東京国立博物館 平成館考古展示室リニューアルオープン 2015年10月14日(水)

プレスリリース発表元企業:東京国立博物館

配信日時: 2015-10-07 13:00:00

東京国立博物館(東京・上野公園)平成館考古展示室が2015年10月14日(水)にリニューアルオープンします。1999年に平成館がオープンして以来、初めての全面的なリニューアルを行いました。
考古展示室では、旧石器時代から江戸時代までの考古遺物を公開しています。この度のリニューアルでは、当館の考古コレクションの特徴をいかせるように、全体の展示構成を見直しました。また展示ケースや照明等の設備も一新し、よりわかりやすく、より見やすい展示室へと生まれ変わります。


■リニューアルのポイント
◆所蔵作品をいかした展示にリニューアル
当館の考古コレクションの特徴は、旧石器時代から江戸時代まで通史で日本全国の質の高い作品が揃っていることです。その特徴をいかし、日本通史を一層わかりやすくご覧いただけるように、展示構成やレイアウトを見直しました。特に仏教に関わる考古作品が充実しているため、飛鳥時代~江戸時代の展示を大幅に変更しています。
さらに、埴輪では唯一国宝に指定されている「挂甲の武人」を、考古展示室のシンボルとして入口に展示。そのための専用ケースを新たに作りました。また、今まで展示コンセプトやレイアウトの都合により、展示の機会が少なかった作品も新たに展示されます。

《主な作品》
【国宝 埴輪 挂甲の武人(はにわ けいこうのぶじん)】
[群馬県太田市飯塚町出土 古墳時代・6世紀
 東京国立博物館蔵]
埴輪では唯一の国宝です。右手に大刀、左手に弓をもち、靫(ゆき)を背負った完全武装の人物埴輪で、その写実性と秀逸な造形で見る者を圧倒します。新たに専用のケースを作り、考古展示室のシンボルとして展示します。

【重要文化財 みみずく土偶(みみずくどぐう)】
[埼玉県さいたま市 真福寺貝塚出土 縄文時代(後期)・前2,000~前1,000年
 東京国立博物館蔵]
リニューアルを機に展示場所を変更し、これまでより間近でご覧いただけるようになりました。髪型や竪櫛を表した頭の突起や、耳飾を表した円板など、顔に注目してみてください。

【板碑(いたび)】
[神奈川県横浜市保土ケ谷区峰岡町出土 鎌倉時代・永仁3年(1295)
 梅原爲吉氏寄贈 東京国立博物館蔵]
武士の台頭と共に関東地方を中心に全国で作られた中世の石製塔婆の一種。本格的な展示は今回が初めてです。当時の姿に近い状況で再現します。


◆独立した展示コーナーを新設
古墳時代の文字資料として貴重な、江田船山古墳出土の国宝「銀象嵌銘大刀(ぎんぞうがんめいたち)」と、北部九州の一部の古墳に独特な、岩戸山古墳出土の重要文化財「石人(せきじん)」。この希少な2件の作品のために、専用の独立展示コーナーを新設しました。ぜひご注目ください。

《作品》
【国宝 銀象嵌銘大刀(ぎんぞうがんめいたち)】
[熊本県玉名郡和水町 江田船山古墳出土
 古墳時代・5~6世紀 東京国立博物館蔵]
古墳時代の漢字の使用例として著名な資料です。4人の人物が登場する銘文と、側面には馬・水鳥・魚がいきいきと表現されています。新設した独立の展示コーナーに展示します。

【重要文化財 石人(せきじん)】
[福岡県八女市吉田 岩戸山古墳出土 古墳時代・6世紀 東京国立博物館蔵]
北部九州の一部の古墳では、埴輪のかわりにこのような石像を墳丘に立てました。本作の裏面には靫(ゆき)が表され、靫の形をいかした人物像です。新設した独立の展示コーナーに展示します。


◆展示ケース・照明等を一新
展示ケースには低反射フィルムを貼り、あるいは低反射ガラスを使用し、照明はLEDや有機EL照明器具を導入し、リニューアル前に比べて一層見やすい環境を整えました。また、埴輪の露出展示のための2つの展示台を作り直しました。以前にもまして、迫力ある展示となっています。

詳細はこちら
プレスリリース提供元:@Press