NPO・NGO・ソーシャルベンチャーでの理想の働き方、約3割が「副業」を希望 「収入が減っても働きたい」はわずか約1割
配信日時: 2019-11-08 10:00:00
日本初・“社会課題解決を仕事にしたい人”を対象とした理想の働き方調査 ソーシャル・ワークスタイル レポートvol.1
総合人材サービス、パーソルグループのパーソルキャリア株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:峯尾 太郎、以下パーソルキャリア)が運営する転職サービス「doda(デューダ)」< https://doda.jp/ >は、社会課題解決を仕事にしたいが、踏み出せていない20歳~49歳のビジネスパーソン1,051名人を対象に「ソーシャルセクター※での理想の働き方」を調査し、「ソーシャル・ワークスタイル レポートvol.1」としてまとめましたので、お知らせいたします。
※ 本調査では、社会課題の解決を目的としたNPO・NGO・ソーシャルベンチャーを総称として「ソーシャルセクター」と定義しています。
■調査まとめ
事前のスクリーング調査では、8,449人中、約3割がソーシャルセクターや一般企業のCSR部門などで社会課題解決を主目的に働いている、または働くことを希望しており、特に約4人に1人がソーシャルセクターで勤務する意向をもつという結果に。また、社会課題解決を仕事にしたい意向はあるものの、まだソーシャルセクターに勤務していない15.1%の人の中から性年代別に抽出した1,051人を対象に、ソーシャルセクターでの理想的な働き方の調査を実施したところ、多くのビジネスパーソンが、生きがいや社会の役に立ちたいという理由でソーシャルセクターでの勤務を希望しながらも収入面での不安を抱えており、正社員だけではなく副業やボランティア、さらにはリモートワークといった、多様化する働き方にあわせた勤務形態を望んでいる実態が明らかとなりました。
本調査に加え、社会課題の解決に取り組むソーシャルセクター23団体によるイベント「ソーシャル・ワークスタイル フォーラム2019 by doda」を2019年11月16日(土)に開催し、ソーシャルセクターで働く人のリアルなイメージを皆さんにお届けする予定です。
※特設サイト: https://doda.jp/event/socialworkstyleforum2019nov.html/
パーソルキャリアでは、今後も -人々に「はたらく」を自分のものにする力を- というミッションを推進する取り組みの一つとして、ソーシャルビジネスに関わりたい「はたらく個人」が、自分に合った働き方で、自分の興味のある社会課題に取り組むきっかけを提供するイベントや情報発信を継続してまいります。
< ソーシャルセクターでの理想の働き方の意識調査 トピックス>
(1)約4人に1人がソーシャルセクターでの勤務を希望しているが、“収入面で不安”
■約4人に1人がソーシャルセクターでの勤務を希望する時代に。
■社会課題解決を仕事にしていない理由「収入面で不安(50.4%)」。
(2)多様化する希望の働き方。約3割は「副業」での勤務を希望、転職で「収入が減っても働きたい」はわずか約1割
■希望の働き方「正職員(44.1%)」「副業(28.0%)」「ボランティア(プロボノ、ボランティア)(27.6%)」。
■転職の際に「収入が減っても働きたい」はわずか12.1%。
■副業での理想的な働き方 本業との割り振りは「本業週5日プラス数時間」、働き方は「リモートワーク(自宅)」が8割超え。
(3)調査考察 (パーソルキャリア株式会社 doda編集長 大浦 征也)
■ビジネスパーソンの、ソーシャルセクターへの転職不安は収入面。副業など多様な働き方が鍵。
< ソーシャルセクターでの理想の働き方の意識調査 詳細>
(1)ソーシャルセクターは、“生きがいを感じられそう”、だが“収入面で不安”
■約4人に1人がソーシャルセクターでの勤務を希望する時代に。
本調査に向けた事前のスクリーニング調査では、8,449人中、約3割の人が「社会課題の解決」に取り組むソーシャルセクターや一般企業のCSR部門などで社会課題解決を主目的にすでに働いている、もしくは働くことを希望するという結果となりました【図1】。そのうち、就業意向はあるもののまだソーシャルセクターに勤務していない1,051人を対象に本調査を実施いたしました。
