「インターンシップの基準」を本音議論 大学・NPO・民間企業が連携し品質基準制定に向けた会議を開催(10/27 東京・10/8 名古屋 開催レポート)

プレスリリース発表元企業:NPO法人G-net

配信日時: 2018-11-01 12:15:00

参加者アンケートの集計

各ステークホルダーが混ざってディスカッションしている様子

インターン事例紹介の様子

地域中小企業と都市部の若者を繋げるインターンシップのコーディネートを手掛けるNPO法人G-net(所在地:岐阜県岐阜市、代表理事:南田 修司)は、各地のNPO等と連携し、インターンシップの品質基準について考えるイベント「これからのインターンシップ推進フォーラム~求められ始めた品質基準~」を2018年10月8日に名古屋、10月27日に東京で開催しました。
本イベントでは、就職協定の廃止・ブラックインターン問題など氾濫するインターンシップの未来について、大学や行政、企業など多様な有識者が議論することを目的に、総勢102名の参加者が意見を交わしました。

画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/169532/LL_img_169532_1.jpg
参加者アンケートの集計

2021年春入社以降の就活ルールが日本経済団体連合会主導から政府主導へと移行が予定される中、採用活動の一環としても大きな意味をもつインターンシップへの在り方がますます注目されています。一方、近年のインターンシップ急増に伴い、単純作業など労働との区別がされていないプログラム(所謂ブラックインターンシップ)や採用に関わるハラスメントなどの問題も顕在化し始めています。
こうした状況をうけて、2004年から地域を中心にインターンシップ事業を手掛けるNPO法人G-net(岐阜市)は、多様な立場の関係者を巻き込んだ品質基準の制定に向け議論を始め、労働とインターンシップの区別、教育プログラムとしての質の担保などの仕組み作りに各地でインターンシップのコーディネートに携わる機関と連携する形で着手しています。
その取り組みの一環として10月8日に名古屋で、そして10月27日に東京で、大学や行政、企業など、それぞれの立場で関わるインターンシップのステークホルダーを交えた「これからのインターンシップ推進フォーラム~求められ始めた品質基準~」を開催し、インターンシップの品質基準について議論・整理を行いました。


■86%がインターンシップへの意識に変化、98%が品質基準の重要性を認識
イベントにはインターンシップに積極的に取り組む団体から初めて導入を考える団体まで多様な参加者が集まりましたが、その多くがインターンシップに対しての意識変化を実感し、継続して品質基準の制定に関わりたいという意向を示しました。

参加者アンケートの集計
https://www.atpress.ne.jp/releases/169532/img_169532_1.jpg

『企業と学生、大学との目的の差異と理解に気付きがあった』
『インターンシップと労働の区別についてより詳しく学びたい』
『学生と社会人が利害関係なく、本音で話す機会が欲しい』
『こうした機会を増やす、また参加する団体も増えることが大きな課題の解決になる』
『学生目線と企業目線のバランスの取り方の難しさを感じていたが考え直すきっかけとなった』
『各セクターの問題意識や資源をオープンにすることがインターンシップ全体の課題解決に繋がるため、継続を期待』

参加者からはこのような声があがり、普段からインターンシップと密接な立場にいる人であっても昨今のインターンシップの多様化の中で感じる様々な課題を感じており、また解決したい意向があることが見えてきました。

元来こうしたインターンシップの議論は、2014年の文科省・経産省・厚労省の三省による、「インターンシップの推進にあたっての基本的考え方」の見直しをきっかけに、国レベルの議論がされてきています。しかし、就活ルールの度重なる見直しや、人材不足を背景に、採用市場におけるインターンシップの重要性が増加する中で、教育的意図を持ったプログラムと採用的意図を持ったプログラムが折り重なり、現場に混乱が起きつつありました。品質基準の制定は、こうしたインターンシップの運用に現場で関わる関係者が具体的に考えやすい指標を持つことで、関わる関係者全てにとって高い価値を提供できるインターンシップの普及を目指しています。


■イベント概要:これからのインターンシップ推進ミーティング~求められ始めた品質基準~
≪10月8日 13:00~16:30 名古屋開催≫
会場:名城大学 ナゴヤドーム前キャンパス 名古屋市東区矢田南4丁目102−9
参加:78人(大学教職員、行政機関、NPO、民間コーディネート機関、中小企業、大学生)
主催:NPO法人G-net 事務局:株式会社リクルートキャリア
協力:一般社団法人わくわくスイッチ、NPO法人コラボキャンパス三河、
株式会社熊野古道おわせ

≪10月27日 12:30~15:30 東京開催≫
会場:東京都市大学二子玉川夢キャンパス 東京都世田谷区玉川二丁目21番1号
参加:40人(大学教職員、行政機関、NPO、民間コーディネート機関、大学生)
主催:NPO法人G-net、NPO法人ETIC.、NPO法人学生人材バンク、一般社団法人ワカツク、株式会社御祓川、株式会社熊野古道おわせの連携体で実施


■品質基準の制定に向けて
インターンシップの品質基準の制定に向けては、3つの価値保証とステークホルダーの品質基準をベースに仕組み構築を検討しています。

≪3つの価値保証≫
(1) 教育的価値の保証
教育意図や目的に合致したプログラムとして設計されており、インターンシップ生が経験を通じて学べる機会(研修や振り返りなど)が保証されている。
(2) 産業的価値の保証
企業側にとっての受入価値に配慮されており、企業側にとっても受入を通じて学べる機会(採用だけでなく組織開発や事業推進など)が保証されている
(3) 社会的価値の保証公序良俗に反することがなく、地域や社会の活性化に繋がるプログラムとして設計されている

≪品質基準≫
インターンシップ生が担う基準/受入企業が担う基準/コーディネート機関や大学が担う基準、地域や行政が担う基準/プログラムの基準など、各ステークホルダーが担う基準をまとめます。こうした基準をベースに関係者が同じ指標をもとにインターンシップに参画する仕組みを作ることで持続可能な形で品質向上に向けて取り組める環境構築を目指し、日本全体のインターンシップの品質の底上げを図ります。


■参考情報
インターンシップの推進に当たっての基本的考え方
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/sangaku2/1346604.htm

インターンシップの更なる充実に向けて 議論の取りまとめ(文科省)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/076/index.htm


■運営事務局:NPO法人G-netについて( http://gifist.net/ )
岐阜を拠点に、地域の中小企業の経営革新と担い手となる若者の人材育成を通じた地域活性に取り組むNPOです。学生が地域の魅力ある中小企業で、新規事業などに取り組む実践型インターンシップ「ホンキ系インターンシップ」を2004年から開始し、以来15年間取り組みを続けています。本イベントでは、G-netに加え、各地でインターンシップのコーディネートに携わるNPOや企業が運営メンバーとして参画し、協働で実施しています。

法人名 : NPO法人G-net
代表者 : 代表理事 南田 修司
所在地 : 〒500-8844 岐阜県岐阜市吉野町6-2 ブラザービル2階
設立 : 2001年10月1日
事業内容: 社会教育・まちづくり
URL : http://gifist.net/


詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press