パーソナルモビリティの最高速度引上げに向けた保安要員代替手段の安全性検証事業を実施します。

プレスリリース発表元企業:つくばまちなかデザイン株式会社

配信日時: 2024-08-20 12:00:00

内閣府地方創生推進事務局が公募を実施した「先端的サービスの開発・構築及び規制・制度改革に関する調査事業(スーパーシティ・デジタル田園健康特区対象)」に採択されました。



 2020年よりつくば市は「つくばスーパーサイエンスシティ構想」においてパーソナルモビリティの最高速度を時速6kmから時速10kmへ引き上げることを提案/検討してきました。この度これらの取組を踏まえ「つくばまちなかデザイン株式会社(本社:茨城県つくば市吾妻、代表取締役:内山博文)」と「国立大学法人筑波大学(学長:永田恭介)」は、内閣府地方創生推進事務局が公募を実施した「先端的サービスの開発・構築及び規制・制度改革に関する調査事業(スーパーシティ・デジタル田園健康特区対象)」に採択された、「パーソナルモビリティの最高速度引上げに向けた保安要員の代替手段の安全性検証事業」を実施致します。
※採択情報はこちら
https://www.chisou.go.jp/tiiki/kokusentoc/supercity/supercity_240626_saitakukekka.html

1.実施の背景及び目的
つくば市は、つくばスーパーサイエンスシティ構想の中で、「必要なとき、必要な場所へあらゆる移動手段を」というスローガンを掲げ、交通移動弱者の安心、安全な移動の確保の実現や市内中心市街地の回遊性の向上を目指し、先端的移動・物流サービス「つくばモビリティ」の取組を推進しています。
つくばモビリティの取組の中で、つくば駅周辺から筑波大学キャンパス周辺までのエリアを、パーソナルモビリティや自動運転バス等の次世代モビリティが街にあふれる「科学技術が日常に溶け込み、イノベーションが生み出されるエリア」である「スマートモビリティエリア」と定義し、複数のプロジェクトを先行的に実施しています。
一方で、パーソナルモビリティの本格導入に向けては、道路交通法施行規則において、移動用小型車、原動機を用いる身体障害者用の車等の人の移動を支援する機体(以下「パーソナルモビリティ」という。)の基準として、「6km毎時を超える速度を出すことができないこと」とされていますが、時速6kmでは低速であることから、日常のまちなかでの移動手段として利便性が低いことや、自動車から徒歩やパーソナルモビリティへの転換を目指すうえでは大きな障壁があると考えています。また、保安要員を配置すれば一定の条件下で公道での走行が可能ですが、保安要員をつける事により利便性や収益性の悪化が懸念されています。
 今回の事業では、保安要員なしでパーソナルモビリティの最高速度を時速10kmへ引き上げる規制緩和に向けた安全性の検証等を実施することにより、利便性の高いパーソナルモビリティのシェアリングサービスの実装を目指します。

2.「パーソナルモビリティの最高速度引上げに向けた保安要員の代替手段の安全性検証事業」の概要
 本検証事業は以下3つの検証/検討事項により構成されています。 
1. 保安要員の代替としての「デジタル保安要員」の構築並びに「デジタル保安要員」の機能検証に係る実証
2. デジタルツイン(PLATEAU)を活用したジオフェンシングの効率化検討
3. パーソナルモビリティシェアリングサービスのサービス実装に向けた実証調査
事業の実施体制としては、「つくばまちなかデザイン株式会社」「国立大学法人筑波大学」の他に「国立研究開発法人産業技術総合研究所」 「ヤマハ発動機株式会社」「株式会社KINTONE」にて事業実施を計画しております。

3.各検証/検討事項の詳細
1. 「デジタル保安要員」の構築並びにデジタル保安要員の機能検証に係る実証に関して。
<検証事項>
A) GNSS等を活用して取得する位置情報による速度抑制・注意喚起(ジオフェンシング)機能の検証
B) LiDAR等を活用して取得する前方の歩行者等の接近情報による速度抑制・注意喚起機能の検証
<実施事業者>
 「国立大学法人筑波大学」「つくばまちなかデザイン株式会社」「ヤマハ発動機株式会社」「株式会社KINTONE」

