アルヌール、シフォナキサンチン生産微細藻類の大量培養に成功

プレスリリース発表元企業:パス株式会社

配信日時: 2024-11-05 18:45:37

~新たな希少機能性成分の安定大量生産へ向けて~

パス株式会社(東京都渋谷区: 東証スタンダード市場 コード番号3840)の連結子会社である株式会社アルヌール(東京都渋谷区、以下、アルヌール)は、抗肥満作用や抗アレルギー作用などが期待されるカロテノイド色素の一つである希少成分「シフォナキサンチン」を生産するための微細藻類の大量培養に成功したことをご報告いたします(図1)。



アルヌールでは、微細藻類の室内培養装置を用いた培養技術の開発と藻類バイオマスから有用成分を抽出精製する技術の開発を行っています。この度、これまで蓄積してきたフコキサンチン生産技術を活かして、同じ希少機能性カロテノイドであるシフォナキサンチン生産に着手しました。シフォナキサンチンは大型海藻のミルなどから抽出されていますが、含有率が乾燥重量の約0.03%~0.1%と低い点や微細藻類に比べて培養技術の研究が限られている点など安定生産に課題がありました。その解決策として、アルヌールはシフォナキサンチンとなる成分を多く含有する微細藻類株を選定しました。これにより、微細藻類の大量培養技術を最大限活用することが可能となり、シフォナキサンチンの安定大量生産への道が拓かれました。今後、機能性原料や研究用試薬としての活用が期待されます。
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図1 シフォナキサンチンとなる成分を生産する微細藻類株の乾燥バイオマス

● 希少機能性カロテノイド、シフォナキサンチンについて
 シフォナキサンチンは海藻のミルや海ぶどうなどの大型緑藻と一部の微細緑藻が生産するカロテノイド色素の一つで、藻体内では緑色や青緑色の光の吸収に働いていると考えられています(図2)。
[画像2: https://prtimes.jp/i/72966/67/resize/d72966-67-b4aa5eefc0524f108623-1.png ]

<シフォナキサンチンの機能性についての基礎研究例>
◆ がん細胞にアポトーシスと呼ばれる生理的な細胞死を誘導することによって、がんの抑制に寄与
Ganesan, P.; Noda, K.; Manabe, Y.; Ohkubo, T.; Tanaka, Y.; Maoka, T.; Sugawara, T.; Hirata, T. Siphonaxanthin, a marine carotenoid from green algae, effectively induces apoptosis in human leukemia (HL-60) cells. Biochim. Biophys. Acta2011, 1810, 497-503.
◆ がんの成長に必要な新しい血管の形成(血管新生)を抑制
Ganesan, P.; Matsubara, K.; Ohkubo, T.; Tanaka, Y.; Noda, K; Sugawara, T.; Hirata, T. Anti-angiogenic effect of siphonaxanthin from green alga, Codium fragile. Phytomedicine2010, 17, 1140-1144.
◆ 高脂肪食マウスにシフォナキサンチンを含む食事を与え、体重の減少を確認
Li, Z.S.; Zheng, J.W.; Manabe, Y.; Hirata, T.; Sugawara, T. Anti-obesity properties of the dietary green alga, Codium cylindricum, in high-fat diet-Induced obese mice. J. Nutr. Sci.Vitaminol. 2018, 64, 347-356.
◆ ヒト肝臓がん細胞において、中性脂質の蓄積を抑制
Zheng, J.; Li, Z.; Manabe, Y.; Kim, M.; Goto, T.; Kawada, T.; Sugawara, T. Siphonaxanthin, a carotenoid from green algae, inhibits lipogenesis in hepatocytes via the suppression of liver X receptor alpha activity. Lipids2018, 53, 41-52.
◆ 老化物質であるAGEs(Advanced Glycation End Products:終末糖化産物)に起因する炎症を抑制
Manabe, Y.; Takii, Y.; Sugawara, T. Siphonaxanthin, a carotenoid from green algae, suppresses advanced glycation end product-induced inflammatory responses. J. Nat. Med. 2020, 74, 127-134.
◆ アレルギー反応を引き起こす、マスト細胞(肥満細胞)からヒスタミンなどを放出する脱顆粒反応を抑制
Manabe, Y.; Hirata, T.; Sugawara, T. Suppressive effects of carotenoids on the antigen-induced degranulation in RBL-2H3 rat basophilic leukemia cells. J. OleoSci. 2014, 63, 291-294.


■ 培養技術・抽出精製技術の提供
人々のくらしをよりよくする微細藻類のポテンシャルについては、現在においても未開発な領域が多く残されています。アルヌールでは経験豊富な研究員が先進的な技術を駆使して日々研究開発を行っています。新事業開発、光合成によるCO2(二酸化炭素)の固定及び削減、新原料、新飼料、バイオ肥料、バイオ医療研究、藻類バイオマスのエネルギー利用、バイオ燃料など新たな産業の開発や研究に取り組む自治体、企業、大学等への販売と技術提供により持続可能な社会の実現を目指してまいります。
アルヌールでは下記のような技術の提供を行っております。お気軽にお問い合わせください。
《微細藻類の培養技術の導入、培養における専門技術提供、藻類育成技術の普及、バイオリアクター技術の提供、先進的な藻類培養ソリューションの提供、バイオスティミュラントの藻類への増殖効果検証、培養藻類内容物の抽出・精製方法の研究など》


◆ 株式会社アルヌールについて  https://www.alnur.jp/
会 社 名:株式会社アルヌール 
本 社:東京都渋谷区神宮前六丁目17番11号 JPR原宿ビル
R&Dセンター:東京都豊島区高田一丁目25番3号 
事 業 概 要:微細藻類の培養装置及びそのオペレーションノウハウを基幹技術とした、バイオメディカル・ヘルスケア分野及びCO2削減等環境分野における研究・開発及びその技術提供、関連商品販売
海藻の一種である「カギケノリ」の力で、日本の畜産と漁業を未来へとつないでいく環境プロジェクト「Kaginowa」の運営 https://kaginowa.com/

<報道関係の方からのお問い合わせ>
株式会社アルヌール   広報担当
E-Mail:info@alnur.jp

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