GSMAの調査:2025年までに5Gが欧州のモバイル市場の3分の1を占める

プレスリリース発表元企業:GSMA

配信日時: 2017-10-19 16:02:00

GSMAの調査:2025年までに5Gが欧州のモバイル市場の3分の1を占める

欧州のギガビット社会の実現に向けて、GSMAが新たな規制アプローチを求める

(ブリュッセル)- (ビジネスワイヤ) -- GSMAの新たな調査によると、2025年までに欧州のモバイル接続の30パーセント以上が5Gネットワークを利用する見通しです。ブリュッセルで開催されたGSMAモバイル360シリーズ欧州イベントで本日公表されたGSMAのモバイル経済シリーズ「2017年欧州版」は、2025年までに欧州の5G接続が2億1400万件に達し、欧州がその時点で世界最大級の5G市場になると予測しています。欧州では最初の商用5Gネットワークが2020年に稼働し始め、2025年には欧州人口の約4分の3が5Gネットワークのカバー域に含まれる見通しです。

GSMAのマッツ・グランリド事務局長は、次のように述べています。「5G時代に向かう中、欧州は世界の技術リーダーとしての地位を再び確立できる機会を持っています。しかしこれは、世界舞台における欧州の競争力を高め、欧州市民に革新的サービスを提供できるよう、政策立案者が必要な規制改革に素早くかつ大胆に取り組まないと実現できません。欧州で活気あるモバイルエコシステムを維持し、欧州委員会の“ギガビット社会”のビジョンを実現するには、長期的な投資を促す将来を見据えた規制環境の構築と、欧州のデジタルインフラストラクチャーの革新が不可欠です。」

次世代サービスが減速する加入者拡大を相殺

欧州は世界でモバイルが最も普及している地域です。昨年末における欧州のユニークモバイル加入者数は、人口の84パーセントに相当する4億5600万人1でした。この高い普及率は、加入者が増える余地がこの先限られていることを意味しています。2020年までに欧州のユニークモバイル加入者数は4億6900万人、もしくは人口の86パーセントに達し、2016~2020年のCAGRは0.7パーセントになる見通しです。

しかし、減速する加入者数の拡大は、4Gネットワークへの急速な移行によって相殺されています。2016年末時点で、4Gがモバイル接続で占める割合は3分の1ですが2、データに対する需要増と4Gネットワークのカバー域拡大により、欧州で4Gデバイスを利用する人々が増えるに伴い、2020年に4Gが全体で占める割合は60パーセントを超えるでしょう。欧州の4G接続数は今年初めて、3G接続数を上回る見込みです。また5G時代に入っても、4Gネットワークは発展し、人気が高まるでしょう。これは、MIMO(多重入出力)を基盤とするネットワークアップグレードとキャリアアグリゲーション技術によって、ますます高速な通信が可能になるためです。

売上高の成長が安定し、モバイルのGDPへの貢献度が向上

欧州では長らくモバイルによる売上高がマイナス成長か横ばいでしたが、現在は安定化の兆しが見られます。欧州のモバイル通信事業者の売上高は2016年に1430億ユーロに達しており、2020年末には1460億ユーロへとわずかに成長する見通しです。報告書は安定化の要因として、データに対する需要増、マクロ経済状況の改善、規制圧力の緩和を挙げています。

昨年、モバイル技術とモバイルサービスは欧州全体で、欧州のGDPの3.4パーセントに相当する5400億ユーロ3の経済価値を生み出しました。この数字は、機械間(M2M)技術の継続的な採用や、業界とサービスでデジタル化が進むことで、2020年には約6700億ユーロ(欧州のGDPの3.9パーセント)まで増加する見通しです。

2016年に欧州のモバイルエコシステムは直接的・間接的に、260万人の雇用を支えました。モバイル分野は公共部門の財政にも重要な貢献をしており、2016年はVAT、法人税、雇用税など、主として普通税の形で約1000億ユーロの税収に寄与しました。

デジタル欧州に向けた規制の新時代

報告書は、欧州の成長と革新に対するモバイル業界の一層の貢献を支援するために、電気通信分野の規制において新しいアプローチを取る必要性を明らかにしています。また、欧州委員会が2年前に発表したデジタル単一市場、特に電子通信規範やeプライバシー規則などの新たな提案事項を見直すよう呼び掛けています。

グランリド事務局長は次のように語っています。「欧州が、投資と革新で選ばれる地域としての立場を強固なものにするには、全体的な政策と規制の枠組みが必要です。これまでデジタル単一市場がどのような成果を挙げたのか、何を変える必要があるのか、そしてどのような規制が欧州のデジタルビジョンの長期的な発展を促すのかを評価するために、政府と業界が新たな対話を行うことを求めます。」

新報告書「モバイル経済:欧州2017年」はGSMAの調査部門のGSMAインテリジェンスが執筆しました。報告書全文と関連情報画像は、http://www.gsma.com/mobileeconomy/europeをご覧ください。

-以上-

GSMAについて

GSMAは世界中のモバイル通信事業者を代表する団体で、モバイル事業約800社を結集しています。そのうち300社以上は携帯電話機および端末メー カー、ソフトウエア企業、機器プロバイダー、インターネット企業など、広範囲なモバイル・エコシステムを構成する企業であり、関連業界セクターの組織も参 加しています。GSMAはモバイル・ワールド・コングレス、モバイル・ワールド・コングレス上海、GSMAモバイル・ワールド・コングレス・アメリカズ、 モバイル360シリーズのカンファレンスなど、業界を主導するイベントの開催も行っています

詳細情報については、GSMAのウェブサイトwww.gsma.comをご覧ください。GSMAをツイッターでフォローしてください:@GSMA



1 1人のユニークモバイル加入者が複数のSIM接続を契約している個人である場合があります。

2 欧州におけるモバイル接続数は2016年末時点で6億7100万件で(M2Mを除く、4Gは34%)、2020年までに7億900万件に増加する見通しです(4Gは61%)。

3 GDPへの貢献には、モバイルエコシステムによる直接的貢献(GDPの1.0%)と間接的貢献(0.6%)、生産性の向上(1.8%)が含まれます。

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