軌道装置接近警報システムを開発

プレスリリース発表元企業:株式会社アクティオ

配信日時: 2024-01-24 17:45:48



 総合建設機械レンタルの株式会社アクティオ(本社:東京都中央区日本橋、代表取締役社長兼COO:小沼直人、以下アクティオ)は、株式会社熊谷組(本社:東京都新宿区津久戸町、代表取締役社長 櫻野泰則)と共同で、トンネル施工時における軌道装置内※1の安全性の向上を図るため、人物検知による接近警報システムを開発しました。このシステムは、脱着可能なカメラと、警報出力機構をユニット化させ、AIを用いて軌道内の人物検知を行います。また、軌道装置の編成長に影響を受けることなく自在に対応可能です。

1.背景
 近年では、建設機械作業範囲内への人の立ち入りに対して、各種センサーによる警報装置や停止装置等が装備されています。最近はカメラによる人物検知技術も一般的になっており、エリア検知にも多数利用されています。そこで、脱着可能なカメラと、警報出力機構をユニット化させ、トンネル施工時の軌道装置の編成長に関わらず使用できる汎用的な警報ユニットを開発しました。

2.システム概要
 システムの構成は、カメラユニット内の無線カメラと監視モニターユニット内の映像受信機間を無線伝送させます。人物検知処理は監視モニターユニット側のメインPC で処理を行います(図-1)。また、人物検知システムの概要は、カメラユニットの映像データを、監視ユニット側で受信した映像で前方監視を行いながら、その映像を基にAI人物検知処理を行います。さらに、AI 処理結果から出力変換を行って警報器を働かせます。
 特に軌道装置の後押し運転時には、被けん引車両の形状に関わらずオペレーターの視界確保に貢献します。
[画像1: https://prtimes.jp/i/57111/114/resize/d57111-114-ef718f02de6fa164a307-0.png ]

[画像2: https://prtimes.jp/i/57111/114/resize/d57111-114-f1cc3a45a1c42c893067-1.png ]

3.カメラ伝送要素実験
 カメラ映像伝送の適合性に関する要素実験を内径2.55m のシールド坑内で行いました。シールド坑内という閉鎖空間での映像伝送が可能かどうか、直線・曲線・障害物など条件を変えて確認をしました。実験は、カメラを固定して受信器とモニターを徐々に離していき、モニター画像が乱れたところの距離を計測しました。障害物の無い坑内直線では290m まで伝送が可能で、全く見通せない半径25m の急曲線を挟んでの伝送距離は186m との結果を得ました。

4.AI 画像処理 人物検知
 事前処理として、シールド坑内の走行映像を選定したカメラで数回動画を撮影、収録しました。撮影時は人を配置して、収録した人物のいる画像フレームにタグ付けして教師データとして学習させます。これにより人物検知が可能となります(写真-3)。更に手摺内安全通路にいる人は除外して、軌条(レール)内にいる人だけを検知させるように再学習を行いました。検知したい領域以外にマスクを掛け(写真-4)、映像に重ね合わせて検知領域のみで検出を行います(写真-5)。
[画像3: https://prtimes.jp/i/57111/114/resize/d57111-114-e68938a0f7d31bd26d99-2.png ]

5.試行試験
 ユニット収納ケースを作成し、実運用を想定した内径2.55m のシールド坑内での試行試験を行いました。試験結果、走行時の伝送通信は画像が乱れることなく、人物検知は手摺の内外での識別検知も確認できシステムの有効性が確認できました(写真-6、7)。
[画像4: https://prtimes.jp/i/57111/114/resize/d57111-114-a82c4250417e78360083-3.png ]

6.今後の展開
 今後は、現場開始時よりシステムを導入搭載させ、安全作業の向上を図ります。特に動力車の後押し走行ではオペレーターへの安全運転サポートに威力を発揮できると考えています。また、バッテーリー機関車と当システムを連携させ坑内自動走行が可能となるように開発を進めていきます。

※1事業場附帯の軌道及び車両、動力車、巻上げ機等を含む一切の装置で、動力を用いて軌条により労働者又は荷物を運搬する用に供されるもの。

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