全国の開業医500人を調査した「開業医白書2024」を公開
配信日時: 2024-12-27 18:10:00
未だ続く医師の過重労働、医療DXの遅れ、開業医の7割以上が「ペイハラ」を受けたという深刻な実態が明らかに
クリニックのDX化によって地域医療サービスの向上に貢献する、株式会社ギミック(本社:東京都渋谷区、代表取締役:横嶋 大輔、以下「当社」)は、全国の開業医500人を調査した「開業医白書2024」を発表しました。
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『開業医白書2024』とは……
人生100年時代を迎えた今、年を重ねてもできる限り健康で暮らしていくには、悪くなる前に医療機関にかかり、健康を維持することが欠かせません。そのためのキーパーソンとなるのが、「かかりつけ医」です。今まさに、厚生労働省が「かかりつけ医機能が発揮される制度整備」を進めているのも、その現れといえるでしょう。
このように患者にとって最も身近な医療機関であり、地域医療を支えるクリニックの役割はますます重要となっています。しかしながら、これまでクリニック「だけ」を対象とした多面的な調査はほとんど存在せず、患者はもちろんのこと、開業医自身も、クリニックの実態や取り巻く環境を客観的に把握することはできませんでした。
そこで、日本最大級のクリニック情報サイト「ドクターズ・ファイル」を運営する当社では、全国の開業医を対象に調査を実施。これまでに全国約3万人の医師へ取材を行ってきた当社ならではの知見を生かして、クリニックの現実や開業医の課題を定性的・定量的に明らかにした調査データを発表しました。
前例のないクリニックのデータを広く公表することで、開業医が未来に向けてクリニックをアップデートするための一助としてもらうとともに、医師だけでなく、患者や行政、そして地域社会もそれぞれの立場から「新たな知見」を得て、より良い地域医療を実現するきっかけとしてほしい――そんな想いから生まれたのが「開業医白書」です。
2023年に最初のデータを発表し、2回目となる今回は、経年変化も含めた分析を行っているのが特徴です。今後も継続して調査・研究を行い、時代の変化に合わせた開業医の実態に迫っていく予定です。
『開業医白書2024』概要
【目次】
調査概要
1. 開業医“人物”実態調査
・40代以下の3割は「1日10時間以上労働」
大都市圏の開業医は労働時間が長短二極化
・一般的な労働者の約9割が週休2日制なのに対し、
開業医の7割は休日が「週2日未満」
・全体では24.4%のWEB予約導入も
40代以下では41.8%と世代間差
人材不足をカバーする鍵は医療DXにあり
2. 開業医“悩み”実態調査
・48%が「スタッフ採用」に悩み
従業員数が多いほどコミュニケーションに課題あり
・51.4%と過半数が「応募者が少ない」ことに課題
若いドクターは2割が「採用ノウハウがない」に悩み
・71.2%がペイハラを受けた経験あり
開業医自身、スタッフともに大きなストレスに
3. “開業するということ”実態調査
・7割近くが「1年未満」の短い準備期間で開業
40歳以下では「半年未満」の超短期開業が35.9%も
・過半数が「5000 万円未満」での開業
40歳以下では「1 億円以上」の調達も25.5%
・継承の決断は70 代でも「まだわからない」が25%
引退後「廃業予定」は地方では25.9%に
▼「開業医白書2024」のダウンロードはこちら
https://cl-mirai-lab.doctorsfile.jp/category/practitioner-white-paper
主な内容
・全体では24.4%のWEB予約導入も
40代以下では41.8%と世代間差
人材不足をカバーする鍵は医療DXにあり
開業医のシステム導入率で一番高いものは、57.2%を占める「オンライン資格確認リーダー」。ただ、一番高いとはいえ全体の6割程度に留まる形でなっています。一方、「WEB予約システム」の導入も全体では24.4%となっており、依然として低調です。また、システム導入率に対するスタッフの充足度に関しても、「充足していない」群のほうが高い割合を示す結果となりました。
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・48%が「スタッフ採用」に悩み
従業員数が多いほどコミュニケーションに課題あり
開業医が抱える悩みの中で、特に多かったのは「スタッフ採用」。従業員数別にみても同様で、規模に関わらず「採用」が大きな課題となっていることがわかりました。また、従業員数が多い場合、「スタッフとのコミュニケーション」「スタッフの離職率」に関する悩みが増加するという傾向も。
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・71.2%がペイハラを受けた経験あり