本調査にてソーシャルセクターで働きたい理由を訪ねたところ、「生きがいを感じる(感じられそうだ)から(54.7%)」がトップとなり、続いて第二位「社会の役に立ちたいから(44.7%)」、第三位「視野を広げたいから(30.2%)」となりました。また第四位には「同じ意識を持った人と交流したいから(18.1%)」もランクインしました【図2】。そして、ソーシャルセクターで働く場合に重視することとしては、「活動の目的や内容に賛同・共感できる(59.4%)」がトップとなりました【図3】。このことから、生きがいや社会貢献を強く望み、また、自分自身の人間的な視野や成長を望むビジネスパーソンの実態が明らかになりました。
図1 あなたは社会課題の解決を目的として働きたいと思いますか。:N=8,449
[画像1: https://prtimes.jp/i/22215/311/resize/d22215-311-462250-0.jpg ]
図2 「社会課題の解決」に取り組むNPOやNGOなどの団体やベンチャー企業で働きたい理由は何ですか。(複数回答):n=1,051
[画像2: https://prtimes.jp/i/22215/311/resize/d22215-311-620157-1.jpg ]
図3 あなたは、「社会課題の解決」に取り組むNPOやNGOなどの団体やベンチャー企業で働くとしたら、どのような点を重視しますか(しようと思いますか)。(複数回答):n=1,051
[画像3: https://prtimes.jp/i/22215/311/resize/d22215-311-940592-2.jpg ]
■社会課題解決を仕事にしていない理由「収入面で不安(50.4%)」。
また、ソーシャルセクターでの仕事を希望しながらも、ソーシャルセクターに仕事として関わっていない理由を尋ねたところ「収入面で不安があるから(50.4%)」がトップになりました。また「きっかけや機会がないから(35.6%)」や「収入以外の待遇面での不安があるから(24.4%)」などを訴える声が集まりました【図4】。このことから、ソーシャルセクターに対して「やりがいがありそうだと感じながらも、収入面での不安」を抱えるビジネスパーソン像が浮き彫りとなりました。
図4 「社会課題の解決」に関心があるが、「社会課題の解決」に取り組むNPOやNGOなどの団体やベンチャー企業に仕事として関わっていない理由は何ですか。(複数回答):n=1,051
[画像4: https://prtimes.jp/i/22215/311/resize/d22215-311-609906-3.jpg ]
(2) 多様化する希望の働き方。約3割(28.0%)は「副業」での勤務を希望、転職で「収入が減っても働きたい」はわずか12.1%
■希望の働き方「正職員(44.1%)」「副業(28.0%)」「ボランティア(プロボノ含む)(27.6%)」、転職の際に「収入が減っても働きたい」はわずか12.1%。
ソーシャルセクターでの希望する働き方を尋ねたところ、「社員・職員として(44.1%)」がトップとなり、続いて「副業として(28.0%)」、「ボランティアとして(22.6%)」、「プロボノとして(5.0%)」が続く結果となりました【図5】。また転職にあたり、その際の収入条件をあわせて尋ねたところ、収入が減ってもかまわないと答えた人はわずか12.1%(総計)という回答結果となり、同レベルの収入を選択した人が30.7%でトップという結果となりました【図6】。
図5 あなたが実際に「社会課題の解決」に取り組むNPOやNGOなどの団体やベンチャー企業で働くとしたら、以下のどの働き方を選択すると思いますか。最も可能性が高いものを選んでください。:n=1,051
[画像5: https://prtimes.jp/i/22215/311/resize/d22215-311-561956-4.jpg ]
図6 あなたが 「社会課題の解決」に取り組むNPOやNGOなどの団体やベンチャー企業への転職をするとして、自分の希望の業種・業務が必ずできると仮定した場合、収入条件を次の中から選んでください。:n=1,051
[画像6: https://prtimes.jp/i/22215/311/resize/d22215-311-275990-5.jpg ]
■副業で関わる場合の理想的な働き方
・本業との割り振りは「本業週5日プラス数時間」、働き方の希望は「リモートワーク(自宅)」が8割超え。
ソーシャルセクターで希望する理想の働き方で副業(28.0%)を選んだ301人に、副業を選択した理由を尋ねたところ「収入も重要だから」という回答が46.1%で最も多く【図7】、理想の副業時間への割り振りは、「今の本業にプラスして数時間、副業にあてる」という回答が45.2%で最も多くあがりました。また、本業の時間は減らさずに、副業の時間を別途確保する意向の人が、過半数を超える全体の67.2%をも占める結果となりました【図8】。このことは、収入面での不安によるものか、もしくは制度上副業が認められていないなどで本業の時間を減らすことには躊躇しているのではないかと推測されます。
