甲南女子中高の校舎、国の「登録有形文化財」に登録へ|建築家・村野藤吾が手がけた校舎群から「管理棟」「特別棟」「講堂」など6件

プレスリリース発表元企業:大学プレスセンター

配信日時: 2019-11-16 08:05:05

大学通信から中学・高校のニュースリリースをお送りします。



甲南女子中学校・高等学校(神戸市東灘区)が保有する、日本を代表する建築家「村野藤吾」が手がけた校舎などが、令和元年11月15日(金)開催の文部科学省文化審議会の答申を受け、今後行われる官報告示を経て、登録有形文化財(建造物)へ登録される見込みとなりました。




【本件のポイント】
■甲南女子学園(甲南女子中学校・高等学校、甲南女子大学)では、2020年に迎える学園創立100周年記念事業の一環として、校舎の文化財指定申請を行っています。
■今回登録が見込まれるのは、昭和43年に建築された甲南女子中学校・高等学校の校舎群から「管理棟」「特別棟」「体育館」「体育研究室」「講堂」「守衛室」の6件です。
■同校における登録有形文化財への登録は初めてです。また、甲南女子学園としては、2018年度の甲南女子大学校舎(「管理棟」「3号館」「渡廊下」)に続く2例目となります。

 今回の答申を受け、建物そのものの価値を評価されたことはもちろん、甲南女子学園におけるこれまでの保存・活用の取り組みが認められたものと捉えています。1世紀にわたり脈々と受け継がれた学園の歴史的価値として、全学園を挙げて、今後もその維持と継承に努めていく所存です。

【建造物について】
(1)甲南女子中学校・高等学校管理棟
・所在地:兵庫県神戸市東灘区森北町5丁目4他
・建築年代:昭和43年
・登録基準:1.国土の歴史的景観に寄与しているもの
・特徴・評価
 甲南女子大学東隣のキャンパス中央に建つ。鉄筋コンクリート造2階建、1階中央をピロティとして車路を通し、車路の東を主玄関とする。玄関から特別棟へは、回廊をつくり教職員と生徒の動線を巧みに分離する。村野藤吾によるキャンパス計画の中心をなす。
・備考:建築年代は登記簿による。設計は村野藤吾、施工は大林組。平成2年に棟の南西側を増築した(登録範囲外)。

(2)甲南女子中学校・高等学校特別棟
・所在地:兵庫県神戸市東灘区森北町5丁目4他
・建築年代:昭和43年/平成24年改修
・登録基準:1.国土の歴史的景観に寄与しているもの
・特徴・評価
 管理棟の東側に接続して建つ鉄筋コンクリート造四階建の校舎。同一形状の窓が並ぶ立面だが、西側の窓は上下で窓の横幅を変えて凸字型にし、中央部に水平庇を突き出し、両端の外階段のバルコニー腰壁は煉瓦積とするなど、立面に変化を付ける。
・備考:建築年代は登記簿による。設計は村野藤吾、施工は大林組。当初は3階建の棟が北側に雁行し、さらに桁行約60メートルに延びていたが、平成24年に解体された。

(3)甲南女子中学校・高等学校体育館
・所在地:兵庫県神戸市東灘区森北町5丁目4他
・建築年代:昭和43年
・登録基準:1.国土の歴史的景観に寄与しているもの
・評価・特徴
 管理棟の西端北側に建つ体育館。鉄骨造2階建てで、1階は中廊下で食堂、卓球場を配し、2階は1室とする。矩形平面の四隅に2本ずつ対をなす鋼管柱を8本立て、大梁を対角に架けて47メートルの大スパンを確保し、軽快な架構を構成する。
・備考:建築年代は登記簿による。設計は村野藤吾、施工は大林組。

(4)甲南女子中学校・高等学校体育研究室
・所在地:兵庫県神戸市東灘区森北町5丁目4他
・建築年代:昭和43年
・登録基準:1.国土の歴史的景観に寄与しているもの
・評価・特徴
 体育館の南西隅に接続する鉄骨造2階建の建物。1階をピロティとし、2階は凸型の平面とする。ピロティの柱はセメント板で被覆した末広がりの角柱とし、2階の連続窓の上に薄い庇を張出し、細い螺旋階段で昇降する軽快なつくりの建物とする。
・備考:建築年代は登記簿による。設計は村野藤吾、施工は大林組。

(5)甲南女子中学校・高等学校講堂
・所在地:兵庫県神戸市東灘区森北町5丁目4他
・建築年代:昭和43年
・登録基準:2.造形の規範となっているもの
・評価・特徴
 管理棟の南側斜面に建つ講堂。六角形平面の北を舞台とし南を台形に突出させて座席とする。平面に対応して屋根を小割にし、その軒を薄くして軽快感を強調している。室内は天井や壁の出隅に曲線を多用する有機的な設えとし、村野藤吾の造形的特徴を伺わせる。
・備考:建築年代は登記簿、『新建築 第44巻第2号』(1969)による。設計は村野藤吾、施工は大林組。

(6)甲南女子中学校・高等学校守衛室
・所在地:兵庫県神戸市東灘区森北町5丁目4他
・建築年代:昭和43年
・登録基準:1.国土の歴史的景観に寄与しているもの
・評価・特徴
 キャンパス南側の正門脇に設けられた守衛室。平屋建で、コンクリートブロック壁に木造の宝形を組み合わせた屋根を架ける。矩折れに取付く出窓や、煉瓦を2段帯状に積み込んだブロック積の壁体など、小規模ながらも細部まで意匠的配慮が行き届いた造形である。
・備考:建築年代は登記簿による。設計は村野藤吾、施工は大林組。

【学校紹介】甲南女子中学校・高等学校
 英米流の自由主義思想に基づく、新しい創造教育の実践を目指して1920年4月に誕生しました。目標は「豊かな教養を身につけ、すぐれた品性を備えた一人の女性として成長する」ことです。そのため、甲南女子の6年間では、自ら学び、考える姿勢を生み出す総合学習や英語教育、情報教育など時代を見据えた幅広い視点からの学びにも力を入れています。2020年に学園創立100周年を迎えます。

▼本件に関する問い合わせ先
甲南女子中学校・高等学校事務室
住所:〒658-0001 兵庫県神戸市東灘区森北町5-6-1
TEL:078-411-2531


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