アジアのOTCデリバティブ市場は成長に向かう態勢にある―第28回ISDA年次総会での報告

プレスリリース発表元企業:ISDA

配信日時: 2013-04-24 20:37:00

アジアのOTCデリバティブ市場は成長に向かう態勢にある―第28回ISDA年次総会での報告

(シンガポール)- (ビジネスワイヤ) -- 国際スワップデリバティブ協会(ISDA)は本日、アジアの店頭取引(OTC)デリバティブ市場にさらなる成長の態勢が整っていることを示すレポートを発表しました。この発表は、シンガポールで開催中の第28回年次総会の冒頭に行われました。ISDAのためのレポート「アジアのOTCデリバティブ市場(The Asian OTC Derivatives Markets)」は、オリバー・ワイマンの一部門であるセレントが作成しました。

レポートによれば、アジアのエンドユーザーの57パーセントが今後数年にわたりOTCデリバティブの利用を増やすとし、36パーセントが同じレベルで利用すると回答しました。

ISDA会長を務めるモルガン・スタンレーのマネジングディレクターのStephen O’Connorは、次のように述べています。「OTCデリバティブは現在、域内と世界各地の企業、投資運用会社、政府機関、金融機関にとって重要なリスク管理およびリスク回避ツールとなっており、今後もその重要性には変わりはないと見込まれます。ISDAは市場参加者と世界の政策決定者と共に安全で効率の良い市場の構築を目指して協力し、市場参加者の皆さまにOTCデリバティブの利点を理解してもらえるよう、努力を続けます。」

ISDAの第28回年次総会には、世界の800を超える会員組織より700人以上の出席者が見込まれています。アジア太平洋地域の12カ国(中国、香港、インド、インドネシア、カザフスタン、韓国、マレーシア、パキスタン、フィリピン、シンガポール、台湾、タイ)の会員組織も参加します。さらに、ISDAは香港、シンガポール、東京に事務所を構えており、今回の総会は、2006年に続いてシンガポールで開かれる2回目のISDA年次総会です。近年当地域で開催された他のISDA年次総会には、2009年の北京と2003年の東京での総会があります。

ISDA最高経営責任者(CEO)のRobert Pickelは、次のように述べています。「ISDAに加盟している世界的企業のおよそ10パーセントがアジア太平洋地域に本社を置いており、アジアでの当協会のプレゼンスは大きく、今も拡大を続けています。当初、当協会のアジアでの努力は日本からの理事会への参加、当地域での能動的なコミッティー、規制の浸透を中心としていました。現在では、香港、シンガポール、中国、オーストラリアが理事に加わり、当地域全体に事務所が広がっています。」

年次総会でISDAが発表したセレントによるレポートは、アジアのOTCデリバティブ市場(オーストラリア、中国、香港、インド、インドネシア、マレーシア、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾)の規模と範囲を分析したものです。また、当レポートは、OTCデリバティブ市場の改革を求める世界からの要求に応えるためにアジア諸国が行っている対応についても検討しています。以下に、重要なポイントについて紹介します。

2012年のアジアのOTCデリバティブ市場全体の規模は、42兆6000億米ドル(想定元本)でした。この金額には、外国為替(FX)、金利、株式、商品、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)などのOTCデリバティブを含みますが、ポートフォリオ圧縮の影響は考慮していません。ポートフォリオ圧縮は、想定元本の残高を縮小させます。 2008年の世界金融危機の後、2009年に想定元本は減少し、その後2010年と2011年には上昇しました。想定元本は2012年に急増し(2011年から2012年にかけて25パーセント上昇)、5年間の複合年間成長率(CAGR)は3.1パーセントとなりました。 アジアのOTCデリバティブ市場の年間取引高は2012年に186兆米ドルとなり、2009年や2010年に比べて急増しました。2008年から2012年の取引高は毎年2.2パーセント(CAGR)のペースで上昇しました。OTC外国為替デリバティブは2008年から2012年にかけてのアジアにおける取引高増加の80パーセント以上を占め、第2位の金利デリバティブ(18パーセント)を大きく引き離しました。 外国為替デリバティブは、アジアで最も頻繁に利用された商品で、2012年の取引高の76パーセントを占めています。2位の金利デリバティブは1位との差が大きく、アジアの取引高に占める割合は18パーセントでした。商品スワップ、株式スワップ、CDSなど、その他の資産クラスが占める割合は1桁台となっています。 当地域でのOTCデリバティブの上位の国々は、オーストラリア、香港、シンガポールです。オーストラリアとシンガポールは合わせて外国為替取引の取引高の3分の2以上を占め、シンガポールは他を大きく引き離して最大の市場(取引高の40パーセント以上)となっています。 「アジアのOTCデリバティブ市場」の全文は、ISDAウェブサイトでご覧いただけます。

