SAS 保険業界予測:2025年は先進的な保険会社が活躍する年に

プレスリリース発表元企業:SAS Institute Japan株式会社

配信日時: 2024-12-20 11:06:00

SASの業界専門家は、保険業界の先行きが不透明な中、
新たなテクノロジーと信頼性が保険会社を成功に導くと予測

AIとアナリティクスのリーディング・カンパニーである米国SAS Institute Inc.(以下 SAS)は、気候変動の影響を受ける市場から多くの保険会社が撤退する中、2025年は次世代の保険プロフェッショナルが活躍する先進的な保険会社が業界を牽引するだろうと予測しています。イノベーションに注力する保険会社が、業界最大の課題に果敢に取り組み、スピードと生産性の向上、信頼できる結果を通じて利益を享受するようになる転換期と言える一年と思われます。

SASの専門家は、SASがEconomist Impactと共同で実施した保険業界の将来に関する調査#Insurance2040( https://www.sas.com/en/whitepapers/revealing-the-paths-to-2040-four-possible-scenarios-for-insurance-128171.html
)を通じて、今後1年の動向について様々なビジョンを提示する一方、以下の1点では意見が一致しています。それは、先進的な保険会社とは最先端テクノロジーを導入して業界を変革し、リスクと隣り合わせの時代に、消費者と規制当局の信頼を回復していくという点です。

オムニポリシーと信頼の復活
保険会社は現在の風評リスクを乗り切り、業界の存続に向けた投資を行うため、画期的かつ信頼性重視のブランド再構築を必要としています。また、2025年末までに世界的大手保険会社はオムニポリシーの導入計画を発表するでしょう。

オムニポリシーに加入すれば、契約者はAIが薦める1つの保険に保険料を支払うだけで、個人のリスクに関係なく、適用可能なすべての保険領域で包括的で手厚い補償を受けることができるようになります。
– グローバル保険戦略アドバイザー、フランクリン・マンチェスター(Franklin Manchester)

保険会社と顧客がデータプライバシーの価値を問う
2025年、保険会社は大胆な新しいモデル『Data for discounts(データ提供割引)』の提案を開始します。健康状態、運転習慣、支出パターンといった個人情報を保険会社に提供することに同意した顧客には、リスクプロファイルが微調整され、パーソナライズされた保険料が提示されるようになります。同意した顧客は保険料の負担が軽減する一方で、プライバシー保護を重視する顧客の保険料は上昇する可能性があります。データを共有するか保護するかの選択が直接保険料を左右する中で、消費者、保険会社、規制当局は、『プライバシーに値段をつけることは可能か?』という問いに直面するでしょう。
– EMEAおよびAP地域 保険業務担当リーダー、アレーナ・ティシチェンカ(Alena Tsishchanka)

ウェアラブルでシェアラブルな健康データ
リアルタイムでのECGモニタリング、ストレス追跡、睡眠解析を可能にするウェアラブルデバイスのような技術は、被保険者の健康状態についてさらに深い知見を保険会社にもたらし、より正確な予測を可能にします。個別化されたアプローチは、静的な数理モデルと過去のデータに依存して死亡リスクを推測する従来の手法から脱却することを意味します。すでに欧州の保険会社は、健康関連のウェアラブルデバイスを利用している被保険者に特典を提供しており、世界の保険会社もこれに追随しています。一方で、ウェアラブルデータの統合によるセキュリティとデータ倫理の問題が注目されています。個人データを活用した変革の可能性は、保険会社が被保険者との信頼を築き( https://www.sas.com/ja_jp/company-information/innovation/responsible-innovation.html
)、最もセンシティブなデータの安全と倫理的な利用を徹底できてこそ実現します。
– プリンシパル・プロダクト・マーケティング・マネージャー、アマンダ・ワイズ(Amanda Wise)

エコシステム活用型保険が成長を牽引
保険会社は今後、従来とは異なるステークホルダーと手を組み、テクノロジーエコシステム活用型の保険を提供していくでしょう。例えば、保険会社がスマートホーム企業と提携し、住宅保険を付随サービスとして提供するケースが考えられます。保険業界は歴史的にこうした連携に慎重でしたが、市場への普及と顧客維持率に重点を置く動きが高まる中、今後はエコシステム活用型が保険会社にとって新たな焦点となるでしょう。
– SAS英国およびアイルランドの保険スペシャリスト、アンドリュー・ポラード(Andrew Pollard)

保険業界に押し寄せる高齢化問題
年齢別人口統計によると、保険業界では今後5年間で全体の約半数のプロフェッショナルが退職し、膨大な専門知識が失われると予測されています。業界のリーダーたちは、次世代の後継者の採用を進めると同時に、AI( https://www.sas.com/ja_jp/insights/analytics/what-is-artificial-intelligence.html
)や新たなテクノロジーを活用して人材不足解消の方法を模索するでしょう。次世代の人材は、データの活用スキルやその他の技術トレーニングへの投資を通じて自身の能力の差別化を図り、早期成功への道を切り開いていくことでしょう。
– ファイナンシャルサービス担当シニアディレクター、ジェームス・ルオトロ(James Ruotolo)

