2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)に飲食店出店決定 完全養殖魚など多様な生物資源を活用した未来の食文化を世界に発信

プレスリリース発表元企業:近畿大学

配信日時: 2024-09-10 14:05:10







学校法人近畿大学(大阪府東大阪市)は、サントリーホールディングス株式会社(大阪府大阪市)と協業し、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)に養殖魚専門料理店「近大卒の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所 大阪・関西万博 ウォータープラザ店」を出店します。場所は、海と空に開かれたエリア「ウォータープラザ」に位置する商業棟「ウォータープラザ西棟」内です。




【本件のポイント】
●近畿大学がサントリーホールディングスと協業し、大阪・関西万博に養殖魚専門料理店を出店
●昭和45年(1970年)大阪万博の「キッコーマン水中レストラン」(近畿大学が水槽管理を担当)のオマージュとして水槽を設置し、サラブレッド魚※の「クエタマ」などを鑑賞可能
●世界に広まる養殖技術は関西発の技術であること、完全養殖魚やサラブレッド魚を活用した新しい食の可能性、多様な生物資源を活用した未来の食文化を世界に発信
※「サラブレッド魚」とは、概念を簡潔に表現するために近畿大学が創作した言葉であり、学術的には交雑魚と言われるものです。

【本件の内容】
学校法人近畿大学は、サントリーホールディングス株式会社と実施している、水産資源の維持可能な漁業の推進や、海・陸の多様な生態系の保護を目的とした共同研究をもとに、「産学連携・理念協業プロジェクト」として、大阪・関西万博に養殖魚専門料理店「近大卒の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所 大阪・関西万博 ウォータープラザ店」を出店します。「"人生で初めて食べる魚"に出会う」をコンセプトに、天然資源に頼らない近大マグロなどの完全養殖魚や、近畿大学水産研究所の店舗でしか食べることができない近畿大学オリジナルのサラブレッド魚を提供し、サステナブルな「未来の食」を提案します。
近畿大学は、昭和45年(1970年)大阪万博の「キッコーマン水中レストラン」で、当時は非常に珍しかった養殖魚を展示し、それから数十年の間に養殖技術を飛躍的に向上させました。今回の店舗には、そのオマージュとして水槽を設置しており、クエタマとその両親であるクエやタマカイ、ニホンウナギを鑑賞いただけます。さらに、映像や光・音響によって、海底をイメージした幻想的な空間を演出します。
大阪・関西万博に養殖魚専門料理店を出店することによって、いまや世界に広まる養殖技術が、大阪に本拠地を置く近畿大学発の技術であることを世界に再認識していただくとともに、近畿大学が開発した魚種を活用した新しい食の可能性を提示し、多様な生物資源を活用した未来の食文化を世界に向けて発信します。

【出店概要】
店舗名   :近大卒の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所
       大阪・関西万博 ウォータープラザ店
営業期間  :令和7年(2025年)4月13日(日)~10月13日(月)予定
場所    :ウォータープラザ西棟内 2階
営業時間  :10:00~21:00予定
席数    :約110席
店舗面積  :約300㎡
店舗経営管理:株式会社アーマリン近大
店舗運営  :株式会社ダイナック

【サラブレッド魚】
近畿大学の技術力によって作られた、2種類の魚を掛け合わせてそれぞれの長所を利用した魚種。
サラブレッド魚とは、概念を簡潔に表現するために近畿大学が創作した言葉であり、学術的には交雑魚と言われるものです。

【クエタマ】
平成23年(2011年)に近畿大学が日本で初めて作出に成功した、クエとタマカイを掛け合わせた魚種です。"幻の高級魚"といわれるが成長が遅く、出荷までに時間を要するクエを、成長の早い南方系のハタ科魚類であるタマカイと掛け合わせることで、クエのような淡白で上品な味わいでありながら成長が早く、養殖効率がよいため、新しい養殖対象魚種として注目されています。

【ブリヒラ】
昭和45年(1970年)に近畿大学が世界で初めて作出に成功した、ブリとヒラマサを掛け合わせた魚種です。脂のりがよく旨味が強いが身が柔らかいブリと、コリコリとした食感が楽しめ、脂身が少なく淡白な味わいのヒラマサを掛け合わせることで、ブリのうまみとヒラマサの歯ごたえ、美しさを兼ね備えています。

【キンダイ】
昭和44年(1969年)に近畿大学が世界で初めて作出に成功した、イシダイとイシガキダイを掛け合わせた魚種です。約3年で成熟し繁殖力が強く卵を大量に産むイシダイと、成熟に6年以上を要し産卵量も少ないが、商品サイズになるまでの成長が早いイシガキダイを掛け合わせることで、それぞれのよいところを兼ね備え、食感がよく、味にも優れています。

【日本国際博覧会と近畿大学の養殖技術】
近畿大学は、昭和45年(1970年)の大阪万博において、「キッコーマン水中レストラン」の店内に設置された水槽に、当時では非常に珍しかったマダイやハマチなどの人工種苗による養殖魚を展示しました。特にマダイは、近畿大学水産研究所では昭和39年(1964年)に人工ふ化に成功し、万博で未来の技術として紹介されました。マダイの養殖生産は万博が実施された昭和45年(1970年)頃から増加しはじめ、近畿大学水産研究所は成長が早いマダイの育種に成功するなどして、国内のマダイ養殖の普及に貢献してきました。その後の数十年で養殖技術を飛躍的に向上させ、現在では日本で流通する養殖マダイの多くが近畿大学に由来を持つとも言われています。さらに、平成14年(2002年)には世界初のクロマグロの完全養殖にも成功するなど、水産養殖のパイオニアとして天然資源に依存しない持続可能な養殖技術を確立し、環境保護と食糧供給の両面で社会に大きく貢献しています。

【養殖魚専門料理店「近大卒の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所」】
近畿大学と近畿大学発ベンチャー企業の株式会社アーマリン近大が、平成25年(2013年)に大阪梅田と東京銀座に養殖魚専門料理店「近大卒の魚と紀州の恵み 近畿大学水産研究所」を出店しました。32年もの年月をかけて世界で初めて完全養殖に成功した「近大マグロ」など、近畿大学産の養殖魚が味わえる店として話題になっています。また、令和2年(2020年)には東京駅グランスタ東京に、近畿大学が稚魚まで育て、その後各地の業者が育成した養殖魚を提供する店舗も出店しました。これまでに、3店舗累計で190万人以上の方に来店いただいています。
大学が養殖魚の専門料理店を開店するに至ったのには、「養殖魚の価値の転換」という大きな目標がありました。天然魚ばかりが重視される飲食業界において、徹底した品質管理によって安心・安全で美味しく、さらに持続可能な養殖魚を前面に打ち出した飲食店は珍しく、この店が話題になることで養殖魚の価値が見直されてきました。



【店舗イメージ】
※添付画像参照

【関連リンク】
水産研究所
https://www.kindai.ac.jp/rd/research-center/aqua-research/

▼本件に関する問い合わせ先
広報室
住所:〒577-8502 大阪府東大阪市小若江3-4-1
TEL:06‐4307‐3007
FAX:06‐6727‐5288
メール:koho@kindai.ac.jp


【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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