図7 以前の設問で、「あなたが実際に「社会課題の解決」に取り組むNPOやNGOなどの団体やベンチャー企業で働くとしたら、以下のどの働き方を選択すると思いますか。」で、「副業として」を最も可能性の高いものとしてお選びになりましたが、その理由は何ですか。全てお答えください。(複数回答):n=301
[画像7: https://prtimes.jp/i/22215/311/resize/d22215-311-656170-6.jpg ]
図8 副業するとしたら、本業とどのように割り振りたいと思いますか。:n=301
[画像8: https://prtimes.jp/i/22215/311/resize/d22215-311-827519-7.jpg ]
また、理想の働き方(場所)として、近年話題化しているリモートワークを希望する人が多く、特に自宅でのリモートワークが83.8%も占める結果となりました【図9】。
この結果から、副業として働くことで本業での収入を確保し、また本業には影響を与えずに休日や帰宅後などに仕事を行おうとするソーシャルセクターとの関わり方の理想像が浮かび上がったと言えます。
図9 副業するとしたらどのような働き方を希望しますか。(複数回答):n=301
[画像9: https://prtimes.jp/i/22215/311/resize/d22215-311-961164-8.jpg ]
・プロボノ希望者の理由は「成長につながる」、ボランティア希望者は「スキルはないが貢献したい」
続いて、ソーシャルセクターでの希望する理想の働き方でプロボノ(5.0%)を選んだ51人に、プロボノを選択した理由を尋ねたところ「自分の成長につながると思うから(50.2%)」「自分のスキルを社会でもっと活用したいから(45.7%)」といった回答が上位を占め、高い専門性スキルを社会に還元したいという、前向きな意識が調査結果としてあらわれていました【図10】。
また、理想の働き方でボランティア(22.6%)を選んだ258人は「自分にスキルはないが、貢献したいと思うから(35.2%)「自分の成長につながると思うから(25.4%)」という回答が6割以上を占め、こちらも前向きな意識が明らかとなりました【図11】。
図10 以前の設問で、「あなたが実際に「社会課題の解決」に取り組むNPOやNGOなどの団体やベンチャー企業で働くとしたら、以下のどの働き方を選択すると思いますか。」で、「プロボノとして」を最も可能性の高いものとしてお選びになりましたが、その理由は何ですか。全てお答えください。(複数回答):n=51
[画像10: https://prtimes.jp/i/22215/311/resize/d22215-311-108019-9.jpg ]
図11 以前の設問で、「あなたが実際に「社会課題の解決」に取り組むNPOやNGOなどの団体やベンチャー企業で働くとしたら、以下のどの働き方を選択すると思いますか。」で、「ボランティアとして」を最も可能性の高いものとしてお選びになりましたが、その理由は何ですか。全てお答えください。(複数回答):n=258
[画像11: https://prtimes.jp/i/22215/311/resize/d22215-311-296427-10.jpg ]
(3)調査考察
■ビジネスパーソンの、ソーシャルセクターへの転職不安は収入面。副業など働き方の多様化が鍵。
事前のスクリーング調査では、8,449人中、ソーシャルセクターで働くことを希望する人が約4人に1人という結果になりました。ただ、多くのビジネスパーソンが、生きがいや社会の役に立ちたいという理由でソーシャルセクターでの勤務を希望しながらも、収入面での不安を抱え、関心はあっても踏み出せない実態であることも浮き彫りになりました。多くの人が社会課題解決を仕事にすることに関心を持つ世の中になりながらも、収入面という現実的な制約条件で自分らしく働くことに躊躇していると言えます。
今回の調査で特徴的だったのは、ソーシャルセクターでの希望の働き方で、副業を希望する方が約3割と多数いたこと、また、勤務形態として自宅でのリモートワークの希望が第1位となったことです。近年、「働き方改革」や「副業兼業解禁」、NPOやベンチャー企業への留職を推奨する企業が登場するなどの新しい働き方が広がりつつある中で、ソーシャルビジネスへの関わり方も一層多様化しています。こうした背景を受け、これまでソーシャルセクターで働くことに二の足を踏んでいた方々が、その不安を「働き方」によって解消し、参画を模索しているとも言えるかもしれません。
