「自らの考えと共に相手の意見にも真摯に耳を傾け、共通解を導くことが必要」 関西学院大学がグローバルリーダー育成を目的に、関西学院世界市民明石塾を開講~高校生30人が参加、「青年の声明」を作成
配信日時: 2019-08-09 20:05:03
将来のグローバルリーダー育成を目的に、関西学院大学は8月6日から8日まで、選抜された全国26校の高校生30人を対象に「関西学院世界市民明石塾」を西宮上ケ原キャンパスで開講しました。明石康・元国連事務次長を塾長に迎え、2016年から合宿形式で開いているもので、4回目。今年は「Challenges for SDGs!~生命(いのち)~」をテーマに、SDGs(持続可能な開発目標)からGoal2(飢餓をゼロに)、Goal3(すべての人に健康と福祉を)、Goal6(安全な水とトイレを世界中に)の3つの目標を取り上げて、高校生たちが議論を重ね、「世界市民明石塾『生命に関する青年の声明』」を作成しました。
講師は、明石塾長をはじめ、神余隆博・国連・外交統括センター長(元駐ドイツ大使、元国連大使)、久木田純・SGU招聘客員教授(前国連児童基金<UNICEF>カザフスタン事務所代表)、マッケンジー・クラグストン特別任期制教授(前駐日カナダ大使)ら国際公共分野の第一線で活躍してきた本学の教員等が務めました。
8月6日には明石康塾長が「異文化世界で生き抜く力」をテーマに基調講演。グローバリズムと反グローバリズムが交錯する世界で貢献するための資質や姿勢について語りかけました。講演後の対話セッションでは、高校生たちから、対立を克服する方法、真の安全と平和について、多国間交渉でのコンセンサスへの導き方などについて質問が相次ぎました。同日午後には、持続可能な開発目標(SDGs)のプロセスを体験するカードゲームをはじめとしたワークショップがありました。
7日には五つのグループに分かれて世界市民明石塾「生命に関する青年の声明」を作成。各グループの案を一つの声明文へまとめ上げる作業では、時間をかけて言葉の一つひとつを慎重に選びながら活発な議論を展開し、「世界市民として我々は、固定観念によって相手を判断するのではなく、互いを思いやり、積極的な姿勢を保ち、相手の立場に立って思考する精神を持つことが必要」「満足に教育を受けられないと貧困の連鎖は断ち切れず、国は発展していかない」「水道や医療などの衛生的なインフラ整備の必要性、予防に関する教育や対処などについて啓発していかなければならない」などとする提言をまとめました。
最終日の8日には、「Development Assistance for Life」と題した英語での講義の後、「グローバリゼーションは飢餓をなくすことができるのか」とのテーマで日本語と英語によるディベートに取り組みました。
宿舎では本学の大学生サポーター6名との交流会もありました。大学生たちが自身の経験や生活、今後望むキャリアなどについて語った後、高校生たちは将来の進路や大学の選び方、大学での生活などについて相談し、交流を深めていました。3日間のプログラムを終えて、高校生たちには修了証書が授与されました。懇親会では「意識の高い仲間と学べてモチベーションが高まった」などと語り合っていました。
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