ー アーツカウンシル東京の助成制度を徹底解説 ー まだまだ知られていない、3つのユニークポイント
配信日時: 2018-02-14 15:45:40
今やあらゆる業界で社会への貢献、発展を目的として活用されている「助成」。芸術分野における助成制度は、2016年度の事業対象のものだけでも319件(206団体)に上ります※1。芸術文化都市としての発展や日本の芸術文化を世界に発信することを目指す上でも、各分野のアーティストたちに対する助成制度の充実は必須となりつつあります。さらに、今年度の文化庁の芸術文化関連の予算案も大幅に増加し、芸術文化に対する助成の広がりに拍車を掛けていくことが予想されます。また、アーツカウンシル東京カウンシルボード委員で、公益財団法人セゾン文化財団常務理事でもある片山正夫氏も「助成」について「新しい考えをプログラムに反映させるためのハードルは低いし、うまくいかなかったときの撤退も容易だ。なにより、限られた原資で多くの人や団体を育てることができる。」※2と助成の価値について語っており、助成制度を活用した芸術文化の発展に期待を寄せています。
~業界に新たな風を吹き込んだ、アーツカウンシル東京の助成制度のユニークポイント~
2012年の設立時から中心事業の一つとして、助成事業を展開してきたアーツカウンシル東京。アートイベント開催等の創造・発信事業で芸術文化都市としての発展を進める一方、助成事業では将来の芸術文化を担うアーティストを支援することで芸術文化の底上げを助長するとともに、芸術文化都市の基盤形成を行う役割も担っています。その助成制度では、より多くのアーティストの活動の幅や可能性を広げるために、現場のニーズを汲み取った特長を持っています。
◇アーツカウンシル東京の助成プログラムについて
(1) 「若手、中堅の芸術団体/個人への助成」
アーツカウンシル東京では、東京の芸術文化の将来を担う若手から中堅の団体を支援しています。若手から中堅の支援をすることで、東京の芸術文化活動の今後の基盤形成に繋がると同時に、彼らの活動の幅を日本のみならず、世界へと広げることも期待できます。
※美術・映像・伝統芸能の分野においては個人での申請も可能
(2) 「PO(プログラム・オフィサー)の役割」
「PO(プログラム・オフィサー)」とは、各分野における審査や分析・評価を業務として担当する人のことです。POが審査に関わることで、審査の制度を高めていきます。様々な活動の視察や情報収集を行いつつ、採択後は担当の芸術団体の実施状況と課題のヒアリングも実施する、助成を受ける団体にとってはなくてはならない「相談役」という側面も兼ね備えています。
(3) 「長期助成プログラム」
長期助成プログラムは最長で3年間のプロジェクトを対象とし、長期に渡る創作活動を支援する目的で設置されました。単年助成にはない調査・研究なども活動項目として対象とし、1年目に調査活動、2~3年目にはその調査を元にした創作活動を実施するケースや、本番となる創作活動に向けた準備期間を設けたケースも支援が可能となり、助成を受けた団体の活動の発展に寄与しています。
■採択プロセスと審査方法
(1)書類審査(2)外部有識者ヒアリング(3)評価案及び採択原案作成(4)審議(5)決定・公示が基本的な流れです。一般的な審査のスタイルである「審査委員会制度」との決定的な違いは、(1)~(5)のプロセスにおいて、各分野の専門的な知識を有する「PO(プログラム・オフィサー)」が主導するという点です。POが審査に関わることで、申請事業を様々な観点から見ることによって、きめ細かい審査を実施します。活動終了後には、課題や今後の展開などのヒアリングも実施します。単に助成の審査をするというだけではなく、その活動を支える相談役という面も兼ね備えているのです。
【アーツカウンシル東京のPO制度】
[画像1]https://digitalpr.jp/simg/1145/25801/700_295_201802141315415a83b7ed3de38.jpg
※「東京文化プログラム助成」については、審査会制度を採用しています
<知られざるPO(プログラム・オフィサー)の仕事の実態に迫る!>
アーツカウンシル東京の助成制度の大きな特徴である、PO(プログラム・オフィサー)の役割。POとは、一般的に研究や助成のプログラムの企画立案、運営管理などを行う存在で、研究機関や財団法人、シンクタンクなどで活躍しています。アーツカウンシル東京においては、一定の現場経験を経た、経験豊かな人材約10人が常駐しています。そんなPOの仕事において、公演や展示会等の視察は、重要な業務です。視察を通して、担当分野の情報収集を行い、データや知見を十分に集めた上で書類精査、採択案の作成に臨みます。担当分野での知見を蓄積し、プロとしての目を養う自己研鑽の場でもあり、中には月に20回以上赴く人も。視察をベースにスケジュールを組むことも多く、シフト制を敷くなど、勤務には多くの活動を実際に確かめることのできる勤務体制をひいています。各助成事業が終わった後には面談を行い、今後の活動展開や課題をヒアリングしたり、近からず遠からずの「相談役」にもなっています。これも、アーツカウンシル東京の助成制度ならではの特徴です。
