AI視覚支援手術、国内で初めて*実施

プレスリリース発表元企業:アナウト株式会社

配信日時: 2024-07-29 19:45:26



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左:オリジナルの手術画像 右:「Eureka α」によるリアルタイム解析画像(疎性結合組織を水色で強調表示)

AI視覚支援手術、国内で初めて*実施

 人工知能技術を用いて人体のあらゆる重要臓器を視覚化する手術支援ソフトウェアを開発するアナウト株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 小林直)は、手術中リアルタイムに疎性結合組織の位置や領域を推定し、強調表示することで医師の視覚支援を行う手術用画像認識支援プログラム(販売名:外科手術視覚支援プログラムEureka α (以下、「Eureka α(ユーリカアルファ)」)について、2024年7月上旬、兵庫医科大学病院および国家公務員共済組合連合会 虎の門病院にて使用され、国内で初めて*AI視覚支援下での手術が無事に実施されましたことをご報告申し上げます。
 術後には手術を担当したエキスパートの医師からEureka αの使用感や臨床現場にもたらしうる効果についてフィードバックをいただき、幅広い認識支援や外科医人材育成への貢献可能性について言及いただいております。
 Eureka αは2024年4月12日に厚生労働省より製造販売承認**を受けており、当使用を踏まえ、アナウト株式会社は7月17日より、Eureka αの販売を開始しております。

(*) 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)が公開する令和5年度までに承認されたの品目一覧及び令和6年度の承認医療機器を当社が確認する限りの情報に基づく(2024年7月18日時点)
(**) 承認番号:30600BZX00061000

■「Eureka α」について
「Eureka α」は、手術用の内視鏡システムや手術支援ロボットから受けた映像信号を解析し、術者が通常確認するモニターとは異なるサブモニター上に疎性結合組織をリアルタイムに強調表示することで外科医の視覚認識を支援するプログラム医療機器です。疎性結合組織とは、臓器と臓器の間に存在する繊維状の構造物であり、がん等の手術における切除ラインの目印となる重要な構造物です。熟練医は、適切な緊張をかけることにより、疎性結合組織を露出しながら手術を進めます。この、疎性結合組織を露出し、剥離していく手技は世界で共通していますが、日本において特に発展しており、Eureka αは繊細な手術を行う日本だからこそ開発できた技術ということが出来ます。

■臨床使用を行ったエキスパート外科医からのコメント
臨床使用を行った胃がん・大腸がん各領域のエキスパートからは、Eureka αが術者を支援するのに十分な精度を達成していること、また外科現場において術者の視覚・認識を強く補完し、外科医の教育にも有用である、手術室内の外科医の強いパートナーとなりうることを言及いただきました。

兵庫医科大学病院 上部消化管外科 篠原尚先生(解剖および胃がん手術エキスパート)
- 術中の使用感についてお聞かせください。
「解析精度は全く問題ないし、(映像の)タイムラグも感じなかった、素晴らしい。手技の邪魔になることもないため、AI画像を見ながら問題なく手術ができるだろう。」

- Eureka αが手術に活用されることにより、今後どのような効果が臨床現場にもたらされると考えますか?
「人間は自分が認識できるものしか見ようとしないが、AIは全てを見せる。見えているけれど、認識できていなかったものを、見せてくれる。これは手術が上達する過程においてとても役に立つ。若い先生たちが早く上手になれば、手術がより安全になる。」

- 今後の製品に関する期待をお聞かせください。
「教育用Surgical Vision EUREKA***に搭載されている、神経と膵臓のAI解析機能や3D出力機能が薬事承認されれば、更に価値が高まるだろう。」

(***)アナウト株式会社が製造・販売する教育用の手術動画解析ソフトウェア

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/63564/5/63564-5-47843de6a88e57dc9fac3d0c2e5eb5cb-2731x1553.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
兵庫医科大学病院におけるEureka α の使用風景。右モニターに表示された水色の疎性結合組織を時折確認しながら、手術を実施している。


国家公務員共済組合連合会 虎の門病院 下部消化器外科 黒柳洋弥先生(大腸がん手術エキスパート)
- 術中の使用感についてお聞かせください。
「Eureka αを終始、参照しながら手術をした。正しく剥離層(結合組織)を認識していた。実際の手術は剥離層だけを見るわけではないが、少なくとも水色(疎性結合組織のAI認識)がきれいに出ているときは、手術がスムーズに進んでいるときであった。」

- Eureka αが手術に活用されることにより、今後どのような効果が臨床現場にもたらされると考えますか?
「AIの強みは疲れない、記憶に際限がないということ。私が30年以上かけてやったことをEUREKAはあっという間に実現するだろう。見えているものが何なのかを理解する、という私が大事にしている外科手術のコンセプトをEUREKAは体現している。私の理解が進化していったように、EUREKAも日々進化していくでしょう。」

- 今後の製品に関する期待をお聞かせください。
「カーナビに例えると、Eureka αは今、道路を示してくれている。基本的だが、道路が分かることが最も重要。ここに建物や信号(つまり温存臓器や正しい剥離層を示す機能)が加わることで、ナビゲーションとして、より実臨床で有用になる。」
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/63564/5/63564-5-a950752e17e5517e22ed00fbce9c6783-3900x3120.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
虎の門病院におけるEureka α の使用風景。左モニターに水色で表示された疎性結合組織を指さしながら、指導を行っている。


今後もアナウト株式会社は、外科医のパートナーとして、人体の正確な認識と理解に根ざした進歩的な外科手術の姿を実現するために、外科医からのフィードバックを反映し、先進的な開発を継続します。

■製品情報
一般的名称 : 手術用画像認識支援プログラム(新設)
販売名: 外科手術視覚支援プログラム Eureka α
承認番号:30600BZX00061000
発売日:2024 年 7 月 17 日
製品仕様:ver.1.0.0  価格:オープン価格

製品や販売に関する詳しい情報は、sales-marketing@anaut-surg.com までご連絡いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

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「Eureka α」の製品イメージ


■アナウト(Anaut)株式会社について
“A nautical mission in the ocean of anatomy” (人体という大海原における探索的なミッションを継続する)という思いを込めて、アナウト株式会社は外科医複数名、エンジニア、事業のエキスパートにより2020年7月に設立されました。これまで20以上の高度医療機関と共同研究を実施、人工知能技術を始めとする工学技術と人体を深く理解しながら患者を救う外科医療を融合し、「Eureka」、つまり”発見”を意味する革新的なプロダクトを生み出しました。今後も着実にそして真摯に、外科医療における本質と課題を学び、外科医の伴走者としてともに世界の患者を救うためのサービスを提供していくことを目指しています。
会社HP:https://anaut-surg.com/

◆お問い合わせ先
「Eureka α」に関するお問い合わせ
アナウト株式会社 セールス&マーケティング部
担当:玉谷
sales-marketing@anaut-surg.com

企業概要及び採用に関するお問い合わせ
アナウト株式会社 事業開発部
担当:細見
info@anaut-surg.com

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