「GPS ジャマー」のおそるべき効果

2011年3月11日 12:00

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記事提供元:スラド

  hylom 曰く、

 今日ではさまざまな機器に GPS が搭載されている。これらは ATM など意外な機器でも使われているが、「30 ドルで販売されている GPS ジャマー」で GPS 電波を妨害することで、身近な機器を簡単に暴走させられる (NewScientist の記事本家 /. 記事より) 。

 まず例として挙げられているのは 2010 年に北海で行われた実験だ。 THV Galatea という大型船舶において GPS ジャマーを用いて GPS を正しく利用できない状況にしたところ、ブリッジのディスプレイには誤った位置情報が表示されアラームが鳴り響き、航海支援システムやレーダーもクラッシュ、さらには衛星通信システムも利用できなくなるという状況となったそうだ。

 恐ろしいのはこのような危険を持つ GPS ジャマーが 30 ドル程度で購入できてしまうことだそうで、実際にトラック強奪などの犯罪にも用いられているとのこと。GPS ジャマーが影響を及ぼすのは自動車や船、飛行機といった乗り物だけでない。GPS からの信号には時刻を示す情報も含まれており、たとえば携帯電話はこれを用いて通信タイミングの同期を行っているため、GPS ジャマーにより通話・通信が行えなくなることがあるという。また、時刻ベースの暗号化を用いる ATM でも利用されていることがあるそうで、これも影響を受ける可能性があるそうだ。

 GPS 妨害装置は日本でも手に入るが、このような「予想外」のトラブルを引き起こさないためにも、十分に留意して使用してほしい。

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