[画像2]https://digitalpr.jp/simg/1145/25801/700_256_201802141316515a83b8339c3f2.jpg
■まだまだある!ACT助成プログラムのユニークポイント
上記で挙げた特長以外にも、創作活動現場のニーズを汲み上げた助成制度を構築しています。
・ 「創造環境整備支援」 ・・・芸術文化に関するワークショップ、シンポジウム等創造活動の担い手の創造環境向上を目的とする活動も支援
・ 「概算払い」 ・・・助成金の一部を前払いで受け取ることができる制度
・ 「2期制の公募」 ・・・年2回の申請の機会を設けることで、年度末の活動にも対応ができる
※単年助成プログラムと芸術文化社会支援助成が対象
■助成プログラムのコンセプトと概要
アーツカウンシル東京の助成事業は、設立年である2012年から始まり、これまであらゆる芸術団体やアーティスト、社会のニーズに応えた助成プログラムを展開してきました。さらに、東京2020大会を見据えた、「文化プログラム」に関わる助成プログラムも設置され、東京の各地で文化プログラムの輪が広がりを見せています。
・東京芸術文化創造発信助成<長期助成/単年助成(2期制)>
東京という都市の魅力向上に寄与する多様な創造活動とその担い手を支援するため、東京を拠点とする芸術団体等に対して、都内・海外での活動経費の一部を助成します。
<長期助成プログラム>
対象分野:音楽・演劇・舞踊・美術・映像・伝統芸能・複合
助成額 :(1)芸術創造活動を主とする活動/助成上限額 1,200万円(3年間の場合)
(2)芸術創造環境の向上に資する活動/助成上限額 600万円(3年間の場合)
採択実績:22件(平成25年度~平成29年度)
<単年助成プログラム(2期制)>
対象分野:音楽・演劇・舞踊・美術・映像・伝統芸能・複合
助成額 :(1)都内での芸術創造活動/助成上限額 200万円(個人申請50万円)
(2)国際的な芸術交流活動/助成上限額 400万円(個人申請50万円)
(3)芸術創造環境の向上に資する活動/助成上限額 100万円
採択実績:564件(平成24年度~平成29年度)
※美術・映像・伝統芸能分野での上記(1)、(2)の活動については個人での申請も可能です。
※平成30年度から助成対象期間が変更となります。
・芸術文化による社会支援助成(2期制)
障害者や高齢者、子供、青少年、在住外国人等が主体的に関わる芸能活動や、社会や都市の様々な課題を見据え、その改善に資することを目的とした先駆的な芸術活動を支援します。
<芸術文化による社会支援助成(2期制)>
対象分野:複合・音楽・演劇・舞踊・美術・映像・伝統芸能
助成額 :(1)芸術創造活動/助成上限額 100万円
(2)障害者等と芸術をつなぐ環境整備/助成上限額 100万円
採択実績:47件(平成27年度~平成29年度)
※平成30年度から助成対象期間が変更となります。
・東京地域芸術文化助成
東京都内の無形民俗文化財を活用した地域の文化振興を資する講演活動等や東京を拠点としたNPOや実行委員会、芸術団体、保存会、継承団体等が実施する、特定の地域における文化資源を活用した事業を支援します。
<東京地域芸術文化助成>
助成額 :(1)東京都内の無形民族文化財を活用する事業/助成上限額 50万円
(2)地域における文化資源を活用する事業/助成上限額 50万円
採択実績:37件(平成27年度~平成29年度)
★上記3つの制度とは別に、2020年に向けて実施されている「東京文化プログラム助成」があります。
この助成は、都民が日常的に取り組んでいる芸術文化活動や、海外アーティストが東京都内で新作を発表する企画、先端技術とアートの融合による新たな芸術表現の創造に挑戦するプロジェクト等を対象としています。※平成30年度の公募については3月上旬頃にお知らせする予定です。
<東京文化プログラム助成>(以下、平成29年度実績より)
対象分野:音楽・演劇・舞踊・美術・写真・映像・文学・マンガ・アニメーション・メディア芸術・伝統芸能・芸能・生活文化・建築・特定のジャンルにとらわれない芸術活動
助成額 :(1)気運醸成プロジェクト支援/助成上限額 2,000万円