自然災害で加速する保険の供給不足
2024年の壊滅的な損失を受けて、保険会社は複数の地域で住宅所有者保険や商業用不動産向け保険の提供をさらに制限すると予測しています。この動きに対する世間の反発から、保険会社は風評リスクに直面するでしょう。保険の供給不足に起因して、住宅および商業用不動産取引は大幅に減少することが懸念されます。
– 保険業界アドバイザー、マイケル“フィッツ”フィッツジェラルド(Michael “Fitz” Fitzgerald)

補償ギャップ解消を目指す官民連携
気候変動リスクが顕著になる中、保険業界の経営陣は、気候変動への適応とレジリエンス強化に向けた官民連携を追求するでしょう。保険会社と政府は、洪水、干ばつなどの自然災害の影響を受けやすいコミュニティに気候災害補償を提供する必要があります。このような連携は、現在1兆8,000億ドルとされている世界の補償ギャップの軽減と、手頃な保険オプションの継続的な提供に貢献するでしょう。
– 保険アドバイザリーインダストリーコンサルタント、オアナ・アブラメスク(Oana Avramescu)

コンプライアンスがAIの優先事項を明確化
EU市場で事業を展開している、あるいはEU市場とやり取りがある保険会社は、EU AI規制法のリスクベースの分類システム(2025年から適用)において、特に高リスクに分類されるAIシステム(保険引受や保険金請求処理など)に関する規制に準拠する必要があります。規制への準拠に向けてAIガバナンスの枠組みへの投資が一層進むでしょう。
来年は特に、保険会社は厳格化する規制にモデルが準拠していることを確認するため、バイアスの低減、説明可能性、データガバナンスに焦点を当てた定期的なAI監査を実施するでしょう。特に、保険引受と保険金請求処理のための透明性に関する義務を確実に遵守するため、説明可能なAIモデルが優先されるでしょう。
ディープラーニングのような非常に複雑なモデルを重要な意思決定に採用する動きは鈍り、保険会社はよりシンプルで解釈しやすい選択肢を好むようになるかもしれません。
– SAS英国およびアイルランドのAIおよび倫理担当リード、プラティバ・クリシュナ(Prathiba Krishna)

合成データが保険プライシングプロセスをレベルアップ
先進的な保険会社は、保険プライシングプロセスをレベルアップすることで、競争優位性を得ることができます。これまでのように陳腐化した情報を含む内部データのみに依存するのではなく、保険会社のアクチュアリーは、既存のデータセットを補強すべく、合成データ( https://blogs.sas.com/content/sascom/2024/06/10/synthetic-data-insurance/
)の生成と外部の市場データとの統合を加速させます。合成データの利用を進める企業は、より市場の機微に整合した正確なプライシングを、より迅速に展開できるようになり、収益性を向上させ、生成AI導入への道のりで後れを取っている企業を引き離すことができるでしょう。
– リスク、詐欺、コンプライアンスソリューション部門の保険リーダー、トーステン・ハイン(Thorsten Hein)

規制から再生へと飛躍する保険会社
あらゆる保険会社が規制準拠に向けたソリューションへの投資に伴う疲弊を乗り越え、AIを活用したビジネスソリューションに焦点を移し、顧客により良いサービスを提供できるようになるでしょう。AI、さらには生成AIを活用( https://www.sas.com/en/whitepapers/your-journey-to-a-genai-future-an-insurers-strategic-path-to-success-114043.html
)することで、保険業界は顧客エンゲージメントの向上や、保険引受、保険料設定、不正検知などに関して、より良い意思決定ができるようになります。AIはまた、損害保険会社が収支をやり繰りし、気候変動などの影響が増大する中での生存戦略として重要な役割を果たすでしょう。
– リスク、詐欺、コンプライアンスソリューション担当シニアバイスプレジデント、スチュ・プラッドリー(Stu Bradley)

詳細はSASの「テクノロジー&AI予測」( https://blogs.sas.com/content/predictions/
)を参照ください。

*2024年12月4日に米国SAS Institute Inc.より発表されたプレスリリース( https://www.sas.com/en_us/news/press-releases/2024/december/insurance-predictions-2025.html
)の抄訳です。本プレスリリースの正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語を優先します。

SASについて
SASはデータとAIのリーディング・カンパニーです。SASの革新的なソフトウェアと業界特化型のソリューションが、世界中のお客様にデータを信頼できる意思決定に変換するパワーを届けています。SASは「The Power to Know®(知る力)」をお届けします。

*SASとその他の製品は米国とその他の国における米国SAS Institute Inc.の商標または登録商標です。その他の会社名ならびに製品名は、各社の商標または登録商標です。

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