.8%に達する。生産のすべてが国内で行われている訳ではないが、多くは国内の製造設備で生産されている。

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