サンスター、植物由来成分ガロタンニンが幅広いアレル物質に高い不活性化効果を示すことを確認

プレスリリース発表元企業:サンスター株式会社

配信日時: 2018-07-26 11:30:00

~第67回日本アレルギー学会学術大会にて発表~

 サンスターグループ(以下、サンスター)は、ウルシ科の植物カチノキの葉の付け根にできる虫こぶから抽出・精製したガロタンニンが、ダニのフン・死がい、ペットの毛・フケ、花粉など、室内環境中に存在する幅広いアレル物質*1に対して高い不活性化(無力化)効果を示す、という研究成果を「第67回日本アレルギー学会学術大会」(2018年6月22日(金)~24日(日)、於:幕張メッセ・ホテルニューオータニ幕張)にて、麻布大学 獣医学部獣医学科 微生物学第一研究室 阪口雅弘教授と共同で発表しました*2。



【研究の背景・目的】
 室内のハウスダスト中にはアレルギー症状を引き起こすといわれているアレル物質が多く含まれ、これらを除去するためにこまめに掃除機をかけることが推奨されています*3。しかし、アレル物質は、掃除機をかけても全てをとりきれるわけではなく、また、人間の行動が原因で舞い上がり浮遊した後、落下して蓄積することなどが知られており、完全に除去するのは困難です。
 サンスターでは、掃除などで取り除いても残ってしまう残留ハウスダストに含まれるアレル物質に注目し、アレル物質を変性させて無力化する研究を続けてきました。そして、日本の住環境において主要なアレル物質に対し、高い無力化効果を示す原料を求めて約80種類から次の条件を前提とし、詳細に評価を行いました。1.アレル物質への無力化効果が高い、2.人体に対する安全性が高い、3.寝具などの布製品への着色が起こりにくいという3つの特徴を合わせ待つことを条件とし、選定した結果、ガロタンニンを見出しました。

【ガロタンニンの無力化効果】
 アレル物質の無力化効果については、ハウスダスト中のヒョウヒダニのフン、ヒョウヒダニの死がい、ネコの毛・フケ、ススカビの胞子、スギ花粉、シラカバ花粉、ブタクサ(キク科の雑草)花粉、オオアワガエリ(イネ科の雑草)花粉の9種類について、ガロタンニンの水溶液と接触させ、アレル物質の無力化率(抗原抗体反応の起こりにくさ)をサンドイッチELISA法*4で測定し、評価しました。ガロタンニンは、濃度依存的に無力化効果が上がり、上記の幅広いアレル物質に対して高い無力化効果を持つことが確認されました。


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【今後の展望】
 本研究結果から、ガロタンニンを薬剤に配合し、カーペットや寝具などの布製品にスプレーすることで、掃除後で取り除けずに残ってしまった室内の布製品に付着するアレル物質を無力化することができ、効果的な残留ハウスダスト対策が可能と考えられます。
 今後は、ガロタンニンに関する研究開発を基に、新たなハウスダスト対策製品の開発を積極的に進めます。
 本研究成果は、今秋発売される新商品への活用を予定しています。

【補足資料】ガロタンニンについて
 ガロタンニンは、カチノキ(学名:Rhus javanica)という漆(うるし)科の樹木の「虫こぶ」という部分から抽出して得られる成分です。虫こぶの主成分(70~80%)がガロタンニンであり、ガロタンニンには、タンパク質と結合して変性させ、無力化させると考えられています。


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【共同研究者 麻布大学 獣医学部 獣医学科 阪口雅弘教授からのコメント】

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 毎日のお掃除でアレル物質を除去する事は重要なアレルギー対策の1つですが、お掃除での物理的な除去と併せて、不活性化剤でアレル物質を無力化する事も有効な対策であると考えます。今回評価したガロタンニンは、日本の室内環境における主要なアレル物質に対する不活性化効果が確認され、アレル物質除去に有用な素材として期待できます。


注釈 
*1)アレル物質=アレルギーの原因となりうる物質のことで、ダニのフン・死がいなどのこと。
*2)2018年6月23日(土)口頭発表
演題:室内環境中のアレルゲンに対する植物由来素材ガルナッツ抽出物の不活性化効果について
*3)出典:鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会:鼻アレルギー診療ガイドライン
―通年性鼻炎と花粉症― 2016年版(改訂第8版), 2015, p. 40, ライフ・サイエンス, 東京
*4)サンドイッチELISA法=抗原抗体反応を用いて特定のタンパク質(アレル物質)の濃度を測定する方法。

【サンスターグループについて】
サンスターグループは、持株会社サンスターSA(スイス・エトワ)を中心に、事業分野毎に全世界の研究・マーケティング・製造・販売を統括する、オーラルケアカンパニー、ヘルス&ビューティーカンパニー、SEカンパニー(接着剤、シーリング材等、モーターサイクル部品の事業を担当)の3事業カンパニーと、全世界のガバナンス、管理機能を統括する経営本部で構成、グローバルな事業運営を行っています。

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