第9回「斎藤茂太賞」が、小坂洋右『アイヌの時空を旅する――奪われぬ魂』に決定! 「選考委員特別賞」に、高田晃太郎『ロバのスーコと旅をする』を選出!
配信日時: 2024-05-29 16:00:00
一般社団法人 日本旅行作家協会(会長/下重暁子、会員数180人)が主催する「斎藤茂太賞」の選考会が2024年5月28日(火)に行われ、第9回受賞作が、『アイヌの時空を旅する――奪われぬ魂』小坂洋右(藤原書店)に決定した。と同時に「選考委員特別賞」として『ロバのスーコと旅をする』が選ばれた。また受賞作の選考と同時に第6回「旅の良書」10冊も選出・発表された。「斎藤茂太賞」は、当協会創立会長の故・斎藤茂太氏の功績をたたえ、その志を引き継ぐために2016年に創設したもので、本年が9回目となる。「旅の良書」は、斎藤茂太賞の選考過程でセレクトしたすべての作品を対象に、旅のもつさまざまな魅力を読者に伝えてくれる優れた書籍を選出するもので、今年が第6回目の発表となる。授賞式は東京・内幸町の日本プレスセンター内 レストラン・アラスカにて、2024年7月25日(木)に行われる。
報道関係各位
2024日年5月29日
第9回「斎藤茂太賞」が、小坂洋右『アイヌの時空を旅する――奪われぬ魂』に決定! 「選考委員特別賞」に、高田晃太郎『ロバのスーコと旅をする』を選出!
旅のもつさまざまな魅力を読者に伝えてくれる優れた書籍を選出した第6回「旅の良書」も発表
一般社団法人 日本旅行作家協会 会長 下重暁子
斎藤茂太賞実行委員会 委員長 市岡正朗
一般社団法人 日本旅行作家協会(会長/下重暁子、会員数180人)が主催する第9回「斎藤茂太賞」の選考会が2024年5月28日(火)に学士会館にて、下重暁子、椎名誠、大岡玲、芦原伸、種村国夫の5名の選考委員により行われ、以下のとおり受賞作が決定した。
「斎藤茂太賞」は、長年にわたり世界と日本の旅行文化の発展に貢献した当協会創立会長の故・斎藤茂太氏の功績をたたえ、その志を引き継ぐために2016年に創設されたもので、今年が9回目となり、2023年に発表された紀行文、エッセイ、ノンフィクションのジャンルから旅にかかわる優れた著作を表彰するものである。
また、「旅の良書」は、基本的に中学生以上を対象として、旅のもつさまざまな魅力を読者に伝えてくれる優れた書籍を選出するもので、斎藤茂太賞の選考過程でセレクトしたすべての作品を対象として、斎藤茂太賞の選考システムを活用して斎藤茂太賞実行委員会が選考・選出し、日本旅行作家協会の理事会の承認を経て認定するもの。今年が第6回目の発表となる。日本旅行作家協会選定の「旅の良書」マークを、選ばれた「旅の良書」の版元へ無償で提供する。
なお、第9回斎藤茂太賞授賞式は東京・内幸町の日本プレスセンター内 レストラン・アラスカにて、2024年7月25日(木)に行われる。
[第9回「斎藤茂太賞」受賞作]
『アイヌの時空を旅する――奪われぬ魂』小坂洋右(藤原書店)
[第9回「斎藤茂太賞」選考委員特別賞]
『ロバのスーコと旅をする』高田晃太郎(河出書房新社)
[選考委員]
下重暁子(作家・日本旅行作家協会会長)
椎名誠(作家・日本旅行作家協会名誉会員)
大岡玲(作家・東京経済大教授)
芦原伸(ノンフィクション作家・日本旅行作家協会専務理事)
種村国夫(イラストレーター・エッセイスト・日本旅行作家協会常任理事)
[第9回「斎藤茂太賞」最終候補作]
■『アイヌの時空を旅する――奪われぬ魂』小坂洋右(藤原書店)
■『ロバのスーコと旅をする』高田晃太郎(河出書房新社)
■『今夜世界が終わったとしても、ここにはお知らせが来そうにない。』石澤義裕(WAVE出版)
[総評]
選考委員 下重 暁子(作家・日本旅行作家協会会長)
