システムサポートは調整一巡、21年6月期は利益上振れの可能性

2021年4月16日 08:45

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

 システムサポート<4396>(東1)は、データベース関連・クラウド関連・ERP関連のソリューション事業を主力としている。ストック収益のプライベート型クラウドサービスの拡大や、自社開発の統合型基幹システム「役者」シリーズの拡販などを推進している。21年6月期増収増益予想で、利益予想に上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。株価は反発力が鈍く上値を切り下げる形だが、調整一巡して出直りを期待したい。なお5月13日に21年6月期第3四半期の決算発表を予定している。

■ソリューション事業が主力

 データベース関連・クラウド関連・ERP関連サービスなどのソリューション事業を主力として、データセンターサービスやシステム保守・運用などのアウトソーシング事業、パッケージソフト開発・販売などのプロダクト事業も展開している。

 20年6月期のセグメント別(連結調整前)売上構成比は、ソリューション事業が83%、アウトソーシング事業が13%、プロダクト事業が4%、その他が0%、売上総利益構成比はソリューション事業が76%、アウトソーシング事業が15%、プロダクト事業が9%、その他が▲0%だった。

 主力のソリューション事業は、Oracleデータベースの設計・構築・保守・運用などのデータベース関連サービス、AWSやAzureの基盤構築・導入・移行支援などのクラウド関連サービス、SAPの導入・保守・運用などのERP関連サービス、およびITシステム開発を展開している。

 収益力向上に向けてストック収益のプライベート型クラウドサービスを拡大するため、地震の少ない金沢市にデータセンターを設置し、プロダクト事業では自社開発の統合型基幹システム「役者」シリーズの拡販を推進している。また米国シリコンバレーに子会社を設立し、最先端のIT技術・サービスの発掘に努めている。

 21年2月には、持込パソコン・持込メディアのウイルス感染有無を検査して社内ネットワーク接続可否を判定するセキュリティチェックシステム「PC検疫 けんちくん」の提供を開始した。21年3月には「LINE WORKS」と「建て役者」の連携機能第2弾として、点検訪問の効率化をサポートする「点検bot」の提供を開始した。

■データベース領域やクラウド領域での高い技術力が強み

 データベース領域やクラウド領域での高い技術力を強みとしている。

 データベース領域では、Oracleデータベース技術者に対する最高峰の認定資格ORACLE MASTER Platinum保有者数が国内累計3位、単年2位(18年8月時点)である。また19年度のORACLE Cloud Platform(PaaS/IaaS)認定資格取得数が国内1位となり、ORACLE Certification Awardを受賞した。

 クラウド領域では、米アマゾン社のクラウドサービスAWSに関して、AWSコンピテンシープログラムでOracleコンピテンシーを取得している日本企業のうちの1社である。さらに米マイクロソフト社のクラウドサービスAzureに関して、Gold Cloud Platformパートナーに認定されている。

 20年11月にはマイクロソフトのパートナープログラムにおいてAdvanced Specializationを取得した。また金沢市および日本マイクロソフトとの三者で、クラウドを活用した地域活性化に関する連携協定を締結した。

■21年6月期は利益上振れの可能性

 21年6月期連結業績予想は、売上高が20年6月期比7.2%増の143億42百万円で、営業利益が5.8%増の7億98百万円、経常利益が10.3%増の7億85百万円、そして親会社株主帰属当期純利益が15.3%増の5億18百万円としている。配当予想(2月10日に期末10円上方修正)は20年6月期比10円増配の20円(期末一括)である。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比5.2%増の69億17百万円、営業利益が25.1%増の5億08百万円、経常利益が38.4%増の5億17百万円、四半期純利益が43.6%増の3億44百万円だった。売上高は計画をやや下回ったが増収を確保し、原価率改善や販管費抑制も寄与して計画超の大幅増益だった。

 ソリューション事業は4.9%増収で8.6%増益だった。高利益率のクラウドシステム(ServiceNow)導入など、クラウドサービス利用支援分野の受注が好調だった。アウトソーシング事業は9.3%増収で18.2%増益だった。AI関連サービスを含めたデータセンター業務が好調だった。プロダクト事業は1.1%減収で11.8%減益だった。前年の「建て役者」の大型カスタマイズ案件の反動で減収減益だった。

 四半期別に見ると、第1四半期は売上高32億77百万円で営業利益2億02百万円、第2四半期は売上高36億40百万円で営業利益3億06百万円だった。

 通期も需要が堅調に推移して増収増益予想としている。重点施策として、ソリューション事業においてはデータベースおよびクラウド基盤関連の強化、米国発の企業向けクラウドサービス「ServiceNow」導入・利用支援の強化、ストック収益となるデータセンターの稼働率上昇、自社プロダクトの販売強化などを推進する方針だ。

 第2四半期累計の進捗率は売上高が48.2%、営業利益が63.7%、経常利益が65.9%、純利益が66.4%だった。利益進捗率が高水準であり、通期も利益予想に上振れの可能性がありそうだ。収益拡大を期待したい。

■株価は調整一巡

 株価(20年6月1日付で株式2分割)は反発力が鈍く上値を切り下げる形だが、調整一巡して出直りを期待したい。4月15日の終値は1536円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS50円32銭で算出)は約31倍、今期予想配当利回り(会社予想の20円で算出)は約1.3%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS239円45銭で算出)は約6.4倍、時価総額は約159億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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