DTCCのグローバルトレードレポジトリーがシンガポールにデータセンターを開設し、OTCデリバティブの報告業務を促進

プレスリリース発表元企業:Depository Trust & Clearing Corporation

配信日時: 2012-05-22 18:22:00

世界中の規制機関は、グローバルネットワークを活用することで、システミックリスクの低減と市場監視のための情報へのシームレスなアクセスを確保

(シンガポール & ニューヨーク)- (ビジネスワイヤ)-- デポジトリー・トラスト・アンド・クリアリング・コーポレーション(DTCC)のグローバルトレードレポジトリーは本日、アジアを拠点とするグローバルデータセンターを設立して、シンガポールに事業を拡大すると発表しました。店頭(OTC)デリバティブ市場におけるシステミックリスク低減のための情報を規制機関がシームレスに入手できるようにすることが目的です。

DTCCの次期社長兼最高経営責任者(CEO)であるマイケル・ボドソンは、次のように述べています。「当社は、世界中のお客様と規制機関がより高度の透明性とリスク低減をOTCデリバティブ市場にもたらす強固な運用基盤を確立できるよう、その支援に専心しています。当社のグローバルトレードレポジトリー・サービスは、世界の公的機関・監督官庁がOTCデリバティブ取引の市場参加者が受けるリスクを全体的に把握し、この複雑なOTCデリバティブ市場の規模と対象範囲を明確につかむことができるようにする上で、重要な役割を果たしてきました。」

シンガポールのデータセンターはDTCCにとってアジア初となり、米国・アジア・欧州を結ぶ世界規模のネットワークの一部となります。このネットワークは世界中のOTCデリバティブ情報を収集・記録してOTC市場に透明性をもたらすものです。当社グローバルトレードレポジトリーの包括的な事業継続性計画および戦略として、当レポジトリーが世界中の規制機関に確実に取引情報をタイムリーかつ平等に提供できるようにする上で、シンガポールの新データセンターは当レポジトリーの重要な要素となります。さらにこのデータセンターは、世界中の監督機関がデリバティブを含むすべてのOTC取引情報をトレードレポジトリーに報告することを求める新規制を策定しつつある中で、市場参加者が現在および将来の規制要件を満たせるように支援します。

オランダに置かれた欧州の新データセンターは、当グローバルトレードレポジトリーを支えるため、最近設立されたものです。シンガポールのデータセンターは、2012年後半末に完成して、最初の業務を開始する見込みです。また、DTCCは、シンガポールにおいて当グローバルトレードレポジトリーの登録を5種類のアセットクラスすべてで実施するとともに、DTCCがアジアにおいて事業拡大する中で、シンガポール、地域のあらゆる規制機関、業界と緊密に連携して、当グローバルトレードレポジトリーの受け入れ強化を図っていく意向です。

DTCCの子会社Deriv/SERV LLCで社長兼CEOを務めるスチュアート・マクベスは、次のように述べています。「シンガポールへのデータセンター設置は、当社の世界展開を次に続ける上で重要です。また、DTCCがロバスト性を備えたグローバルネットワーク、包括的な事業継続性、24時間体制の真の顧客サービスを提供するため真摯に取り組んでいることを反映するものでもあります。世界の資本市場の極めて重要な要素としてアジアが突出していることを考えると、このデータセンターは決定的な重要性を増していきます。」

DTCCは競争を勝ち抜いて世界のOTCデリバティブ業界から契約を獲得し、クレジット、株式、金利、商品、外国為替を扱う世界中のOTCデリバティブ取引の情報を規制機関に報告するレポジトリーを構築しました。クレジット、株式、金利、商品のデリバティブ向けのグローバル・レポジトリーは現在、運用されています。外国為替デリバティブ用のレポジトリーは、今年後半に運用が開始される見込みです。

DTCCは世界初のOTCクレジット・デリバティブ向けトレードレポジトリーを構築しましたが、このレポジトリーは当初、トレード・インフォメーション・ウエアハウス(TIW)と呼ばれていました。TIWは現在、世界中のすべてのOTCクレジット・デリバティブのうち、98%以上の取引の情報を記録しています。DTCCはその後、業界の承認を受け、競争プロセスをくぐり抜けながら、株式、金利、商品(欧州エネルギー取引業界連盟)、外国為替(SWIFT)のOTC市場向けグローバルトレードレポジトリー・サービスを確立しました。

DTCCは、市場サポートの一環として、ウェブベースの規制当局向けポータルも別に構築し、世界中の規制当局が自発的報告契約および監督官庁権限に基づいて、ほぼリアルタイムにクレジット・デリバティブ取引の情報を入手できるようにしました。このポータルはその後、OTCの株式デリバティブおよび金利デリバティブにも拡大されており、将来は商品および外国為替の取引報告にも使用されることになっています。現在、世界中でおよそ40の規制当局が、このポータルを介してデリバティブを監視しています。

DTCCについて

DTCCとその子会社は、世界各地にある複数の運用施設およびデータセンターを通じて、世界中の何千という機関の金融取引処理を自動化・一元化・標準化しています。ほぼ40年の経験を有するDTCCは、国際金融サービス業界にとってポストトレード市場で群を抜くインフラとなっており、清算、決済、資産運用、株式のグローバルデータマネジメントおよび情報サービス、社債および地方債、政府保証証券および不動産担保証券、デリバティブ、短期金融商品、シンジケートローン、ミューチュアルファンド、代替投資商品、保険取引の複雑さを簡素化しています。2011年、DTCCは評価額が約1700兆米ドルの証券取引を処理しました。当社のデポジトリ―は、122の国と地域における評価額39兆5000億米ドルの証券発行を対象に保管と資産運用を行っています。DTCCのOTCグローバル・デリバティブ・トレードレポジトリーには、複数のアセットクラスによる世界中の取引が想定元本総額500兆米ドル以上、記録されています。詳細情報については、www.dtcc.comをご覧ください。

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連絡先
DTCC
Steve Letzler, 212-855-5469
sletzler@dtcc.com
または
Judith Inosanto, 212-855-5424
jinosanto@dtcc.com

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