開業医自身、スタッフともに大きなストレスに
「ペイシェントハラスメント(ペイハラ)」に関しては、開業医全体の7割以上が経験しているという深刻な状況に。ペイハラの対象はクリニックのスタッフにも及んでおり、その影響は無視できません。従業員充足度で比較すると「対応のために自分の時間を割く必要があった」という回答については従業員が充足している開業医は57.0%、充足していない開業医は66.4%と10ポイント近く差がついており、開業医に大きな負担をかけている実態が浮き彫りとなりました。
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総評
調査結果から、開業医は非常に多忙であり、あらゆる課題を抱えていることがわかりました。中でも、開業医が抱える悩みとして最も声が多かったのは昨年に続き「スタッフの採用」が挙げられており、半数以上のドクターが「応募者の少なさ」で苦戦している実態が明らかとなりました。クリニック運営に必要不可欠な存在であるスタッフの採用・育成に関しては、経営の行く末を左右し得る喫緊の課題といえます。
人材不足の打ち手として挙げられる「医療DXの推進」についても、本年の調査結果ではWEB予約システムの導入率も未だ3割弱に留まり、なかなか推進が進んでいない現状も浮かび上がってきました。今後は医療DXの推進を通じて人材不足をカバーするとともに、スタッフ採用や適正な評価の仕組みづくりなど、人材定着に向けた環境づくりがさらに求められることでしょう。
また、今年の調査から浮き彫りになったのは、「ペイハラ」が医療現場における深刻な問題となっていることです。開業医の7割以上がペイハラの経験があり、患者からの理不尽な要求がクリニック経営の大きな負担となっていることが明らかになりました。さらに、従業員が充足していないクリニックほど、謝罪要求やハラスメント対応にかかる「院長自身の負担」が大きいという傾向も。スタッフとともにペイハラに対応できる体制を整えるために、クレーム対応のマニュアル化などの対策がクリニックにも求められそうです。
調査方法
・調査期間:2024年10月22日(火)~11月11日(月)
・回答数:500人
・対象:全国の開業医
・調査方法:インターネット調査。
※インターネット調査のパネル委託先:医師専用コミュニティサイト「MedPeer」によるパネル調査
https://medpeer.jp/
「クリニック未来ラボ」とは
「クリニック未来ラボ」は、開業医、開業を目指す勤務医・医学生に向けたクリニック経営支援メディアです。 独自の視線で調査・研究し、より良い医院経営に役立つ情報として発信しています。 より良い医院経営にお役立ていただけるような全国のドクター向けの医療コラムを掲載しています。
https://cl-mirai-lab.doctorsfile.jp/
「ドクターズ・ファイル」とは
「ドクターズ・ファイル」は、身体の症状・悩みに合わせ、全国のクリニック・病院、ドクターの情報を調べることができる地域医療情報サイトです。診療科目、地域、沿線・駅、診療時間、医院の特徴といった情報からだけではなく、気になる症状、病名、検査名などからも、最適なクリニック・病院、ドクターを探すことができます。「ドクターズ・ファイル」では全国のドクターの想いを編集部が直接取材し、診療方針や医療の道を志したきっかけ、専門としている治療や検査などを紹介しています。医師への総取材数は3万件にのぼる、日本最大級のクリニック情報サイトです。
https://doctorsfile.jp/
会社概要
株式会社ギミック
代表取締役社長 兼 社長執行役員 CEO:横嶋 大輔
本社:東京都渋谷区南平台町2-17
https://www.gimic.co.jp/
代表の横嶋大輔が株式会社リクルートフロムエー(現・株式会社リクルート)入社後、商品企画部長、営業企画部長を歴任した後、2003年に社内独立制度を利用し、起業。クリニックのDX化によって、最も身近な地域の医療サービスの向上に貢献し、新医療文化の創造を目指しています。地域医療情報サイト「ドクターズ・ファイル」をはじめ、クリニック専用の情報共有アプリ「ドクターズ・ファイル メディパシー」、クリニック・医療機関に特化した人材マネジメントシステム「ドクターズ・ファイル クリニコ」、医療機関従事者向け求人メディア「ドクターズ・ファイル ジョブズ」などを展開。
ドクターズ・ファイル: https://doctorsfile.jp/
ドクターズ・ファイル メディパシー: https://medipathy.doctorsfile.jp/
ドクターズ・ファイル クリニコ: https://clinico.doctorsfile.jp/
ドクターズ・ファイル ジョブズ: https://doctorsfile.jp/jobs/
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