【ルイ・ヴィトン】ウェイド・ガイトンによる個展を10月31日より開催

プレスリリース発表元企業:ルイ・ヴィトン ジャパン株式会社

配信日時: 2024-10-30 15:41:51



このたびエスパス ルイ・ヴィトン東京では、アメリカ人アーティスト ウェイド・ガイトンによる個展「Thirteen Paintings」を開催いたします。本展は、東京、ミュンヘン、ヴェネツィア、北京、ソウル、大阪のエスパス ルイ・ヴィトンで展開する「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムの一環として行うものです。フォンダシオン ルイ・ヴィトンの所蔵コレクションの中から、特に未公開の作品を紹介するこの企画は、国際的なプロジェクトの実施を通じて、より多くの方に作品をご覧いただく機会を創出するというフォンダシオンの姿勢を体現しています。
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ウェイド・ガイトンは、20年以上にわたり制作し続けてきた厳密なコンセプトに基づく作品群で知られるアーティストです。創作に用いるメディアと素材は、写真や彫刻、映像、書籍、紙に描いたドローイングなど多岐にわたります。最も知られているのは、大型キャンバスにインクジェットプリンターを使って制作した作品であり、モノクロのイメージ、炎、「X」や「U」の文字、『ニューヨーク・タイムズ』のウェブページといった象徴的なモチーフが繰り返し登場します。ガイトンとその作品は、デジタル時代の到来を巡る芸術議論において重要な役割を果たしてきました。

2000年代初頭からニューヨークの若手アートシーンで中心的存在となったガイトンは、絵画から離れ、さらに抽象とも距離を置くことで、既存のカテゴリーに収まらない在り方を追求し続けています。下塗りされたキャンバスなどの従来的な素材とデジタル印刷技術を組み合わせ、テクノロジーを意図的に誤用することで、美的にも目を見張るような表現を生み出すのです。彼の革新的な取組みはアンディ・ウォーホルのように、絵画表現の実験的追求と作家性の概念を再定義することを試みます。ガイトン自身は、自らの作品について次のように述べています。「私の作品は版画であり版画ではなく、写真であり写真ではなく、絵画であり絵画ではなく、この不確かな状態にあることを心地よく感じている。(中略)作品がどのように定義されるかは、観る人の視点によって決まる」。

ガイトンの作品は、絵画の伝統的な構造や言語を踏襲しながらも、従来の手法や様式を大きく改変しています。エプソンの大型インクジェットプリンターにキャンバス布を幾度も通し、モチーフや文字を重ねて印刷していく過程で生じるエラーやインクの液垂れ、ミスプリントが画面全体に広がる構成要素となり、唯一無二の表現を作り出しています。プリンターは絵筆の役割を果たすと同時に、彼自身を表すシグネチャーにもなります。「デジタルで手掛けた最初の作品は、まるで文字を書くような感覚だったけど、ペンではなくキーボードを使った。『X』を描く代わりに、『X』のキーを押すことにしたんだ」。さまざまなデジタル形式で繰り返し使用されるこれらの文字や図像(書籍からスキャンした炎の画像など)は、現代アートにおけるアイコンとなっています。

本展では、フォンダシオン所蔵の13点の絵画からなる作品《Untitled》(2022年)を世界初公開。これらには、ガイトンがニューヨークのバワリーにあるアトリエで撮影した写真や床に置かれたキャンバス、『ニューヨーク・タイムズ』のウェブサイトのスクリーンショット、ビットマップデータ、制作途中の作品から滴るインクなどのイメージが見られます。当作品はすべて、エプソン製プリンター SureColor P9000を用いて制作されています。
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UNTITLED
2022年
13点の絵画、リネンキャンバスにエプソン製UltraChrome HDXによるインクジェットプリント
Set of thirteen paintings,
Epson UltraChrome HDX inkjet on linen canvas
213 x 175 cm

