エリテックがASCOでGRASPA®の第III相(ALL)の完全な結果を報告し、第IIb相(AML)の最新情報を提供

プレスリリース発表元企業:ERYTECH Pharma

配信日時: 2015-06-04 16:39:00

エリテックがASCOでGRASPA®の第III相(ALL)の完全な結果を報告し、第IIb相(AML)の最新情報を提供

エリテックがASCOでGRASPA®の第III相(ALL)の完全な結果を報告し、第IIb相(AML)の最新情報を提供

(仏リヨン)- (ビジネスワイヤ) -- 急性白血病および医療ニーズが満たされていないその他の腫瘍適応症を対象に革新的な「腫瘍飢餓化」治療薬の開発に当たっているフランスのバイオ製薬企業エリテック(Paris:ERYP)(ADR:EYRYY)(Euronext Paris - ERYP; OTC US – EYRYY)は、第51回米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次大会で、急性リンパ芽球性白血病(ALL)を対象とするGRASPA®のピボタルプログラムの第III相の完全な結果を報告し、急性骨髄性白血病(AML)を対象に進行中の第IIb相試験のデザインを発表しました。またエリテックは治験責任医師会議で、その他の開発プログラムについて進行状況と計画を発表しました。

ALLを対象とする第III相試験の結果

5月30日(土曜)に満員のエリー・クラウン・シアター(4250席)における全体会議で、フランス・リヨンの小児血液学・腫瘍学研究所教授で腫瘍医のイブ・バートランド医師が、GRASPIVOTALL試験の第III相の完全な結果を発表しました。

バートランド教授の発表には次の表題がつけられていました:

「再発性急性リンパ芽球性白血病(ALL)患者での第III相ランダム化試験でCOOPRALLレジメンと併用したERY001(赤血球封入L-アスパラギナーゼ)および天然型L-アスパラギナーゼ(L-ASP)の臨床作用」(Clinical activity of ERY001 (erythrocyte encapsulated l-asparaginase) and native l-asparaginase (L-ASP) in combination with COOPRALL regimen in Phase III randomized trial in patients with relapsed acute lymphoblastic leukemia (ALL))

GRASPIVOTALL試験は、再発性または難治性のALLを患った小児および成人でGRASPA®(開発名:ERY001)を天然型L-アスパラギナーゼ(L-ASP)と比較する第II/III相多施設ランダム化対照試験です。肯定的なトップラインデータが昨年末に利用可能となり、本試験が2件の主要評価項目のいずれも達成したことを示しました。

バートランド教授が発表した試験の主要な結論は次の通りです。

化学療法と併用したGRASPAは持続的なアスパラギナーゼ活性を示し、同活性はALL患者の治療でL-ASPより優れたものでした。100 IU/lを上回るアスパラギナーゼ活性の持続期間はGRASPA群が20.5日、L-ASP対照群が9.4日でした(p<0.001)。 L-ASPとの比較でGRASPAは過敏症反応のリスクが有意に低いことを示しました。いずれかのグレードの過敏症反応が観察された患者はGRASPA治療群で皆無、L-ASP投与対照群で46%でした(p<0.001)。 アスパラギナーゼ活性の持続は完全寛解(CR)率の改善を伴いました。導入相後にCRを達成した患者の割合はGRASPA治療群が65%、対照群が39%でした(p=0.026)。 治療への忍容性は全般的に良好で、凝固障害(35%対82%1)、すい臓毒性(27%対50%1)、肝毒性(19%対43%1)などの主要なイベントのリスクは対照群より低いものでした。 GRASPAの良好な有効性・安全性プロファイルは、大腸菌由来アスパラギナーゼ製剤に対する過敏症を過去に経験している患者を含め、アスパラギナーゼ療法を受けた患者にとって、有効な代替選択肢を提供します。 全体会議は、指名された討論参加者がGRASPAを「前進」と結論付けて申し分のない形で締めくくられました。とりわけ討論参加者の役割は、オンコロジーコミュニティーに対し、研究や問題対処の方法、発表された結果、検討された論文がこの分野で新たな展望をもたらす可能性について、建設的な批判を提供することです。 発表内容はASCOのウェブサイト(http://am.asco.org)で閲覧可能となります。

AMLを対象とする第IIb相試験の最新情報

5月31日(日曜)に Hospital Lyon Southのザビエル・トーマス血液腫瘍科医が、急性骨髄性白血病を対象に進行中の第IIb相試験のデザインにつき、次の表題でポスター発表を行いました。

