重度訪問介護、人手不足等が理由で約7割のケースで「お見送り・長期保留」が発生
配信日時: 2024-10-02 07:00:00
土屋総研が全国47都道府県で重度訪問介護の受け入れ状況を調査
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/84582/46/84582-46-aeee99e6bc0e52fb9a7885183d6dedb6-1920x1005.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
障害者介護を中心とした福祉の現場から、人の「活きる」を考える土屋総合研究所(所長:吉岡 理恵)は、土屋グループの『ホームケア土屋』に寄せられた重度訪問介護の依頼に関するデータを分析し、重度訪問介護の受け入れ状況を調査しました。
調査からは深刻な人手不足が明らかになり、重度訪問介護の依頼をいただいた約7割のケースで、依頼をお見送りせざるをえない状況になっていることが分かりました。
調査方法
・調査対象:重度訪問介護事業所『ホームケア土屋』の本部に寄せられた重度訪問介護の依頼全738件(ホームケア土屋の各事業所に直接ご相談いただいたケースは含んでいません)
・調査対象者の居住エリア:全国47都道府県
・調査期間:2023/1/1~2024/7/31
調査実施の背景
難病や重度の障害を抱えている方が、施設ではなく在宅で『自分らしい生活』を行う際に欠かせない、障害者総合支援法の事業『重度訪問介護』。難病や重度の障害を抱える方は、同サービスを利用することで、ヘルパーによる24時間の在宅介護を受けられ、自立した一人の人間として生活することができます。しかし、どれだけすばらしいサービスが法律で定められていても、利用者の人数に応じた事業者数やヘルパーの数がないと、障害や難病の当事者は重度訪問介護のサービスを受けることができません。実際、これまで多くの当事者が、人手不足などを理由に重度訪問介護の利用を断られてきました。
このような重度訪問介護の課題がある中、土屋グループの重度訪問介護部門『ホームケア土屋』は2020年に事業をスタートし、2023年1月には47都道府県全てに事業所を設立しました。一人でも多くの方に重度訪問介護を使っていただけるよう、事業所を全国に設置し、さらに創業から現在までに2000名以上の従業員を雇用し、サービスの提供体制を強化してきました。それでも、重度訪問介護のヘルパーがまだまだ不足しているのが現状です。
本リリースでは、現在、日本で唯一全国で重度訪問介護事業を提供する企業として※、重度訪問介護のヘルパー不足の現状を知っていただきたいと考え、土屋グループに寄せられたご依頼のデータを公開します。本データは、全国47都道府県の重度訪問介護利用者に関する調査結果です。一企業内のデータではありますが、重度訪問介護に関するデータが不足している現状において、地域間の比較やサービス改善の検討に役立つ貴重な情報になりうると考えています。
※土屋調べ
参考:主要な重度訪問介護提供事業者の展開エリア
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調査結果サマリー
- 約7割(66%)のケースで依頼をお見送り・保留せざるをえない状況であることが判明
お見送り・保留の理由で最も多いのは『人手不足』で73.3%
- 特に都市部において、お見送り・保留を行う割合が高い
- 受託数とお見送り・長期の保留件数のギャップが大きい都道府県トップ5は東京、神奈川、北海道、鹿児島、埼玉
調査結果
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/84582/46/84582-46-5cf769d6ba5b237fe8e44f7f602b71c4-1920x1080.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/84582/46/84582-46-30cb4311ce526f5c9e554e3215208470-1920x1080.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
このグラフは、各地域の重度訪問介護の依頼状況を、バブルの大きさと色で表しています。バブルが大きいほど依頼件数が多く、色が濃いほど依頼をお見送りした割合が高いことを示しています。グラフから、東京、神奈川、埼玉などの関東の都市部で特に依頼が多いこと、そしてこれらの地域や愛知、大阪、兵庫などでも依頼をお見送りしているケースが多いことがわかります。
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[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/84582/46/84582-46-b13e17ea6bb3dba6262cf063f9d8bae9-1605x2700.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
具体的な数については以下シートよりご覧ください。
https://docs.google.com/spreadsheets/d/1CkSO3Q4ZydYFOaAIYcgwHAvhBEk_IzcBdn3e5sCyLcc/edit?usp=sharing
株式会社土屋代表取締役 高浜敏之 コメント
今回の調査の結果、重度訪問介護の受け入れが十分でないことが明らかになりました。特に、都市部とそれ以外の地域で、大きな差が見られました。近年、人材採用コストの上昇により、特に競争の激しい都市部において人材確保が困難な状況です。当社では、従来の求人広告などに頼らず、より効率的な採用方法を模索しています。都市部以外では、比較的高い給与設定により人材確保が進んでいる一方で、都市部では他業種含む他社との競争が激しく、人材の獲得が難しい状況です。
もちろん広告費をかけて短期的に多くのヘルパーを採用することは可能ですが、採用費がかかることで、ヘルパーへの給与や待遇が悪化し、結果としてヘルパーの負担が増大する可能性があります。当社では、この課題を解決するため、現在様々な角度からアプローチしています。今後も、お客様、ヘルパー、そして当社が、より良い関係を築き、共に成長できるよう、尽力してまいります。
データのご利用について
・引用の場合、お問い合わせは不要でご利用いただいて問題ございません。
・引用いただく際は以下出典を明示いただけると幸いです。(土屋総合研究所は株式会社土屋のシンクタンク部門の名称です。)
出典:土屋総合研究所もしくは株式会社土屋
土屋総研とは
土屋総研は、全国47都道府県で福祉事業を展開する株式会社土屋グループの総合研究部門です。 福祉分野、特に重度の障害福祉の分野ではまだまだ十分な調査・研究が行われておらず、日本全国にネットワークを有する株式会社土屋の経験やノウハウを惜しみなく社会に還元していくことを目的とし、土屋総研を創設しました。
具体的には以下の取り組みを行っています。
1.福祉、介護、医療サービスの制度等に関する実態調査
2.厚生労働省や自治体の施策検討に資する調査・分析
3.介護業界が抱える問題(アテンダント不足、低賃金問題)等へのアプローチ・調査
4.アテンダント(ヘルパー)や介護事業者に向けたノウハウの共有、セミナー開催、啓発活動
5.サービス利用者の地域生活の維持を目的とした、介護事業者等へのノウハウ共有及びコンサルティング活動
6.広く一般の方々にきっかけを提供するためのシンポジウム等(シンビオシスフォーラム等)の開催等
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