坂本龍馬は薩長同盟締結時には仲介役ではなかった・・・最も新しく、最も詳細な薩長論の誕生!神田外語大学外国語学部国際コミュニケーション学科町田明広准教授(日本研究所副所長)が『薩長同盟論 -- 幕末史の再構築 -- 』を12月13日発売

プレスリリース発表元企業:神田外語大学

配信日時: 2018-12-10 02:05:03



神田外語大学外国語学部・日本研究所(千葉市美浜区/学長:宮内孝久)所属の町田明広准教授著、最新刊『薩長同盟論―幕末史の再構築―』が株式会社人文書院より12月13日に発売される。同刊は、文久2年から慶応2年までの4年間、目まぐるしく変化した情勢を整理し、同時代の一次史料から幕末史の再構築を試みる内容となっている。




 本書は日本人であれば誰でも知っているであろう「薩長同盟」を史実に忠実に解説し、かつ最新の研究を反映した一冊。昨今、幕末史のみならず、様々な史実が事実の様に扱われることが多く見受けられる。同大外国語学部国際コミュニケーション学科の町田明広准教授(日本研究所副所長)は、幕末史における虚説を正し、幕末初心者の方々にも分かりやすい叙述によって、薩長同盟の新説を記した。

 江戸時代後期(幕末)の慶応2年1月21日(1866年3月7日)に京都の小松帯刀邸で締結されたと考えられている薩長同盟。これまでの定説では、薩摩藩と長州藩が政治的、軍事的な同盟関係を築くため締結に踏み切ったものとされ、土佐脱藩の浪士・坂本龍馬が薩摩藩の西郷隆盛、長州藩の木戸孝允(桂小五郎)の間を取り持ち、同盟(盟約)が結ばれたとされてきた。

 しかし、本書ではいままでの定説を新しい切り口より考察。これまで定説とされてきた、坂本龍馬が薩長同盟締結時の仲介役とされてきたことを否定し、1月18日段階で家老の小松帯刀を中心とする薩摩藩要路と長州藩を代表する木戸孝允との間で交わされた六箇条によって既に大筋が決まっていたと指摘する。

 1月21日、遅れて龍馬が登場し、木戸が薩摩藩士と周囲から見られていた龍馬を証人とし、小松、西郷とその六箇条を確認し、後に書状に記して龍馬に確認を取ったのがいわゆる「薩長同盟」であり、軍事同盟レベルにないことを論証している。

 本書の中で、この六箇条は「同盟」「盟約」と称される程のレベルではなく、在京薩摩藩士のトップであり、かつ島津久光の名代的存在である小松が、長州藩を代表して上京した木戸との間で交わした、「小松・木戸覚書」とするのが妥当であると考察している。

 明治維新150年の最後を飾る、薩長同盟における新説の登場。

◆書籍情報
 書 名 薩長同盟論―幕末史の再構築―
 著 者 町田明広(まちだあきひろ)
 発 行 株式会社人文書院
 発売元 同上
 体 裁 四六判並製270頁
 価 格 2,200円+税(税込2,376円)
 発 売 全国書店
 発売日 2018年12月13日(木)
 初 版 3,000部 (ISBN:978-4-409-52074-1)

◆著者情報
 町田明広(MACHIDA, Akihiro)
  神田外語大学外国語学部国際コミュニケーション学科准教授、日本研究所副所長
 1962年、長野県生まれ。佛教大学大学院文学研究科修士課程・同博士後期課程修了。2009年、「文久期中央政局における薩摩藩の動向」で博士(文学)(佛教大学)の学位を取得。専攻は日本近現代史(明治維新史・対外認識論)、特に幕末の薩摩藩。明治維新史学会理事などを歴任。著書に『島津久光=幕末政治の焦点』(講談社選書メチエ,2009年)、『攘夷の幕末史』(講談社現代新書,2010年)、『幕末文久期の国家政略と薩摩藩 島津久光と皇政回復』(岩田書院,2010年)、『グローバル幕末史 幕末日本人は世界をどう見ていたか』(草思社,2015年)、『西郷隆盛 その伝説と実像』(NHK出版)がある。
 
<参考>
【神田外語大学日本研究所について】
 日本研究の重要性をふまえ、1992年に設立。日本の文化や社会、歴史、思想、美術などを専門とする本学の日本人・外国人教員の多様性を活かし、各種のテーマを設定して共同研究や講演会などを行なっている。学生が日本に対する理解を深められるようにすることを目指している。
(詳細: https://www.kandagaigo.ac.jp/kuis/labo/rijs/


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