「GRASPA-AML 2012-01試験:急性骨髄性白血病(AML)との新規診断を受け集中化学療法に適さない高齢患者の治療でERY001(赤血球に封入したL-アスパラギナーゼ)および低用量シタラビンの併用療法と低用量シタラビンの単剤療法を比較評価する多施設ランダム化非盲検第2b相試験」(GRASPA-AML 2012-01 study: A multicenter, open, randomized Phase 2b trial evaluating ERY001 (L-asparaginase encapsulated in red blood cells) plus low-dose cytarabine vs low-dose cytarabine alone, in treatment with newly diagnosed acute myeloid leukemia (AML) elderly patients, unfit for intensive chemotherapy)

ポスター発表の内容は当社ウェブサイトで閲覧可能となっています。

GRASPA-AML試験は2013年中頃に開始しました。現時点で、試験に組み入れ予定の患者123人の4分の3近くが治療を受けました。データ安全性モニタリング委員会(DSMB)が、患者30人を対象に1回、60人を対象に1回の計2回の評価を実施しました。当初は患者60人がイベント(疾患進行または死亡)を1件経験した時点で、無益性解析としての3回目 のDSMB評価を実施する計画でした。最近、予想よりも遅く60件のイベントに達しました。試験の患者募集がかなり進んだ段階にあるため、また試験の最終解析のために統計的検出力を保つ(「α-消費」を制限する)ため、無益性解析は実施しないことを決定しました。無益性試験は一般的に試験の早期段階で、患者とスポンサー費用に対する不必要な負担を防ぐために実施します。安全性データの評価は引き続き予定されていて、結果は2015年第3四半期末に向けて得られる見込みです。試験への完全な患者組み入れは今年末までに行われる見込みです。

その他のプログラムの最新情報

エリテックが5月31日に催した治験責任医師会議で、当社と5人の著名なキーオピニオンリーダーが、アスパラギナーゼ製品の使用について、また血液腫瘍と固形腫瘍の両方で進行中のGRASPAのプログラムについて、最新情報を提供しました。

セントジュード小児研究病院(メンフィス)のChing-Hon Pui医師(MD)は、小児ALLでのアスパラギナーゼ使用に関する経験の概要を発表しました。同医師はALLを患った小児の予後改善におけるアスパラギナーゼの寄与を強調しましたが、小児再発患者や高リスク患者など、より虚弱な患者集団を対象とできるように安全性を高めた製剤の必要性も指摘しました。

続いてシカゴ大学教授のラーソン医師(MD、PhD)が、小児科から着想を得たレジメンに基づいて成人用プロトコルにアスパラギナーゼを導入した方法について、発表しました。教授は計画された投与量(25週以上)の完了がいかに重要であるか、またアスパラギナーゼ関連毒性を含む多くの理由で治療を完了しなかった患者との比較で、アスパラギナーゼ活性の持続的作用が生存率転帰といかに関連していたかを説明しました。

IHOP(リヨン)のイブ・バートランド医師(MD、PhD)は、前日のASCO会議の口頭発表で教授が発表した第III相の結果を含め、ALLを対象にGRASPAでこれまでに得られた臨床証拠のハイライトを発表しました。

MDアンダーソンがんセンター(米国ヒューストン)のフィル・ロレンツィ医師(PhD、MD)は、L-アスパラギナーゼに関して最近実施され、固形腫瘍での有効性探索と予後予測バイオマーカーとしてのASNSの使用を支持する研究の概要を発表しました。

続いてHospital Bichat-Beaujon(パリ)の腫瘍医であるパスカル・ハンメル教授が、すい臓がんを対象に進行中のERY-ASP2の第II相試験について発表しました。

その後、エリテックが現時点での他のGRASPA開発プログラム、特にAMLを対象とする第IIb相試験と、非ホジキンリンパ腫を対象とする第II相試験およびERY-MET(赤血球封入メチオニナーゼ)の第I相試験の準備について、概要を述べました。

ASCOについて

米国臨床腫瘍学会(ASCO)は専門の腫瘍学会として、研究・教育、予防、ハイクオリティーの患者ケアの提供を通じて、がん克服に真剣な努力を傾けています。ASCOの年次大会は、臨床腫瘍学のイベントとして世界最大の規模を誇り、がん治療の分野における最新の成果に関心を持つ専門家3万人以上が集います。

エリテックおよびERY-ASP/GRASPA®について:www.erytech.com

2004年にリヨンで創設されたエリテックはがん患者、特に急性白血病や一部の固形腫瘍の患者に新たな展望を提供するフランスのバイオ製薬企業です。

エリテックは酵素のアスパラギナーゼを赤血球に封入することでERY-ASP/GRASPA®を開発しました。ERY-ASP/GRASPA®は、「腫瘍飢餓化」を通じてがん細胞を標的化すると同時に、患者に対する副作用を大幅に低減するオリジナル性を持つ治療薬です。ERY-ASP/GRASPA®については欧州で、急性リンパ芽性白血病(ALL)を対象とする第III相臨床試験の良好なデータを最近発表しており、急性骨髄性白血病(AML)を対象とする第IIb相臨床試験が進行中です。また本製品は米国でALLを対象とした第I/II相臨床開発が進行中です。

