地産地消の「カーボンサイクル素材産業モデル」構築を開始
配信日時: 2024-09-18 10:00:00
~山形県酒田・庄内エリア、宮城県石巻・岩沼エリアでの実装を目指す~
株式会社日本総合研究所(本社: 東京都品川区、代表取締役社長: 谷崎勝教、以下「日本総研」)、国立大学法人京都大学(所在地: 京都府京都市、総長: 湊長博、以下「京都大学」)、京大オリジナル株式会社(本社: 京都府京都市、代表取締役社長: 三輪誠司、以下「京大オリジナル」)は、共同で推進しているカーボンサイクルイノベーションコンソーシアム(注1/以下「本コンソーシアム」)」の2024年度の活動として、山形県酒田・庄内エリアおよび宮城県石巻・岩沼エリアにおいて、地産地消による「バイオマスおよびCO2を炭素源としたカーボンサイクル素材産業モデル」(以下「本モデル」)を構築するための検討を開始します。
また、将来的に本モデルを日本各地の農林水産業地帯でも展開させることを目的に、本モデルのプロセスの設計や需要創出に向けたCO2削減価値のルール設計なども行います。
■背景および目的
カーボンニュートラルの実現を目指す中で、CO2の主要な発生源である石油への依存脱却が求められるようになりました。今後はガソリンなどの生産量の減少が見込まれますが、それはそれらを製造する際の連産品であるナフサの生産量が減少することも意味します。そうなると、ナフサを原料とするプラスチック、合成繊維、合成ゴム、合成肥料といった、生活に欠かせない石油素材の生産力低下も避けられません。
そこで注目されるのが、バイオマスやCO2を原料として、石油素材を代替する「カーボンサイクル素材」を作る技術です。本モデルでは、この技術を核に、農林水産業から生じるバイオマスのほか、バイオマス発電所や製紙工場などから少量ずつ分散して排出されるCO2を資源としてカーボンサイクル素材をつくり出す産業エコシステムの創出を図ります。本コンソーシアムは、本モデルを活用することで、地域内でCO2を循環利用する「炭素循環(カーボンサイクル)」の実現を目指します。
2024年度は、「バイオマスの供給源となる農林水産業」および「バイオマスやCO2の供給源かつ素材変換を担う素材産業」の連携が期待できる地域として、山形県酒田・庄内エリアと宮城県石巻・岩沼エリア(以下「検討エリア」)を対象とし、本モデルの開発を進めます。
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/68011/91/68011-91-6ae2727a704c1f79904bb518c2a3ce7b-1087x573.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
■2024年度の活動内容
検討エリアにおいて、地産地消による本モデルの構築について検討を行います。また、この検討で得られた知見を基に、他の地域で本モデルを展開する際に必要なプロセス設計や政策提言を行います。
(1)特定地域におけるカーボンサイクル素材産業の体制構築・事業性検討
検討エリアにおいて、産業特性や気候特性に応じたカーボンサイクル素材産業全体のサプライチェーンを設計します。併せて、バイオマス・CO2の質・量を担保し、価格設定など炭素循環の制御機能を司るカーボンマネジメント事業を核とした、カーボンサイクル素材産業全体の事業性を検討します。また、地域内の地方公共団体・企業や技術を有する企業・研究者などによる対話の場を設け、地域ニーズの収集および解決方法やプロセスの検討を進めます。
(2)CCU技術およびバイオリファイナリー技術を組み合わせたプロセスの設計
(1)での検討成果および、本コンソーシアムが2023年度に作成した「インフラ投資に対して地域全体に生まれる社会価値の指標の定義・設計」および「CCU技術とバイオリファイナリー技術を組み合わせたプロセス設計図の概観」を踏まえ、産業特性や気候特性に応じた産業集積の在り方や必要な政策的支援を明確化します。また、産業集積の実現に必要なコア技術を特定し、京都大学の研究者と企業との共同研究体制を組成します。
(3)需要創出に向けたCO2削減価値のルール設計
CO2・バイオマス由来製品の需要を創出するため、初期需要は公共調達、中長期需要は排出量取引制度に着目して検討を行います。初期需要の創出に向けては、特定の製品を例に挙げ、公共調達で求められる、CO2・バイオマス由来製品のもたらすCO2削減価値について、具体的な算出方法とサプライチェーン上での配分ルールを、国内外の最新動向を踏まえながら(1)と連動して策定します。さらに、全国規模での公共調達や排出量取引制度への展開を見据えて、関係省庁への政策提言を行います。
■今後の展望
本コンソーシアムでは、本モデルを日本各地の農林水産業地帯に展開させるためのパイロットモデルとして、今回検討するプロセス評価の指標・シミュレーションツール、コア技術、需要創出の仕組みを用いた、検討エリアでのカーボンサイクル事業の実装を2025年度以降に行う予定です。
また、本コンソーシアムで掲げる、石油依存なき時代に向けた「バイオマスおよびCO2を炭素源としたカーボンサイクル素材産業」の必要性や排出権取引への適用などについては、昨年度(注2)に引き続き、継続的に周知拡大や政策提言に取り組んでいきます。
■本コンソーシアムの体制
〇主催
株式会社日本総合研究所
〇推進機関
国立大学法人京都大学
京大オリジナル株式会社
〇会員
<民間企業>
サミット酒田パワー株式会社(協力会員)
住友重機械工業株式会社
大日本印刷株式会社
日本製紙株式会社
株式会社本田技術研究所
株式会社三井住友銀行(協力会員)
株式会社三井住友フィナンシャルグループ(協力会員)
横河電機株式会社 ほか
<地方公共団体>
山形県(協力会員)
酒田市(協力会員) ほか
■活動期間
2024年6月26日~2025年1月31日
(本期間終了後も関連活動を継続する予定です)
(注1)日本総研、京都大学、京大オリジナルは、2023年9月13日に、カーボンニュートラルの実現に向けた産官学の広範な連携体制の構築や共同研究および新規事業の創出を目的として、三者による協業活動の協定を締結しています。
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/news/2023-09-20-1
(注2)シンポジウム「CCU・バイオリファイナリーで築く石油なき時代の地域産業」を2024年3月26日に開催しました。経済産業省、京都大学、コンソーシアム会員の地方公共団体・企業とともに、本コンソーシアムで掲げる、石油依存なき時代に向けた「バイオマスおよびCO2を炭素源としたカーボンサイクル素材産業」の必要性を訴えました。
https://www.jri.co.jp/page.jsp?id=107286
以上
■本件に関するお問い合わせ先
日本総合研究所
【報道関係者様】 広報部 山口 電話: 080-7154-5017
【一般のお客様】 創発戦略センター 福山 電話: 080-4121-1870
京都大学 成長戦略本部 統括事業部 イノベーション領域 電話:075-753-7763
https://www.kyoto-u.ac.jp/ja/department/460
京大オリジナル 代表 電話:075-753-7777
https://www.kyodai-original.co.jp/
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