『ルナルナ』ユーザー約1万人の遺伝子情報をもとに、エビとモモの食物アレルギーと関連の強い遺伝子領域を新たに発見!

プレスリリース発表元企業:株式会社エムティーアイ

配信日時: 2018-01-19 11:02:38

 (株)エムティーアイ(以下、当社)が運営する、女性の健康情報サービス『ルナルナ』と、遺伝子解析サービスを手掛ける当社100%子会社の(株)エバージーンは、2014年から“医療法人社団 薬善会 つくば国際臨床薬理クリニック”の院長であり、(株)スタージェンの会長も務める鎌谷直之博士と共同で、女性に特化した遺伝子に関する研究を行っています。
 本研究は、東京大学大学院医学系研究科のアドバイスのもと、『ルナルナ』ユーザーの協力者11,011人の遺伝子解析データを用いて解析を行った結果、エビとモモの食物アレルギーと関連の強い遺伝子領域を新たに発見しました。
 なお、本研究結果(Genome-wide association study of self-reported food reactions in Japanese identifies shrimp and peach specific loci in the HLA-DR/DQ gene region)は、「Scientific Reports電子版」(2018年1月18日付け)に掲載されました。



◆女性の健康で幸せな毎日への貢献を目指し2014年より遺伝子研究をスタート
 1,100万インストール以上を誇る女性の健康情報サービス『ルナルナ』は、生理日管理をはじめ妊娠・出産・育児まで、あらゆるライフステージの女性の健康をサポートしています。2014年から『ルナルナ』ユーザー協力のもと、当社100%子会社である(株)エバージーンの遺伝子解析サービスを利用し、医療法人社団 薬善会 つくば国際臨床薬理クリニックの院長であり(株)スタージェンの会長も務める鎌谷直之博士と、女性がより健康で輝く社会の実現を目指し、女性に特化した遺伝子研究を進めています。
 今回、その研究結果の第1弾として、エビとモモの食物アレルギーと関連の強い遺伝子領域を新たに発見しました。

◆エビとモモの食物アレルギーに関連の強い遺伝子領域を新たに特定
 本研究は、『ルナルナ』ユーザーの協力者約2万人を対象に、自宅で採取した唾液より抽出したDNAから約60万SNP※1の遺伝子情報を読み取り、その中から精度の高い検体およびSNPのみを抽出して得た11,011人、約54万SNPの遺伝情報と、特定の食物に対してのアレルギー症状に関するWEBアンケートの結果を用いて、東京大学大学院医学系研究科のアドバイスのもと網羅的な解析(GWAS※2)を行い、食物アレルギーと遺伝子との関連の強さを調べました。
 その結果、アンケートにてエビおよびモモの食物アレルギーがあると回答した検体に、特徴的な遺伝型の組み合わせ(遺伝的多型)が6番染色体上に存在することが明らかになりました。この場所はHLA※3と呼ばれる領域で、エビアレルギーとモモアレルギーの、それぞれに関わるHLA型の組み合わせ(HLA多型)も特定しました。また、エビアレルギーはカニアレルギーと、モモアレルギーはリンゴアレルギーと、それぞれ共通のHLA多型が関連していることもわかりました。
[画像: https://prtimes.jp/i/2943/361/resize/d2943-361-765978-0.jpg ]

≪染色体の1番から22番、更にはX染色体上の約54万個のSNPを並べ、モモ(上)、エビ(下)アレルギーとの関連の強さを示した図。横軸が染色体上の位置、縦軸がSNPと表現型(食物アレルギー)との関連の強さを示す≫

 今後は本研究結果をもとに、食物アレルギーの早期検出に繋がる新しい製品やサービスの開発を目指していきます。
※1 SNP : 単塩基多型。約30億のヒトゲノムの中の1箇所の個人ごとの違い。
※2 GWAS : ゲノムワイド関連解析。全ゲノム上の遺伝子マーカー(SNPなど)を網羅的に調べ、表現型(疾患や体質などの特徴)との関連の強さを解析する統計的手法。
※3 HLA : ヒト白血球抗原。白血球の型を示すものとして発見されたが、現在では白血球だけでなくヒトのほぼすべての細胞に分布することが分かっており、免疫に関わる重要な分子として知られている。

【鎌谷直之博士からのコメント】
同じ手法により米国からピーナッツアレルギーに関連した遺伝子が報告されていますが、エビやモモに関連した遺伝子がこのような膨大な数の人々と膨大な数の遺伝子から得られたデータで証明されたのは初めてです。
また、異なった食物のアレルギーが同じ遺伝子と関連している場合や、別の遺伝子と関連している場合があることがわかったのも初めてです。この結果は、今後、食物アレルギーの要因を理解し、予防などの対策を取るために役立つと期待されます。また、今後、食物アレルギーのそれぞれの人々に個別に食物選択のアドバイスをしたり、それぞれの人々に合った、新規の食品を開発したりするためにも応用可能と考えられます。

<『ルナルナ(R)』について>
携帯電話で女性の体調管理が簡単にでき、利用者の生理周期に基づいた様々な健康情報を提供するルナルナシリーズは、生理日・排卵日予測をはじめ、妊活から妊娠・出産までを独自の予測ロジックや健康に関するアドバイスなど、ライフステージや悩みにあわせて女性の一生をサポートしています。●URL : http://pc.lnln.jp/PC/index.html

【鎌谷直之氏プロフィール】
1973年東京大学医学部を卒業
東京大学附属病院、日立製作所日立総合病院、東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センター 臨床医、研究者
1979年4月-1982年3月 : 米国カリフォルニア州スクリプス研究所研究員
1998年-2008年 : 東京女子医科大学膠原病リウマチ痛風センター・センター長
1989年4月-1990年3月 : 米国ミシガン大学内科客員教授
2010年4月-2011年12月 : 理化学研究所ゲノム医科学研究センター・センター長
現職 :(株)スタージェン会長、医療法人社団 薬善会 つくば国際臨床薬理クリニック院長
医療人工知能研究所所長、公益財団法人痛風財団理事長

【本研究に関するお問い合わせ先】
株式会社エバージーン
TEL:03-5333-6740  URL:http://www.evergene.co.jp/

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