約20億円の資金を援助した 宮城県・女川町の多機能水産加工施設が操業開始 ~ 施設名称をカタールの伝統的な漁法「マスカー」と命名 ~

プレスリリース発表元企業:カタール フレンド基金

配信日時: 2012-10-13 15:00:00


東日本大震災の被災地復興支援プロジェクトに資金を援助するカタール国の基金「カタール フレンド基金」(議長:ユセフ モハメド ビラール駐日カタール国特命全権大使)の約20億円の資金援助により、2012年4月に着工した宮城県牡鹿郡女川町の多機能水産加工施設が10月15日より操業を開始します

Press Release
報道関係者各位
2012年10月13日
カタール フレンド基金

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約20億円の資金を援助した
宮城県・女川町の多機能水産加工施設が操業開始
~ 施設名称をカタールの伝統的な漁法「マスカー」と命名 ~

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東日本大震災の被災地復興支援プロジェクトに資金を援助するカタール国の基金「カタール フレンド基金(以下、QFF)」(議長:ユセフ モハメド ビラール駐日カタール国特命全権大使)の約20億円(2,500万米ドル)の資金援助により、2012年4月に着工した宮城県牡鹿郡女川町の多機能水産加工施設が10月15日より操業を開始します。

この多機能水産加工施設は、震災で壊滅的な被害を受けた教訓から、世界に類を見ない最新の津波対策を施して建設されています。地上3階建ての1階部分はピロティ形式で、津波を受けると外れる外壁パネルを設置、2階部分には貯蔵能力が約6,000トンの冷蔵室を配置し、3階には震災時の避難場所を備えています。そのため、レベル1津波(100年に1回程度の発生確率)でも冷凍冷蔵保存した海産物を浸水から守ることができ、レベル2津波(1,000年に1回程度の発生確率)でも3階部分の避難場所を活用し、人命を守ることができます。また、この施設が操業すると、約670人の直接雇用と130億円の経済波及効果が見込まれています(宮城県経済波及効果分析ツールにより算出)。

QFFでは、この多機能水産加工施設をアラビア語で「MASKAR(読み方:マスカー)」と命名しました。カタールでは、1940年代まで漁業が主要産業のひとつで、マスカーとは漁業の時に利用していた伝統的な漁法です。マスカーの漁法では、大きさの異なる石を組み合わせて囲いを作り、潮の満ち引きを利用して魚をその囲いの中に追い込み生け捕りにします。生け捕りにすることで、温暖な気候のカタールで魚を腐らせず捕獲することができます。マスカーの「潮の満ち引きを利用する」点と多機能水産加工施設の「津波対策を備えている」点、さらにはマスカーの「魚を腐らせないために生け捕りにする」点と多機能水産加工施設の「魚を保存する」点の機能が似ていることが命名の由来です。

震災前の女川町は、日本有数のサンマ漁獲量を誇り、銀鮭やホヤの漁獲量は日本の70%を占める水産業の盛んな町でした。町内総生産の9割を水産業が占め、人口の半数が水産業に携わっていました。しかしながら、震災により7割以上の水産加工施設が壊滅し、その結果、地域経済の再構築に大きな支障が出ています。QFFでは、サンマ漁獲量日本一を奪回したいという水産業関係者の強い意思とこれまでの実績から、女川町に多機能水産加工施設を再整備することにより水産業復興の効果が見込めると考え、20億円の助成を決定しました。なお、QFFからの助成は日本財団及び女川町の協力のもと実施しています。

QFFでは、今後も、東日本大震災の被災地のニーズを踏まえながら、一歩ずつ着実に復興を支援していく予定です。

以上

■関係者(敬称略)コメント
・アブドゥラ ビン ハマド アルアティーヤ カタール国行政監督庁長官
カタール フレンド基金は、両国の友情の証です。カタール フレンド基金の活動を通じて日本の人々にカタールが身近で、意欲的に関わっていることを知っていただけることを願っております。シェイク ハマド ビン ハリーファ アルサーニ カタール国首長殿下、シェイク タミーム ビン ハマド アルサーニ カタール国副首長皇太子に代わりまして、カタール フレンド基金は誇りをもって復興への道のりを支援いたします。マスカーがこれからの道のりの一里塚となることでしょう。