(2)市民創造文化活動支援(2期制)/助成上限額 2,000万円
(3)海外初文化プロジェクト支援/助成上限額 2,000万円
(4)未来提案型プロジェクト支援/助成上限額 2,000万円
採択実績:49件(平成28年度~平成29年度)
◇現在、公募中の助成と今後の助成プログラム
■公募中の助成プログラム
<平成30年度 東京芸術文化創造発信助成 【単年助成プログラム】(第1期)>
対象分野:音楽・演劇・舞踊・美術・映像・伝統芸能・複合
助成額 :(1)都内での芸術創造活動/助成上限額 200万円(個人申請50万円)
(2)国際的な芸術交流活動/助成上限額 400万円(個人申請50万円)
(3)芸術創造環境の向上に資する活動/助成上限額 100万円
対象期間:平成30年4月1日~平成31年6月30日
申請書類提出締切日:平成30年2月26日(月)消印有効
<平成30年度 東京芸術文化創造発信助成 【長期助成プログラム】>
対象分野:音楽・演劇・舞踊・美術・映像・伝統芸能
助成額 :(1)芸術創造活動を主とする活動/助成上限額 1,200万円(3年間の場合)
(2)芸術創造環境の向上に資する活動/助成上限額 600万円(3年間の場合)
対象期間:平成30年4月1日以降に開始し、平成32年3月31日までに終了する事業(2年間)又は平成30年4月1日以降に開始し、平成33年3月31日までに終了する事業(3年間)
申請書類提出締切日:平成30年3月1日(水)消印有効
<芸術文化による社会支援助成(2期制)>
対象分野:複合・音楽・演劇・舞踊・美術・映像・伝統芸能
助成額 :(1)芸術創造活動/助成上限額 100万円
(2)障害者等と芸術をつなぐ環境整備/助成上限額 100万円
対象期間:平成30年4月1日以降に開始し、平成31年6月30日までに終了する活動
申請書類提出締切日:平成30年2月26日(月)消印有効
<東京地域芸術文化助成>
助成額 :(1)東京都内の無形民族文化財を活用する事業/助成上限額 50万円
(2)地域における文化資源を活用する事業/助成上限額 50万円
対象期間:平成30年4月1日以降に開始し、平成31年3月31日までに終了する活動
申請書類提出締切日:平成30年2月26日(月)消印有効
■助成対象期間の変更について
「東京芸術文化創造発信助成 単年助成プログラム」と「芸術文化による社会支援助成」の 2 プログラムについて、平成 30 年度(2018 年度)から助成対象期間を下記のとおり変更いたします。但し、平成 30 年度第 1 期の公募のみ、移行期として 15 か月間を助成対象期間とします。
<変更前>※平成29年度公募まで
【第1期】4月1日から3月31日 【第2期】10月1日から9月30日
<変更後>※平成30年度以降
【第1期】7月1日から6月30日 【第2期】1月1日から12月31日
<平成30年度について>※移行期
【第1期】4月1日から翌年6月30日 【第2期】1月1日から12月31日 ←今期(移行期)の対象期間
■助成対象期間の変更
<平成 30 年度について> ※移行期
【第 1 期】4 月1日から翌年6月30日 【第2期】1月1日から12月31日
※詳細は下記の表をご参照ください。
[画像3]https://digitalpr.jp/simg/1145/25801/700_576_201802141422045a83c77c1e564.JPG
<参考>
※1:独立行政法人 日本芸術文化振興会ホームページ(http://www.ntj.jac.go.jp/
)
<引用>
※2:アーツカウンシル東京 コラム&インタビュー 「助成」の価値を見直そう
(https://www.artscouncil-tokyo.jp/ja/library/column-interview/9008/
)
●アーツカウンシル東京
世界的な芸術文化都市東京として、芸術文化の創造・発信を推進し、東京の魅力を高める多様な事業を展開しています。新たな芸術文化創造の基盤整備をはじめ、東京の独自性・多様性を追求したプログラムの展開、多様な芸術文化活動を支える人材の育成や国際的な芸術文化交流の推進等に取り組みます。また、2020 年に向けて文化プログラムを牽引するプロジェクトを展開しています。
本件に関するお問合わせ先
アーツカウンシル東京広報代行 :株式会社プラップジャパン 岩坂、金子、高橋、松葉
TEL:03-4580-9106 FAX:03-4580-9132 MAIL: artscouncil-tokyo@prap.co.jp
プレスリリース情報提供元:Digital PR Platform
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