毎年、約5万人の患者が、急性白血病の主要な2形態である急性リンパ芽性白血病(ALL)または急性骨髄性白血病(AML)と診断されています。現在、これら患者の約80%、主として成人および再発患者に対しては、既存のアスパラギナーゼ製剤はその毒性が原因で使用できません。安全性プロファイルが改善されると思われるERY-ASP/GRASPA®は、最も虚弱な患者を含むすべての白血病患者が治療を受けられるよう、開発が進められています。これは10億ユーロを上回る市場機会に相当します。

また、エリテックは固形腫瘍の分野における他の適応症と、オンコロジー以外の希少疾患としての一定の適応症についても、開発も進めています。エリテックは現在、すい臓がんを対象とする第II相試験を進めており、ERY-ASPで他の固形腫瘍適応症を追求しています。

エリテックは欧州と米国の両方で、ALL、AML、すい臓がんにつきERY-ASP/GRASPA®の希少薬指定を受けており、またリヨン(フランス)にGMP認証済みで稼働可能な自前の製造施設、フィラデルフィア(米国)に治験薬製造用施設を擁しています。

エリテックはライセンス・販売提携契約を欧州でALLとAMLを対象にオーファン・ヨーロッパ(レコルダーティ・グループ)と、イスラエルでALLを対象にテバと結んでいます。

エリテックはパリのユーロネクスト規制市場に上場しており(ISINコード:FR0011471135、ティッカー:ERYP)、CAC Healthcare、CAC Pharm & Bio、CAC Mid & Small、CAC All Tradable、EnterNext PEA-PME 150、Next Biotechの各指数の構成銘柄となっています。またエリテックの株式は、ADRレベル1プログラムの下、米国市場で売買されています(OTC、ティッカー:EYRYY)。

将来見通しに関する情報

本リリースはエリテックの財務状況・業績・戦略・プロジェクトや、当社および当社が事業を展開する市場について予想される将来の業績および動向に関し、将来見通しに関する記述や推定を含む可能性があります。これら記述・予想・推定の一部は「考える」「予想する」「期待する」「意図する」「計画する」「目指す」「推定する」「可能性がある」「予定する」「継続する」および類似の表現の使用により識別できますが、これらに限定されません。これら記述には過去の事実ではない事柄がすべて含まれます。それら記述・予想・推定は既知・未知のリスク、不確実性、その他要因のさまざまな仮定と評価に基づいていますが、それら仮定・評価はその時点で妥当とみなされたものでも、結果的に正しかったと判明する場合としない場合があります。実際の出来事は予測することが困難で、当社のコントロールが及ばない要因に依存する場合があります。当社のパイプライン製品について、規制当局から必要な承認を取得する保証、同製品が商業的に成功する保証はありません。従ってエリテックの実際の結果、財務状況、成績・成果、あるいは業界の実績は、それら記述・予想・推定で明示ないし暗示された将来のどのような結果・成績・成果とも大きく異なる場合があります。エリテック・ファーマがフランス金融市場庁(www.amf-france.org)に提出した書類は当社ウェブサイト(www.erytech.com)でも閲覧可能ですが、それらのリスクや不確実性について説明が記されています。これらの不確実性を考慮し、将来見通しに関する記述・予想・推定について、正確さと公平さに関する表明は行いません。また将来見通しに関する記述・予想・推定は、本リリースの発表時点におけるものです。読者はこれらのいかなる将来見通しに関する記述についても、過度の信頼を寄せないよう、注意が必要です。フランスの法律で要求されている場合を除き、エリテックはこれら将来見通しに関する記述・予想・推定のいずれについても、それらに関する当社の予想内容のいかなる変更であれ、またはそれら記述・予想・推定の根拠となる出来事・状況・環境のいかなる変化であれ、これらを反映する目的でこれら将来見通しに関する記述・予想・推定を更新する一切の義務を否定します。

1 導入相で薬剤関連イベントを1件以上経験した患者のパーセンテージ
2ERY-ASPは急性白血病の分野以外および欧州以外でのGRASPAのコード名です。ブランド名GRASPA®は欧州における急性白血病への使用につき、エリテックの欧州での商業パートナーであるオーファン・ヨーロッパ(レコルダーティ)にライセンスされています。

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