ispace EUROPE、欧州初&欧州発の月面探査用マイクロローバー組立完成

プレスリリース発表元企業:株式会社ispace

配信日時: 2024-07-25 18:04:41

「TENACIOUS (テネシアス)」と名付けられたローバーはRESILIENCEランダーと共にミッション2に挑む



 株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)は、本日、欧州法人であるispace EUROPE S.A. (以下ispace EUROPE)が、拠点を置くルクセンブルクで初めて独自に設計および製造を行った、マイクロローバー(小型月面探査車)のフライトモデルの組立てが完了したことを発表しました。マイクロローバーは、この後、ルクセンブルクより日本へ輸送され、2024年冬の打ち上げに向けて「HAKUTO-R」ミッション2 RESILIECEランダー(月着陸船)に搭載されます。
 本マイクロローバーの組立完成は、ispace EUROPE CEOのJulien-Alexandre Lamamy、ispace CROの斉木敦史に加え、ルクセンブルグ大公国のデレス 経済・中小企業・エネルギー・観光大臣、在ルクセンブルク日本国大使館 松原正浩特命全権大使およびルクセンブルク宇宙機関のマチアス・リンク副CEOをゲストに迎え、本日、ルクセンブルクのispace EUROPEオフィスにて公式に発表されました。
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組立が完成したフライトモデルのマイクロローバーTENACIOUS(テネシアス)

 なお本マイクロローバーは、欧州宇宙機関との、ルクセンブルクの宇宙資源の産業化を積極的に推進し、宇宙資源の探査と活用を目指す宇宙プログラム(LuxIMPULSE)の契約を通じて、ルクセンブルク宇宙機関の共同出資により設計、製造および組立が行われました。


マイクロローバーの名称は「TENACIOUS(テネシアス)」
 ミッション2において、RESILIENCEランダーのペイロードベイに格納されて打ち上げられるマイクロローバーは、月面着陸後に展開機構を用いて月面へ着地し、自走して月面探査に挑みます。ispaceは、このミッションに挑戦するマイクロローバーを「TENACIOUS(テネシアス)」と命名しました。「粘り強さ」を意味する「TENACIOUS(テネシアス)」は、ミッション2のカギとなるローバーを独自に設計、製造したispace EUROPEチームのこれまでの弛まぬ努力と、およそ5kgと小型でありながら月面探査という壮大なミッションに挑むため、諦めることなく努力を続ける決意を体現しています。
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■ ispace EUROPE CEO, Julien-Alexandre Lamamy コメント
 「TENACIOUS(テネシアス)は、これから画期的なマイルストーンを達成することに挑む小型マイクロローバーの精神を見事に表現している名前です。欧州で製造した最初のマイクロローバーであり、2017年にルクセンブルクで施行された宇宙資源法に基づき、欧州の顧客を月面に運び、宇宙資源の採集をする、最初のマイクロローバーになると思います。

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ルクセンブルクのispace EUROPEで初公開されたTENACIOUS(テネシアス)ローバー

 TENACIOUS(テネシアス)は、高さ26cm、幅31.5cm、全長54cm、重さは約5kgです。軽量かつロケットの打ち上げ等の振動に耐える頑丈性を実現するため、躯体にはCFRP(炭素繊維複合材)を採用しています。ローバー前方にはHDカメラが搭載されており、月面上での撮影が可能です。また、特殊な月面のレゴリス環境でも安定した走行が出来るよう、車輪の形状が工夫されています。月面に着陸したローバーへのコマンドやデータの送受信は、ランダー経由でルクセンブルクのミッションコントロールルーム (管制室)と行われます。


■ ルクセンブルク大公国 デレス経済・中小企業・エネルギー・観光大臣 コメント
 「私たちは、地上と宇宙の産業が高度に統合し、新たな市場を創出することを目指し、これまで関連企業や国際的なパートナーとの協力関係構築のため、継続的に努力を続けてきました。ispaceとのコラボレーションはこれを象徴する素晴らしい具体例です。ルクセンブルクで初めて開発し、組立てを完成させたispace のマイクロローバーは、ルクセンブルクを宇宙資源探査と利用のパイオニアとして確立するために大きく貢献しました。」



