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ハーバード大医学部、マウスの「若返り」に成功
capra 曰く、
ハーバード大学医学部の研究チームが老いたマウスを「若返らせる」ことに成功したそうだ(guardian.co.uk、本家/.)。
研究グループが着目したのは老化に関わっているとされているDNAの末端部分の「テロメア」。テロメアは細胞分裂するたびに短くなっていき、ある一定の長さまで短くなると機能しなくなり、細胞は死亡するか「細胞老化」と呼ばれる状態になるとのこと。
研究ではまず遺伝子操作でテロメアの短縮を司る酵素である「テロメラーゼ」を欠くマウスを作った。テロメラーゼを欠いたマウスは尚早に老化プロセスが始まり、嗅覚の異常や不妊、脳の成長不良、また脾膿や腸の損傷などが認められたという。このマウスにテロメラーゼを活性化させる物質を注射したところ、損傷組織の再生や老化プロセスの逆行が認められたとのこと。また、脳内では新たなニューロンの成長も認められたという。
ただし、このまま人間の「若返り」を実現できるということではないとのこと。マウスでは死ぬまでテロマレーゼが生成されるが、人間の場合は細胞の癌化を防ぐ仕組みとして、成長に伴ってテロメラーゼが不活性化されるという。人間においてテロメラーゼを活性化することは、癌のリスクと隣り合わせなのだそうだ。
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