日本初のアルバイト情報誌を創刊した「an」がアルバイト市場から読み解く平成トレンドを発表!~“かっこいい”生き方「フリーター」やモテバイト「携帯ショップ店員」など、平成バイト市場を解説~
配信日時: 2019-02-12 11:00:00
総合人材サービス、パーソルグループのパーソルキャリア株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:峯尾 太郎)が運営するアルバイト求人情報サービス「an」< https://weban.jp/ >より、平成のアルバイト市場の振り返りをお知らせいたします。
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「an」は創刊50年以上の、日本で最も歴史のあるアルバイト求人情報サービスです。前身の求人誌「日刊アルバイトニュース」が1967年(昭和42年)に創刊して以来、さまざまな企業の採用を支援してきました。平成が終わろうとしている今、これまでのアルバイト市場の歴史を振り返り、社会情勢の変動が人々の働き方に与えた影響を取りまとめて発表するにいたりました。過去「an」に掲載された多くの求人情報から、平成の社会情勢を紐解き、今後のアルバイト市場について考察いたします。
■バブル期:1986年~1991年(昭和61年~平成2年)
アルバイト市場
【全体】建設ラッシュとファストフード・コンビニの相次ぐ開業により求人増加。24時間営業の定着
空前の好景気を迎え、全職種で人材ニーズが最大化。高度経済成長の基幹となった製造・建設・物流業、ファストフードやファミレス、コンビニなどチェーン店の台頭により店舗が増加した飲食・小売業などの求人がアルバイトニーズを牽引した。これら新業態の24時間営業の店舗拡大により今では当たり前となったシフト勤務や深夜勤務が定着していった。
【人気のバイト】「稼げる」から「かっこいい」アルバイトが人気の時代に
昭和の高度経済成長期には、学費や生活費を稼ぐために働けるなら内容は問わないという学生が主でしたが、バブルを迎えた平成初期(90年代前半頃)から「車やバイクを購入したい」といった、購買意欲をモチベーションにアルバイトをする学生が増加した。当時は携帯電話やSNS、インターネットなどが普及しておらず、家族や友人、恋人とのコミュニケーションは「直接会う」「固定電話」に限定されており、交通費・交際費を得るためや、ブランド物など「良いモノ」を持っているという一種のステータスを得ることが就労動機となっていた。また、この頃から「かっこいい」職種への憧れでアルバイトを選ぶ若者が急増。特に当時流行していたカラオケやボーリング場でのアルバイト人気が高まった。さらに80年代はマスメディアの発達により、映画やドラマ、音楽などが流行を作り、アルバイト市場にも大きく影響した。特に映画をきっかけとしたスキーブームの到来は、スキー場やペンションでの住み込みバイトなど、リゾートバイトの人気を後押しするきっかけとなった。
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【女性】男女雇用機会均等法の影響で主婦もアルバイトする時代に
バブル期によるアルバイトニーズの増加や、1985年に制定された男女雇用機会均等法の影響もあり、専業主婦が当たり前だった時代から主婦も働く時代に変化していった。
【フリーター】「フリーター」= “かっこいい”生き方の時代
1980年代になると、「フリーター」という言葉が誕生。「フリーター」= “かっこいい”生き方というイメージが浸透したため、大学を出ても就職せず「フリーター」になる若者が急増し、社会問題となった。もはやこの時代はアルバイト=学生という図式が崩れ、過去のものとなった。
【求人誌】今とは桁違いの求人需要。「仕事を探す」から「仕事を選ぶ」時代に
バブルの影響で人材の募集が活発化。中綴じだった求人誌の冊子が製本の限界を超え、平綴じ化が主流になった。出版社では求人原稿制作が追い付かず、掲載件数制限や予約制(1~2カ月待ち)となることもあった。求人情報誌を発行する各社は、CMなどマスメディアを使ったイメージ戦略を行い、求人情報誌で募集するほうが「即応性・即効性がある」「フルタイム働けるアルバイターのように、求める人材が採用できる」などのイメージを企業に浸透させることで、求人情報誌でのアルバイト募集を流行化することに成功した。
また、当時の若者の価値観の変化を捉え、求人広告媒体では業種や職種などを横文字、カタカナに書き換え、「かっこ良く」装飾するようになっていった。たとえば、「アパレル」「ショップ販売」「マスコミ」といったいわゆる横文字業態の増加に加え、「アルバイト」⇒「スタッフ」、「事務員」⇒「オフィススタッフ」、「配達員」⇒「デリバリー」など、職種を横文字表記にすることが流行。今では当たり前となった呼称が定着していった。