今回はこれまでの同賞の選考でいちばん難しかったように思う。それぞれの作品が際立った特徴をもっており、一長一短あったということだろうか。ただ、私が作品評価のよりどころとするのは、読み終わったあとの印象のインパクトだ。その点で最も心に残ったのは間違いなく『アイヌの時空を旅する――奪われぬ魂』だった。学術的資料や分析、解説が多用され、紀行文としてはたやすく読めるものではないが、実際の歴史事件の現場に立ったことでその息遣いが伝わってくる。優れたノンフィクションとはこうした臨場感だろう。候補3作品の中で、試読を重ねてきた24名の実行委員の評価が最も高かったのが本作品と知り、同感とともに納得した次第である。
選考委員 椎名 誠(作家・日本旅行作家協会名誉会員)
直感的に今年の斎藤茂太賞に選ばれるのは『ロバのスーコと旅をする』だと思った。おもしろさ、読みやすさではナンバーワンだからである。これまでの同賞の受賞作の路線から外れていないように思える。だが、旅の形はさまざまであっていいとはいうものの、文学賞を決定するのはやはり文章力だろう。とすれば3作品のなかでは『アイヌの時空を旅する』が傑出している。ただ、大岡玲委員からも『ロバのスーコと旅をする』も旅のユニークさ、作家の純粋な視線に捨てがたい魅力があるとの発言があり選考委員特別賞をおくることが決まった。
第6回[旅の良書] (順不同)
■『今夜世界が終わったとしても、ここにはお知らせが来そうにない。』石澤義裕(WAVE出版)
リモートワークをしながら軽自動車で世界中を旅する夫婦のワクワクドキドキ満載の足掛け7年の旅。旅メディアでも大反響の異色の旅エッセイ。
■『まんぷくモンゴル!公邸料理人、大草原で肉を食う』鈴木裕子(産業編集センター)
「あなたモンゴルでも行く?」このひと言で、在モンゴル日本国大使館の公邸料理人になった元給食のおばちゃんだった著者が綴る美味しくて魅力あふれるモンゴル紀行。
■『地霊を訪ねる ─もうひとつの日本近代史』猪木武徳(筑摩書房)
日本近代史の舞台を旅し、それぞれの土地が生み出し育んだ多彩な人々を論じた歴史紀行エッセイ。読むたびに新しい発見に出会う知的紀行の傑作。
■『草軽電鉄物語 高原の記憶から』芦原伸(信濃毎日新聞社)
かつて軽井沢の駅前と群馬県の名湯草津温泉間の55.5kmを、浅間山麓を越えて結んでいた草軽電気鉄道。その廃線跡をたどりながら古きよき時代に思いをはせる旅。
■『旅する桃源郷』下川裕治(産業編集センター)
知る人ぞ知る旅の達人・下川裕治が、これまでの旅で出会った「桃源郷」を自らの人生と重ねながら綴る、旅の魅力を改めて問う珠玉の紀行エッセイ。
■『イラク水滸伝』高野秀行(文藝春秋)
最古にして現代最後の湿地帯カオスといわれるイラクの湿地帯。その権力に抗うアウトローやマイノリティの集まる混沌の地への想像を超える驚きの旅。
■『海のプール――海辺にある「天然プール」を巡る旅』清水浩史(草思社)
海辺の岩場を掘り、あるいはコンクリートで囲ってつくられた海のプール。北海道から沖縄そして豪州まで、ノスタルジックで野趣あふれる海のプール探訪記。
■『ラダック旅遊大全』山本高樹(雷鳥社)
インドの山岳地帯ラダック、ザンスカール、スピティについて紹介するきわめて優れたガイドブック。長年この地方を旅して取材してきた著者なればこそ書けた至高のガイド。
■『アジア発酵紀行』小倉ヒラク(文藝春秋)
日本の発酵食のキーともいえる「糀」(麹ではなく糀)のルーツを求めて、中国南部雲南省からネパール、さらにインド北東部まで。壮大な発酵文化を訪ねる旅。
■『世界中で言葉のかけらを ─日本語教師の旅と記憶』山本冴里(筑摩書房)
複数言語の意義を訴える日本語教師が、中国雲南省、セルビア、フランス、ブルガリア、ハンガリー、エストニアなど世界の各地を旅して体験した言葉をめぐる旅の記録。
[第9回「斎藤茂太賞」ならびに第6回「旅の良書」お問い合わせ]
一般社団法人 日本旅行作家協会事務局(担当/八重野充弘)
〒104‐0061 東京都中央区銀座1-5-5 明興ビル5F
TEL03‐3538‐2345 FAX03‐3538‐2346
E-mail:jtwo@minos.ocn.ne.jp
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