■ ルクセンブルク宇宙機関のマチアス・リンク副CEOコメント
 「ispaceは、ルクセンブルク政府の宇宙資源開発の商業化を支援するSpaceResources.luイニシアチブとの協力協定に基づき設立された、最初の企業のひとつであり、ispaceとルクセンブルクのビジョンは、常に一致しています。私たちは、ルクセンブルク、日本、米国間の実りある国際協力を可能にしたこの度の業績について、チーム全員を祝福したいと思います。」


■ 在ルクセンブルク日本国大使館 松原正浩特命全権大使 コメント
 「本日、ルクセンブルクの地で、日本の宇宙スタートアップ企業であるispaceがヨーロッパで初めて設計、製造し、さらに実際に月面へ輸送されるローバーの完成発表の場に立ち会えたことを嬉しく思います。このローバーによる月面活動は世界の宇宙資源産業にとって大きな前進であり、このような国際プロジェクトを日本とルクセンブルクが主導していることを歓迎します。ispaceの月への挑戦が、日本とルクセンブルクとの宇宙協力関係をより一層深めることを期待しています。」


■ 株式会社ispace 代表取締役CEO & Founder袴田 武史 コメント
 「世界中で月探査への注目が高まる中、将来の月資源利用に向けてispaceの欧州法人が、欧州宇宙機関およびルクセンブルク宇宙機関の事業発展に寄与できることを、非常に光栄に思っています。引き続き従業員一同、RESILIENCEランダー、TENACIOUS(テネシアス)ローバーと共に、ミッション2の成功を目指し、確実に準備を進めてまいります。」


民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション2について
 ispaceが今冬に予定しているミッション2では、RESILIENCEランダーがフロリダ州ケープカナベラルからSpaceX社の運営するFalcon 9で打ち上げられる予定です。ランダーに搭載される複数の顧客のペイロードは月面に輸送され、NASAの主導するアルテミス計画に貢献することが期待されています。2020年12月にNASAから月面で採取した月のレゴリスの販売に関する商取引プログラムの契約を世界で初めて獲得したispaceは、本ミッションでは月面着陸だけではなく、月面探査に挑戦すべく、TENACIOUS(テネシアス)ローバーを用いて月のレゴリス採取を予定しています。
ispaceは、日・米・欧の3法人でそれぞれの地域の文化や多様性を活かしながら、1つの統合的なグローバル企業として宇宙開発を進めてまいりました。2024年冬に日本法人が主導するミッション2、続いて2026年には米国法人が主導するミッション3を順次実行していく計画です。また、2027年には、現在日本で開発中のシリーズ3ランダー(仮称)を用いたミッション6を予定しています。


・ 株式会社ispace (https://ispace-inc.com/jpn/)について
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了。続く2024年冬[i]にミッション2の打ち上げを、2026年[ii]にミッション3、2027年に[iii]ミッション6の打ち上げを行う予定。
ミッション1の目的は、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化であり、ミッション1マイルストーンの10段階の内Success8まで成功を収めることができ、Success9中においても、着陸シーケンス中のデータも含め月面着陸ミッションを実現する上での貴重なデータやノウハウなどを獲得することに成功。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2へフィードバックされる予定。更にミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。

・ HAKUTO-R (https://ispace-inc.com/jpn/m1)について
HAKUTO-Rは、ispaceが行うミッション1およびミッション2を総称する、民間月面探査プログラム。独自のランダー(月着陸船)とローバー(月面探査車)を開発して、月面着陸と月面探査の2回のミッションを行う。SpaceXのFalcon 9を使用し、2022年にミッション1(月面着陸ミッション)のランダーの打ち上げを完了。2024年冬ivにミッション2(月面探査ミッション)の打ち上げを行う予定。
HAKUTO-Rのコーポレートパートナーには、日本航空株式会社、三井住友海上火災保険株式会社、日本特殊陶業株式会社、シチズン時計株式会社、スズキ株式会社、高砂熱学工業株式会社、株式会社三井住友銀行、SMBC日興証券株式会社、Sky株式会社、Epiroc ABが参加している。



[i] 2024年7月時点の想定
[ii] 2024年7月時点の想定
[iii] 2024年7月時点の想定
[iv] 2024年7月時点の想定

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