2. デジタルツイン(PLATEAU)を活用したジオフェンシングの効率化検討に関して
<実施事項>
・速度抑制エリアの設定に関して、3次元都市モデル「PLATEAU」の活用を検討
・速度抑制エリアをPC画面上等の簡易な手段/方法で設定できるシステムの検討/開発
<実施事業者>
「国立大学法人筑波大学」「つくばまちなかデザイン株式会社」「国立研究開発法人産業技術総合研究所」

3. パーソナルモビリティシェアリングサービスのサービス実装に向けた実証調査に関して
<実施事項>
・被験者に、保安要員を伴った状態での時速10km条件と、通常の時速6km条件での移動負荷及び受容性(満足度)を実際のシェアリングサービスのサービス実施エリアで実走
・移動負荷の軽減具合や最高速度の受容性を実走後の被験者へアンケートやヒアリングを行い分析検証
<実施事業者>
「国立大学法人筑波大学」「つくばまちなかデザイン株式会社」

4.社会実装へ向けたスケジュールイメージ
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/80773/22/80773-22-435874431fa1357ea32c30c77bf5b66d-773x389.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
(つくば市によるパーソナルモビリティシェアリングサービス「つくモビ」実証を含む)


5.各団体の本事業における役割と本事業との関連性など

「つくばまちなかデザイン株式会社」
・本事業における役割:事業調整全般、実証実験運営
・本事業との関連性:
 つくばまちなかデザイン株式会社は、令和3年4月1日につくば市と地元企業が共同出資して設立した、つくばの中心市街地のにぎわいを創出し、ここにしかない魅力あるまちに変えることを目指す、まちづくり会社である。令和4年から楽天グループ株式会社及び三菱電機株式会社と協業でつくば市街地区域でのロボット配送サービスを実施し、サービス拠点の運営(配送サービスの運営、ロボットの管理・保管、近接監視者の配置、配送元・配送先の拡大対応など)を行った。令和6年2月からはつくば市街地でのパーソナルモビリティシェアリングサービス(つくモビ)をつくばスマートシティ協議会、関彰商事株式会社と協業で実施し、モビリティの貸出サービス拠点の設置及び運営、社会受容性の喚起に資する広報活動、実証実験の実施全般、持続可能なサービス構築に向けた検討、事業実績報告書の作成などを行っている。

「国立大学法人筑波大学」
・本事業における役割:実証統括、デジタル保安要員構築
・本事業との関連性:
 自律ロボットの高度な動作の実現、屋内・屋外の実環境中の自律ナビゲーションに関して30年以上の研究実績があり、世界的にも主導的な役割を果たしてきた。また、今回の実施責任者(筑波大学システム情報系 鈴木健嗣教授)は新たな搭乗型モビリティに関する先進的な研究を行っており、つくばスマートシティ協議会のモビリティ分科会のリーダーを務めている。

「国立研究開発法人産業技術総合研究所」
・本事業における役割:プラトー等三次元データのジオフェンシングへの活用に向けた技術開発
・本事業との関連性:
自律ロボットの高度な動作の実現、屋内・屋外の実環境中の自律ナビゲーションに関して世界最先端の研究実績がある。本事業では、現実空間で発生する多種多様かつ膨大な地理空間情報を扱うデジタルアーキテクチャ研究センター地理空間サービス研究チームらが参画し、本プロジェクトの実施に十分な実績と専門知識がある。

「ヤマハ発動機株式会社」
・本事業における役割:機体提供・デジタル保安要員構築
・本事業との関連性:
 ヤマハ発動機は、パワートレイン技術、車体艇体技術、制御技術、生産技術を核とし、二輪車や四輪バギー、電動アシスト自転車などのランドモビリティ事業、ボート、船外機等のマリン事業、サーフェスマウンターやドローンなどのロボティクス事業、さらには、ファイナンス事業など多軸に事業を展開、世界30ヶ国・地域のグループ140社を通じた開発・生産・販売活動を行い、企業目的である「感動創造企業」の実現に取り組んでいる。今や、当社製品は 180 を超える国・地域のお客さまに提供され、連結売上高の約 9 割を海外で占めるに至っている。

「株式会社KINTONE」
・本事業における役割:機体提供・デジタル保安要員構築
・本事業との関連性:
 2015年より小型電動モビリティの販売を開始、小型電動モビリティの開発製造、修理などに豊富な知識を持つ。海外メーカーとの繋がりも多く、様々な機体調達も可能。本事業においては、機体の調達と調整を行い、スムーズなプロジェクトの遂行のために適切な協力とサポートを提供する。

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