社会・経済
1974年(昭和49年):セブン‐イレブン1号店開業
1980年(昭和55年):大半のコンビニが24時間営業に
1985年(昭和60年):男女雇用機会均等法制定
1989年(平成 元年):消費税導入開始(3%)
1990年(平成 2年):スーパーファミコン発売。一大ブームを巻き起こした
1991年(平成 2年):フリーターが新語として広辞苑に追加
■バブル崩壊・平成不況:1991年~2002年(平成2年~平成11年)
アルバイト市場
【全体】不況により製造・建設・物流業の採用ニーズは低下。販売・飲食・サービス業が存在感を増す
景気後退と、それに伴う経営合理化政策の影響で、高度経済成長期を支えた製造・建設・物流業をはじめとする、基幹産業の採用ニーズが著しく低下。市場全体の求人数は減少した。一方で、販売・飲食・サービス業の求人が占める割合は増加した。
【女性】「共働き世帯」が「専業主婦世帯」を上回る
平成以前は専業主婦が当たり前だったが、1990年代後半(平成初期)になると景気後退のあおりを受け、「共働き世帯」が「専業主婦世帯」を逆転して上回った※1。以後現代までその差は拡大している。
【人気のバイト】携帯ショップで働くことがステータスに
90年代になると携帯電話が普及。最先端の機器である携帯電話に携わる仕事は人気となり、携帯ショップで働くことが一種のステータスになるような風潮も見られた。
【フリーター】バブル崩壊による就職氷河期の影響で、フリーターが増加
バブル崩壊の影響で、国内の企業は新たな人材を得て育成する余裕がなく、採用活動が鈍化。80年代に人気だった「かっこいいからフリーターになる」という状況が打って変わり、4大卒でも正規雇用の機会に恵まれず、フリーターや派遣など非正規雇用での就業を余儀なくされる人が増加した。
【求人誌】WEBやモバイル版求人サービスの台頭
90年代に入ると、Windows 95や株式会社NTTドコモのiモード普及により、インターネットの利用者が急増。WEBやモバイル版の求人サービスが開始された。また、この頃は学生、社会人、女性などターゲットの属性に合わせて明確に求人広告媒体を分ける傾向に。
社会・経済
1995年(平成 7年):阪神淡路大震災。Windows 95発売。インターネットの普及はじまる
1996年(平成 8年):アムラーブーム、コギャルブーム
1997年(平成 9年):消費税5%に
1999年(平成11年):携帯電話が普及。株式会社NTTドコモのiモードが日本でスタート
※1:「就業構造基本調査」労働制作研究・研修機構調べ
■近年:2002年~現在(平成14年~現在)
アルバイト市場
【全体】インターネット全盛期。求人サイトが激増
2000年前後はインターネット全盛期。求人サイトが激増し、ハローワークのインターネットサービスも開始された。その後スマートフォンの普及により、アプリやSNSを活用した採用手法が台頭した。また、パートの有効求人倍率は2018年9月時点で1.84倍※2と年々増加しており、人手不足が深刻化。学生・主婦・シニア・外国人など、あらゆる層でアルバイトニーズが高まっている。
【女性】老若男女問わずアルバイトニーズが増加
人手不足により、女性に限らず老若男女、国籍問わずアルバイトニーズが増加。また、外国人の採用も活発化しており、今後はさまざまな人にとって働きやすい職場環境が求められている。
【人気のバイト】個人のさまざまなニーズに応える求人が人気
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近年は、価値観の多様化により個人のニーズに合わせた求人が増加。時短勤務や、業務縦割り、まかない支給など融通が利き、待遇の良い求人へ応募が増加した。アルバイトを通じて“スキルアップ”を図ろうとする学生も増えており、就職活動の早期化に伴い将来自分が就職した時のことを見据え、アルバイト先を選ぶ傾向にあるようだ。また、「an」が2017年に調査した「学生人気アルバイトランキング」※3によると1位は一昨年より3年連続で「スターバックス コーヒー」がランクイン。その他、おしゃれでSNS映えするカフェ・スイーツ系の求人も若者を中心に高い人気を誇っている。その他、3位「アニメイト」や12位「ヴィレッジヴァンガード」など、個人の趣味嗜好の多様化に伴い、若者が興味のある趣味(アニメ・音楽・本・ファッション)に関連する職場が上位にランクインした。ファッション分野ではSNSを用いた発信を行い、活躍の幅を広げるショップ店員も人気を集めている。
【フリーター】非正規雇用就業を続けている就職氷河期世代に国民的関心が高まる
2000年代に入ると日本経済は緩やかな景気回復軌道に乗り、新規学卒者の就職状況が若干改善。一方バブル崩壊後の就職氷河期に、フリーターとして年を重ねてきたミドル世代が未だに正規雇用としての就業機会に恵まれないという問題が明るみに。非正規雇用に対する国民的関心が高まる。
