細胞ピッキング&イメージングシステム「CELL HANDLER(TM) 2」発売~直感的な操作性、AI搭載による自動化機能で細胞研究を効率化~

プレスリリース発表元企業:ヤマハ発動機株式会社

配信日時: 2024-11-14 13:30:00





 ヤマハ発動機株式会社は、新薬開発を目的とした研究・実験の効率化・精緻化に貢献する、新型の細胞ピッキング&イメージングシステム「CELL HANDLER(TM) 2(セルハンドラー ツー)」を、2025年3月に発売します。「CELL HANDLER(TM) 2」は、細胞(塊)*の取り扱いやデータ取得を高速・高精度に行う細胞ピッキング&イメージングシステム「CELL HANDLER(TM)」の後継機です。開発コンセプトは「細胞研究のベストパートナー」。最先端技術を取り入れ、研究者からのフィードバックを活かし、ユーザーエクスペリエンスを向上した次世代セルハンドリングシステムです。AIによる自動化とイメージング機能の強化、操作感の向上を実現し、新たな発見を目指す研究者の挑戦を力強くサポートします。
※ 単一細胞もしくはその集合体

 「CELL HANDLER(TM) 2」は、研究者の日常的な使用を想定し、吸引・吐出だけでなく、観察や解析など、細胞を扱う研究のさまざまな工程における作業環境の効率化を目指して開発しました。
 AIによる細胞の自動選別や、オートフォーカス機能によるスムーズで明瞭な画像撮影により、省力化しながら、より精緻な作業が可能になりました。動画での撮影や、吸引した細胞(塊)配置の自由度向上も実現し、研究の幅が広がります。さらに、細胞吸引後の画像撮影におけるトレーサビリティを改善し、細胞周辺の画像を自動で繋ぎ合わせた「タイリング画像」の自動生成により、信頼性の高いデータ構築に貢献します。

 当社は、2022~24年の中期経営計画において、新規事業と成長事業を戦略事業領域と位置づけ、将来のコア事業に育てるための経営資源を積極的に配分するポートフォリオマネジメントを進めています。その中で、医療・健康分野を戦略事業領域のひとつと位置づけ、将来のコア事業とするための体制強化、需要創出による事業拡大を目指しています。




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「CELL HANDLER(TM) 2」




〈市場背景と製品の概要〉
 近年、新薬の開発費は増加傾向で、新たに増加しているiPS細胞等の幹細胞を用いた創薬研究や実験動物を用いない非臨床試験では、細胞の取り扱いの効率化や精緻化に加えて、工程全体の自動化・省力化・デジタル化が求められています。

 当社では表面実装機(サーフェスマウンター)を中心とする産業用ロボット技術のさらなる活用を視野に、2010年からメディカル分野への検討に着手し、2017年に「CELL HANDLER(TM)」を発売しました。超高速・高精度なピック&プレース技術を応用し、電子部品に比べて不均一な形状で、柔らかく壊れやすい細胞(塊)に適した吸引吐出技術や画像処理技術を開発。手動では困難な速度と精度で対象となる細胞(塊)を選択、高密度培養プレートへ一つずつ移動するとともに撮像し、画像情報を取得・データ化することを実現しました。「CELL HANDLER(TM)」は世界の研究機関や製薬企業に納入され、創薬開発などの工程の負荷軽減に役立てられています。

 「CELL HANDLER(TM)」の発売から年月が経過し、その間に得たユーザーからのフィードバックなどを踏まえて、新製品の開発に着手しました。「CELL HANDLER(TM) 2」は、「CELL HANDLER(TM)」の強みを生かしながら、高精度な観察を実現する環境とデータ収集の技術、直感的で使いやすいインターフェースと機能を提供します。それにより、新薬開発、高抗体産生株やiPS細胞株の樹立、スフェロイド・オルガノイドの形成などに関する研究や実験において、その質の向上や効率化に貢献します。

〈CELL HANDLER(TM) 2の主な特徴〉
1) AI機能搭載
 研究現場から提供されたデータ等に基づき、さまざまな研究に応じて必要とされる条件の細胞をAIが学習し、自動で選別。従来機では識別が難しかった条件でも、対象細胞を検出・収集します。

2) オートフォーカス
 対象の細胞のZ軸方向(高さ)を自動で認識し、撮像準備にかかる時間と手間を削減します。

3) 動画撮影機能
 動画撮影が可能になり、細胞の拍動等が記録できるようになりました。

4) タイリング画像の自動生成
 対象細胞のみを確実に吸引できたことを証明するため、撮影画角外の環境も確認できるよう、画像を自動でつなぎ合わせ、高品質な全体像を提供します。

5) トレーサビリティの向上
 吸引後の細胞位置を中心に画像を撮影することで、対象細胞だけを吸引できたか確認できます。対象細胞の吸引前後の撮像、また撮像した個々の細胞の詳細情報を取得することで、データの信頼性が向上します。

6) 観察機能の拡充
 20倍の対物レンズを追加し、4倍、10倍のレンズは位相差観察ができるほか、蛍光観察システムに使用するフィルター数は従来の3色から5色へ増えました。

7) 柔軟なサイズ対応
 10μmから500 μmまでの細胞をダメージ少なく吸引・吐出する特殊チップを備えた、高精度に制御された8連ヘッドは、現行のCELL HANDLER(TM)から引き継がれています。




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