南三陸森林管理協議会と「日本のFSC(R)認証林推進協定」を締結

プレスリリース発表元企業:WWFジャパン

配信日時: 2024-03-27 19:15:31

~南三陸町が国内森林保全・管理・再生におけるネイチャー・ポジティブの実践モデルに、現地高校生が南三陸FSC親善大使に就任~

公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(東京都港区、会長:末吉竹二郎、以下WWFジャパン)は、本日2024年3月27日(水)に南三陸森林管理協議会(宮城県南三陸町、以下MFSA)と、南三陸町のFSC(R)認証林の管理強化や認証林拡大を通して日本の森林管理の現場でネイチャー・ポジティブを体現することを目的に、「日本のFSC(R)認証林推進協定~持続可能な森林づくりにむけて」を締結しました。また、宮城県南三陸高等学校の学生4名が「南三陸FSC親善大使」に就任しました。



FSC認証林とは、世界的な森林認証制度であるFSC(Forest Stewardship Council(R))の基準に沿って責任ある森林管理を行なっている森林です。WWFジャパンは2023年より南三陸森林協議会と協働で、持続可能な森林づくりを推進し、日本の森林管理の現場でネイチャー・ポジティブを体現することを目的に、FSC認証を推進する取り組みを行なってきました。今回の協定締結により、WWFジャパンは南三陸町において、ネイチャー・ポジティブ評価・表現の模索する事業や、普及・啓発活動等のさらなる活動支援を実施していきます。
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今回の締結について、WWFジャパン自然保護室長の川江 心一は、「世界が2030年の『ネイチャー・ポジティブ』に向けて進んでいる中、日本の森林管理の現場で重要な一歩を本日踏み出せたことを大変嬉しく思っています。協議会には、FSC認証林の拡大と生物多様性評価に取り組むことでネイチャー・ポジティブを推し進めていく先駆者としての役割を大いに期待するとともに、WWFジャパンでは企業や消費者を巻き込みながらFSC認証の認知や需要の拡大を図っていきます。」と抱負を述べました。

また、南三陸森林管理協議会会長である佐藤 久一郎氏は「我々、南三陸森林管理協議会は持続可能な林業を目指し、南三陸の山を健全な状態で後世に繋げたいと考えています。生物多様性の再興を経済・社会に実装されることが、目指したい山づくりに必要不可欠であり、持続可能な町づくりへの我々のアクションと考えています。今、南三陸町は山里海全てにおいて、その仕組みづくりがしやすい環境になってきたと考えています。WWFジャパンの皆様と協力することで、目指す世界の実現へ向かえると期待しています。」と述べました。

FSCジャパン理事で東京大学名誉教授の白石 則彦氏は本取り組みについて以下のように述べました。「森林の多面的機能に対する関心が従来になく高まっている。FSC森林認証は環境・社会・経済のすべての視点から持続可能な森林経営を目指しており、Eco-DRRやネイチャー・ポジティブなどとも親和性が極めて高い。南三陸は地域を挙げてFSC森林認証の普及に取り組んでおり、このプロジェクトを起点に日本各地にこうした取り組みが拡がっていくことを期待する。」

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また、南三陸高校の高校生4名が「南三陸FSC親善大使」に就任しました。南三陸高校の授業「地域学」の一環として森林の豊かさについて学び、持続可能な森林の大切さを発信していく予定です。締結式に参加した佐藤優月さん(南三陸高校2年生・17才)は「私たちなりの方法や発想で、南三陸のFSC認証林および南三陸の自然の魅力をより多くの人に知っていただけるように、活動を頑張っていきたいです」と抱負を述べました。

WWFジャパンは日本国内森林の保全・管理・再生においてIUCN (国際自然保護連合)提唱の10原則(※1)を採用し、各地域の森林保全の現場の状況にあわせて実践していくことを重視しています。 WWFジャパンは今後も、日本の森林管理の現場でネイチャー・ポジティブを体現すべく FSC認証林の管理強化や認証林拡大を通して、次代につなぐ持続可能な森林づくりを推進してまいります。
(※1) IUCNが世界に共通した「ネイチャー・ポジティブ」の条件として提示している「10の原則」
[画像3: https://prtimes.jp/i/18383/224/resize/d18383-224-541ab6fa6b92e10c79de-0.jpg ]

協定概要


協定の名称:日本のFSC認証林推進協定~持続可能な森林づくりにむけて
協定の目的:南三陸町のFSC認証林の管理強化や認証林拡大を通して、持続可能な森林づくりを推進していくことにより、日本の森林管理の現場でネイチャー・ポジティブを体現することを目的とする。
主な事業概要:FSC認証林拡大事業、ネイチャー・ポジティブ評価・表現の模索する事業、WWFジャパンと南三陸森林管理協議会(MFSA)の協力による普及・啓発活動等
協定期間:2024年(令和6年)4月1日~2027年(令和9年)3月31日

■参考:「ネイチャー・ポジティブ」を実現する一歩
https://www.wwf.or.jp/staffblog/tips/5582.html(WWFウェブサイト掲載記事)

■南三陸森林管理協議会について
町内の林業関係団体にてFM部会とCoC部会で構成されている団体で、2015年10月、宮城県で初めてFSC認証を取得した。南三陸の持続可能な林業と南三陸杉の広めるための活動を行っている。
南三陸森林管理協議会ホームページ:https://mfsa.jp/
認証林面積:2,481ha(公有林1,766ha、私有林715ha)
ライセンスコード:FSC C127325 認証取得:2015 年

■FSCジャパン(特定非営利活動法人 日本森林管理協議会)について
FSCの定めた基準をもとに、適切に管理されていると認められた森林から生産された木材や回収材等の責任をもって調達された原材料から生産された製品にFSCマークがつけられます。FSCマークがついた製品を使うことで世界の森林保全につながります。
FSCジャパン公式HP:https://jp.fsc.org/jp-jp 

■WWFジャパンについて
WWFは100カ国以上で活動している環境保全団体で、1961年にスイスで設立されました。人と自然が調和して生きられる未来をめざして、サステナブルな社会の実現を推し進めています。特に、失われつつある生物多様性の豊かさの回復や、地球温暖化防止のための脱炭素社会の実現に向けた活動を行なっています。
WWFジャパン公式HP:https://www.wwf.or.jp 

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