ISDA第28回年次総会:シンガポール

有益なイベントが多数行われる今年の年次総会には、以下の方々を含む業界幹部や公共政策立案者が参加します。

Ng Nam Sin氏、シンガポール通貨監督庁、開発グループ、アシスタントマネジングディレクター Wilson Ervin、クレディ・スイス・グループ、グループ・エグゼクティブ・オフィス、副会長 William Coen、国際決済銀行、バーゼル銀行監督委員会事務局次長 年次総会で開催されるセッションとパネル:

ISDA会長のStephen O’Connorが、ゴールドマン・サックスのMartin Chavez氏とブラックロック・アセット・マネジメントのJoel Kim氏を迎えて行う世界のOTCデリバティブ市場の未来に関する対談 新たな透明性から何を知ることができるのか 清算・非清算スワップの将来 世界のデリバティブ・ビジネスの諸問題 法務と文書化:新たな世界でのデリバティブ法律家の役割 金融の世界のシステム問題の今後 実施面はどこまで進んでいるか ビジネス行動要件の規制的・文書化的側面、デリバティブの世界でのデータの重要性の拡大、リスクと規制資本についての専門家セッションやISDAの商品と担保のステアリング・コミッティーについての報告も行われます。 2013年度年次総会の全議事日程は、http://agm.isda.org/でご覧いただけます。

国際スワップデリバティブ協会(ISDA)について

1985年以来、ISDAは世界の店頭取引(OTC)デリバティブ市場の安全性と効率を高めるべく努力してきました。現在、ISDAは60カ国に800を超える会員組織を擁しています。これらの会員には、事業法人、投資運用会社、政府機関、国際機関、保険会社、エネルギー企業やコモディティー企業、国際銀行や地域銀行など、さまざまなOTCデリバティブ市場の参加者が含まれています。市場参加者に加えて、会員には取引所、清算機関、リポジトリ、法律事務所、会計事務所、その他のサービス提供業者などのデリバティブ市場インフラの重要な要素である組織も含まれます。ISDAとその活動の詳細については、当協会のウェブサイト(www.isda.org)をご覧ください。

セレントについて

セレントは調査・助言を提供しており、金融機関が総合的なビジネス戦略やテクノロジー戦略を策定できるようサポートしています。セレントは、金融サービステクノロジーの業界動向と最良事例を見極めるレポートを発行し、既存のビジネスプロセスの拡大や新たな事業戦略の開始にテクノロジーの活用を検討している金融機関にコンサルティングサービスを提供しています。世界各地に熟練したアナリストのチームを持つセレントは、世界規模の戦略アドバイスや市場洞察を提供できる独自の地位を確立しています。セレントは、マーシュ・アンド・マクレナン・カンパニーズ(NYSE: MMC)の一部であるオリバー・ワイマン・グループのメンバーです。

ISDA® は国際スワップデリバティブ協会の登録商標です。

本記者発表文の公式バージョンはオリジナル言語版です。翻訳言語版は、読者の便宜を図る目的で提供されたものであり、法的効力を持ちません。翻訳言語版を資料としてご利用になる際には、法的効力を有する唯一のバージョンであるオリジナル言語版と照らし合わせて頂くようお願い致します。





連絡先
ISDA New York
Lauren Dobbs, +1 646 522 4984
ldobbs@isda.org
or
ISDA London
Rebecca O’Neill, +44 7788 871 386
roneill@isda.org
or
ISDA Hong Kong
Donna Chan, +852 9312 1311
dchan@isda.org

プレスリリース情報提供元:ビジネスワイヤ