【求人誌】スマートフォンの普及に伴うアプリサービスの開始。求人に応募する以外のアルバイト探しも
昭和はハローワークや学校求人、新聞、張り紙。平成初期は求人情報誌やWEBでのアルバイト探しが主だったが、平成後期にはスマートフォンの普及に伴い、アプリの求人サービスが増加。また、オファー型のSNSを活用したサービスなど、求人に応募する以外のアルバイトの探し方も登場。
社会・経済
2008年(平成20年):リーマンショック
2011年(平成23年):東日本大震災
2014年(平成26年):消費税8%に
2016年(平成28年):「一億総活躍社会」の実現に向け、政府主導で「働き方改革」がスタート
※2:労働市場データ https://weban.jp/contents/an_report/wp-content/uploads/2018/11/shijou-data201811.pdf
※3:学生人気アルバイトランキング(2017年版)https://weban.jp/contents/an_report/repo_cont/trend/20171218.html
<an編集長 川合 恵太より>
平成のアルバイト市場を振り返ると、日本の社会情勢が如実に表れていることがわかります。たとえば、今では当たり前となっているシフト勤務。これは平成初期に台頭したファストフード店やコンビニなど、24時間営業という新業態の店舗の増加に伴うもので、当時のライフスタイルの変化が働き方に与えた影響が伺えます。また、アルバイトの人気職種には、その時々の流行が反映されてきました。平成初期には、当時流行したボーリングやカラオケが、平成中期には携帯電話の登場により携帯ショップが人気となりました。そして近年では多様化する趣味嗜好により専門店やインスタ映えするカフェ、SNSを活用してファンを増やすショップ店員などに人気が集中しています。これからのアルバイト市場は、「外国人の雇用」や「高齢者の活躍推進」「同一労働同一賃金」など、さまざまな社会的課題を解決するために、よりアルバイトという働き方の重要度が増すことが想定されます。「an」はこれからもさまざまな人と組織の最適なマッチングを目指してまいります。
■an編集長 川合 恵太(かわい けいた)プロフィール
[画像4: https://prtimes.jp/i/22215/173/resize/d22215-173-871761-2.png ]
1995年に大学卒業後、制作会社に入社。インターネット黎明期から、デザイナー、ディレクターとしてウェブビジネスに携わる。1998年にはウェブコンサルティング会社を設立し、九州地方でインターネットを活用した地域活性化プロジェクトに携わり、有田焼のECサイトの立ち上げなどをリードする。その後、2008年に楽天へ入社し楽天証券へ出向。スマートフォン向けのサービス企画部門を立ち上げ、証券業界で最も利用されるアプリの1つにまで成長させる。2017年パーソルキャリアに入社し、現職であるアルバイト求人情報サービス「an」のプロダクトマーケティング部門統括部長として従事。
■「an」について< https://weban.jp/ >
「an」は、1967 年「日刊アルバイトニュース」として創刊。現在は、PC・スマートフォンなどで、全国のアルバイト求人情報を提供し、より多くの人と組織の最適なマッチングを目指してまいります。
■パーソルキャリア株式会社について< https://www.persol-career.co.jp/ >
パーソルキャリア株式会社は、パーソルグループの「リクルーティングセグメント」中核会社として、転職サービス「doda」やアルバイト求人情報サービス「an」をはじめとした人材紹介、求人広告、新卒採用支援等のサービスを提供しています。2017年7月より、株式会社インテリジェンスからパーソルキャリア株式会社へ社名変更。グループの総力をあげて、労働・雇用の課題の解決を目指します。
■「PERSOL(パーソル)」について< https://www.persol-group.co.jp/ >
パーソルは、2016年7月に誕生した新たなブランドです。ブランド名の由来は、「人は仕事を通じて成長し(PERSON)、社会の課題を解決していく(SOLUTION)」。働く人の成長を支援し、輝く未来を目指したいという想いが込められています。
パーソルグループは、人材派遣サービスの「テンプスタッフ」、転職サービス「doda」やアルバイト求人情報サービス「an」をはじめとし、ITアウトソーシング、設計開発にいたるまで、国内外の幅広い企業群で構成されています。グループのビジョンである「人と組織の成長創造インフラへ」を実現するために、労働・雇用の課題の解決に総合的に取り組んでいます。
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