世界の医療団、新ラオス小児医療プロジェクトを開始
配信日時: 2017-02-01 11:29:07
~ラオスの子どもたちに安定した医療を~
フアパン県における小児医療基盤の構築と体制強化
2017年2月1日東京--- 世界の医療団はラオス人民民主共和国(以下ラオス)フアパン県において、小児医療体制の強化とその体制の維持を目的とし、現地の保健医療人材と村落健康普及ボランティアの育成を行う新ラオス小児医療プロジェクトを開始します。小児医療サービス(医療施設)の技術向上と村落健康ボランティア等の健康啓発活動を通じ、小児医療に関する正しい知識が住民に定着することで、5歳未満児の死亡率・疾病率低減に貢献することを目的としています。
近年、ラオス経済は著しく成長しているものの後発開発途上国からの脱却は未だかなっておらず、国内では貧困格差の拡大が顕著となっています。医療保健政策についても、ラオス保健省がユニバーサルヘルスカバレッジ(すべての人が、適切な健康増進、予防、治療、機能回復に関するサービスを、支払い可能な費用で受けられる状態)に向けた取組みを進めていますが、依然として国家予算に占める医療保健予算の割合は低く、国際機関や各国政府の支援や協力が欠かせない状況が続いています。2015年の新生児死亡率*1は30.1(1,000人あたりの新生児死亡者数)、5歳未満児死亡率*2は66.7(同1000人あたりの死亡者数)と、依然として世界の平均を大きく上回っていることから、妊産婦と5歳未満児の医療の無償化、保健政策のリーダーシップの強化、医療保健サービスの効率・質の向上、妊産婦および5歳未満児保健医療の村落レベルでの意識啓発などが最優先課題とされる現状が続いています。
世界の医療団は、2012年から3年半にわたりラオス南部チャンパサック県内にて、小児医療技術支援、村落での健康啓発活動および5歳未満児に対する医療無償化政策を実現化する支援活動を行いました。他地域での支援ニーズが確認されたこと、また同プロジェクトで培った実績と成果を受け、引き続きラオスでの小児医療支援活動の継続を決定しました。
小児医療サービスの質が高まり村落における疾病予防が促進されることで、生涯の心身の健康を左右する5歳までの健康維持が実現します。頻繁に医療サービスを受ける必要性が減り、将来的に家庭レベルの医療費負担が減ることにつながります。さらに5歳未満児の死亡率・疾病率が低下し、ラオスの将来を担う子どもたちが健全に生産人口世代を迎え生産活動に貢献することで、最終的に国全体の経済発展・貧困削減につながることを目指しています。
*1 新生児は生後約1ヶ月未満、WHO世界保健統計2016
*2 WHO世界保健統計2016
ともに事業を進めていく現地保健局の行政担当者から、以下のコメントが寄せられています。
フアパン県保健局長のヴィラポン氏
「貧困率が高いこの辺境地で、5歳以下の死亡率と疾患率を下げてくれると期待しています。このプロジェクトを県保健局の来年度計画と予算に統合できるよう検討しています。」
ソン郡保健局長のソントン氏
「医療関係者に学ぶ機会を提供してもらえることは本当にありがたいと思っています。住民もよい医療サービスにアクセスすることができます。このプロジェクトは我々自身のプロジェクトでもあると思っています。」
フアムアン郡保健局長のカムラ氏
「この取組みは住民にとっても、よいシステムになると思っています。これまで予算等の点から、設置がままならかった医療器材を施設に提供してもらえることは実にうれしいです。」
*本事業は事業資金の多くを外務省「日本NGO連携無償資金協力」の支援を受け、2017年2月より活動を展開しています。
プレスリリース情報提供元:Digital PR Platform
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