・ハリッド ビン モハメド アルアティーヤ カタール国外務担当国務大臣
カタール フレンド基金は、東日本大震災と甚大な津波被害からの長期的な支援を行うために設立されました。マスカーはカタールと日本の強固な友情のシンボルです。シェイク ハマド ビン ハリーファ アルサーニ カタール国首長殿下、シェイク タミーム ビン ハマド アルサーニ カタール国副首長皇太子に代わりまして、日本の皆様との友情に感謝すると共に、カタール フレンド基金のささやかな活動が多くの人の繁栄と希望をもたらすことを願います。

・女川魚市場買受人協同組合 高橋 孝信理事長
この度は、女川町の水産業の復興につながるご支援をいただき、カタール フレンド基金とシェイク ハマド ビン ハリーファ アルサーニ カタール国首長殿下、シェイク タミーム ビン ハマド アルサーニ カタール国副首長皇太子に感謝の意を表します。今後、マスカーでは、何千もの人々が直接的、間接的に仕事をしていきます。私たちは、精神誠意、仕事に努めることをここに誓います。

・ユセフ モハメド ビラール駐日カタール国特命全権大使
カタールと日本はお互いの理解と尊敬、信頼の基、強固なパートナーシップに恵まれています。カタールの日本に対する献身はカタール フレンド基金を通しても行われています。シェイク ハマド ビン ハリーファ アルサーニ カタール国首長殿下、シェイク タミーム ビン ハマド アルサーニ カタール国副首長皇太子に代わりまして、カタール国は日本を心から支援いたします。このマスカーの操業が東日本大震災とその後の津波被害に遭われた方々の人生の支援につながることを切に願います。

■多機能水産加工施設「マスカー」 概要
・施設概要
建設面積:3,355.41m2
延べ床面積:6,814.84m2
構造:S造 一部SRC造
階数:地上3階
最高高さ:22.95m
冷蔵室:約6,000トン

■日本財団
日本財団(1962(昭和37)年設立)は、公営競技のひとつであるモーターボートレースの収益金をもとに、世の中の社会問題を解決し、人々の住み良い暮らしを実現するため、国内外のNPOやNGO、ボランティア団体と協力しながら(1)社会福祉・教育・文化などの活動(2)海や船にかかわる活動(3)海外における人道活動や人材育成の3つの分野を中心に事業を推進しています。
http://www.nippon-foundation.or.jp/

■カタール フレンド基金について
カタール フレンド基金は、2012年1月に設立された、東日本大震災の被災地復興を支援するカタール国の基金です。カタール国の元首のシェイク ハマド ビン ハリーファ アール サーニ首長殿下が設立し、ユセフ モハメド ビラール駐日カタール国特命全権大使が議長を務め、親善大使には俳優の別所哲也さんが就任しています。復興が本格化する2012年1月から2014年12月の約3年間にわたり、「子どもたちの教育」「健康」「水産業」の3分野を支援するプロジェクトを対象に、総額で約80億円の活動資金の助成を行う予定です。東日本大震災の復興に向けた歩みを、被災地と共に手を携えながら進めてゆく友でありたい、というカタール国の願いと意志が込められています。今後のカタール フレンド基金の活動については、公式サイト(http://www.qatarfriendshipfund.org)を通じて随時発表します。



【本件に関する報道関係者からのお問い合わせ先】
カタール フレンド基金 広報事務局(株式会社トレイントラックス内)
担当: 小牧、宮本、眞島
携帯電話(10月13日、14日のみ): 080-4331-4177
TEL: 03-5738-4177
FAX: 03-5738-4178
Mail: qff@traintracks.jp


【本件に関する一般の方からのお問い合わせ先】
株式会社三菱総合研究所 社会公共マネジメント研究本部内
「カタール フレンド基金」支援対象プロジェクト 公募事務局
TEL: 03-6705-6171(ダイヤルイン)
Mail: inquiry-qatar@mri.co.jp

プレスリリース情報提供元:valuepress