(C) Wade Guyton
Photo Courtesy Matthew Marks Gallery

アーティストについて
1972年、米国インディアナ州ハモンドに生まれたウェイド・ガイトンは、現在ニューヨークを拠点に活動。彼は、デジタル時代におけるイメージの考察と制作に取組むアーティスト世代の中で、最も影響力のあるアーティストの1人です。彼の作品の特徴は、プリンターを駆使して絵画の従来的な限界に挑戦する点にあります。デジタル画像制作の効果を分析し、絵画制作のプロセスに新たな視点を投じることで、抽象絵画の可能性を追求しています。
ガイトンは数々の賞を受賞しており、2014年にアメリカ芸術文学アカデミー、2004年にはファウンデーション・フォー・コンテンポラリー・パフォーマンス・アーツより賞を授与されました。また、2003年にソクラテス彫刻公園から新進芸術家助成を、2002年にアーティスト・スペースから独立プロジェクト助成を獲得。2000年にはデルフィナ・スタジオ・トラストからも支援を受けました。
個展も多数開催しており、近年の主な展覧会には、2023年にパリ市立近代美術館(フランス)で開催された「Five Paintings,2013-2015」、2019年のルートヴィヒ美術館(ケルン)、2017年のサーペンタイン・ギャラリー(ロンドン)、MADRE(ナポリ)、ブランドホルスト美術館(ミュンヘン)、2016年のジュネーヴ近現代美術館(MAMCO)(ジュネーヴ)などが挙げられます。
またガイトンの作品は、バイエラー財団(バーゼル、2024年)、プラダ財団(ヴェネツィア、2021年)、カナル・ポンピドゥー・センター(ブリュッセル、2020年)、ザ・キッチン(ニューヨーク、2020年)、フォンダシオン ルイ・ヴィトン(パリ、2019年)など、さまざまな機関によるグループ展でも紹介されています。

フォンダシオン ルイ・ヴィトンについて
フォンダシオン ルイ・ヴィトンは現代アートとアーティスト、そしてそれらのインスピレーションの源となった重要な20世紀の作品に特化した芸術機関です。公益を担うフォンダシオンが所蔵するコレクションと主催する展覧会を通じ、幅広い多くの人々に興味を持っていただくことを目指しています。カナダ系アメリカ人の建築家フランク・ゲーリーが手掛けたこの壮大な建物は、既に21世紀を代表する建築物と捉えられており、芸術の発展に目を向けたフォンダシオンの独創的な取組みを体現しています。2014年10月の開館以来、1,000万人を超える来館者をフランス、そして世界各地から迎えてきました。フォンダシオン ルイ・ヴィトンは、本機関にて実施される企画のみならず、他の財団や美術館を含む、民間および公共の施設や機関との連携においても、国際的な取組みを積極的に展開してきました。とりわけモスクワのプーシキン美術館とサンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館(2016年の「Icons of Modern Art: The Shchukin Collection」展、2021年の「The Morozov Collection」展)やニューヨーク近代美術館(「Being Modern: MoMA in Paris」展)、ロンドンのコートールド美術研究所(「The Courtauld Collection. A Vision for Impressionism」展)などが挙げられます。
また、フォンダシオンは、東京、ミュンヘン、ヴェネツィア、北京、ソウル、大阪に設けられたエスパス ルイ・ヴィトンにて開催される所蔵コレクションの展示を目的とした「Hors-les-murs(壁を越えて)」プログラムのアーティスティック・ディレクションを担っています。これらのスペースで開催される展覧会は無料で公開され、関連するさまざまな文化的コミュニケーションを通じてその活動をご紹介しています。

WADE GUYTON
THIRTEEN PAINTINGS
SELECTED WORK FROM THE COLLECTION
ウェイド・ガイトン 「THIRTEEN PAINTINGS」展

エスパス ルイ・ヴィトン東京
〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5-7-5
ルイ・ヴィトン表参道ビル7階

会期: 2024年10月31日(木)から2025年3月16日(日)

開館時間:12:00-20:00
休館日はルイ・ヴィトン 表参道店に準じます。
入場無料

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