上述の通り、依然として「給与が低い」というイメージの強いソーシャルセクターですが、世界的にみると、さまざまな国際的な団体が行動と実績積み重ねることで、職員が能力に応じた報酬をもらうことができる、またはもらってもいいという社会的合意が形成されつつあります。
日本においても、ソーシャルセクターや企業が中心となって参画したい人々の受け皿となる柔軟な「働き方」を創造し、また、行動と実績を通じて「ソーシャルセクターの給与」への社会の理解が進むことで、社会課題解決を仕事にしたい人たちにとって「自分らしく働ける社会」が一層実現していくと考えています。(doda編集長 大浦 征也)
<doda編集長 大浦 征也(おおうら せいや)プロフィール>
[画像12: https://prtimes.jp/i/22215/311/resize/d22215-311-694502-11.jpg ]
2002年、株式会社インテリジェンス(現社名:パーソルキャリア株式会社)入社。
人材紹介事業に従事。法人営業として企業の採用支援、人事コンサルティング等を経験した後、キャリアアドバイザーに。転職希望者のキャリアカウンセリングやサポートに長年携わる。担当領域は多岐にわたり、これまでに支援した転職希望者は10,000人を超える。
その後、キャリアアドバイザーの総責任者、法人営業部隊も含めた地域拠点の総責任者などを経て、2017年より現職。営業本部長、事業部長を歴任し、2019年10月、執行役員に就任。
社外にてJHR(一般社団法人人材サービス産業協議会)キャリアチェンジプロジェクト、ワーキンググループメンバー、SHC(公益財団法人スポーツヒューマンキャピタル)理事にも名を連ねる。
■調査概要
【対象者】20歳~49歳の、社会課題解決を仕事にしたいが踏み出せていないホワイトカラー系職種の男女
【雇用形態】正社員、派遣社員、契約社員、嘱託社員、自由業・自営業・フリーランス
【調査手法】ネットリサーチ会社を利用したインターネット調査
【調査期間】2019年10月15日~10月21日
【回答人数】1,051人
※各図表中の(SA)(MA)はそれぞれ以下を表しています。
(SA)選択肢から1つを選択する回答形式、(MA)選択肢から複数の選択を可能にする回答形式
※各図表中のnはその設問への回答者数を表しています。
※数値は少数第2位を四捨五入しています。そのため、各回答の合計が100%にならない場合があります。
※調査対象より、労働力調査をもとにしたウェイトバック集計を実施
※本調査における“社会課題”とは、貧困、福祉、教育、ジェンダー平等、環境、労働等、社会の欠陥や矛盾から生じる諸問題で、実際に社会で生活していく上で支障をきたすレベルの問題を指します。
■「doda」について< https://doda.jp >
「doda」は、「はたらく今日が、いい日に。」をスローガンに、転職サイトや転職エージェント、日本最大級のdoda転職フェアなど、各種コンテンツで転職希望者と求人企業の最適なマッチングを提供しています。
■パーソルキャリア株式会社について< https://www.persol-career.co.jp/ >
パーソルキャリア株式会社は、パーソルグループの「リクルーティングセグメント」中核会社として、-人々に「はたらく」を自分のものにする力を-をミッションとし、転職サービス「doda」やハイクラス人材のキャリア戦略プラットフォーム「iX」をはじめとした人材紹介、求人広告、新卒採用支援等のサービスを提供しています。2017年7月より、株式会社インテリジェンスからパーソルキャリア株式会社へ社名変更。グループの総力をあげて、これまで以上に個人の「はたらく」にフォーカスした社会価値の創出に努め、社会課題に正面から向き合い、すべての「はたらく」が笑顔につながる社会の実現を目指します。
■「PERSOL(パーソル)」について< https://www.persol-group.co.jp/ >
パーソルグループは、「はたらいて、笑おう。」をグループビジョンに、人材派遣サービス「テンプスタッフ」、転職サービス「doda」やアルバイト求人情報サービス「an」、ITアウトソーシングや設計開発など、人と組織にかかわる多様なサービスを展開しています。
また、人材サービスとテクノロジーの融合による、次世代のイノベーション開発にも取り組んでおり、市場価値を見いだす転職サービス「ミイダス」、ITイベント情報サイトおよびイベント&コミュニティスペース「TECH PLAY」、クラウド型モバイルPOSシステム「POS+ (ポスタス)」などのサービスも展開しています。
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