介護人材不足解消に向け、対話AI搭載型ロボットによる介護実証を実施

プレスリリース発表元企業:株式会社日本総合研究所

配信日時: 2023-11-13 14:00:00

~介護の2025年問題を見据え、ケアマネジャーの業務負荷軽減~

KDDI株式会社 (本社:東京都千代田区、代表取締役社長 CEO:高橋 誠、以下 KDDI)、シャープ株式会社(本社:大阪府堺市、代表取締役 社長執行役員 兼 CEO:呉 柏 勲、以下 シャープ)、株式会社日本総合研究所(本社:東京都品川区、代表取締役社長:谷崎 勝教、以下 日本総研)、株式会社やさしい手(本社:東京都目黒区、代表取締役社長 執行役員:香取 幹、以下 やさしい手)は2023年11月17日から2023年12月18日まで、シャープのコミュニケーションロボット「RoBoHoN(ロボホン)(https://robohon.com/)」に対話AIシステム「MICSUS(ミクサス)」(Multimodal Interactive Care SUpport System)を搭載した対話AI搭載型ロボット(以下 本ロボット)を活用した介護サービスの実証(以下 本実証)を実施します。



 団塊世代が全員75歳以上の後期高齢者となる2025年以降、介護需要がさらに増加することで、介護業界の人手不足が深刻化する「介護の2025年問題」が社会課題となっています。介護業界では2025年度に約32万人、2040年度には約69万人の人手が不足すると見込まれています(注1)。
 本実証では、ご自宅や、やさしい手のサービス付き高齢者向け住宅で暮らす高齢者の居室に、本ロボットを設置します。対話AIを活用した本ロボットにより、ケアマネジャーの業務である高齢者の健康状態確認のほか、雑談を通じた日常の関心情報の収集が可能です。ケアマネジャーとご家族へ専用サイトで対話内容と対話要約を共有することで、ケアマネジャーの面談業務の負荷軽減に加え、離れた場所で暮らしているご家族とのコミュニケーションを活性化し、健康維持への貢献を目指します。


 4社は本実証を通じて、本ロボットによるケアマネジャーなどの業務負荷軽減や高齢者とご家族とのコミュニケーションの活性化への効果を検証し、少子高齢化に伴う介護人材不足の解決に貢献します。
本実証のイメージ動画はこちら(https://youtu.be/cYzU8it85ew?si=4yJ4KVEBDawkDWmm
[画像1: https://prtimes.jp/i/68011/44/resize/d68011-44-50ba4ab468ce7cc99258-0.jpg ]

■背景・課題
「介護の2025年問題」に向けて、質の高い公共サービスを維持するため、政府も介護DXを推進しています。加えて、一人暮らしの高齢者の増加による高齢者の社会からの孤立や、コミュニケーションの不足による健康状態悪化のリスク(注2)が課題となっています。高齢者のケア・介護領域におけるきめ細やかな対応の需要が増加するなかで、介護業務を効率化しつつ質を高める具体策が求められています。

KDDIは2022年6月28日から2023年1月28日まで、「MICSUS」を搭載したぬいぐるみ型の専用端末による実証実験を実施し、高齢者の健康状態や生活状況の変化の情報を収集するための面談とその記録業務に要する時間を約7割 (注3) 削減することに成功しました。一方で、端末に対する関心度の低下、雑談内容の充実度、会話内容をご家族へ共有できないことなどが課題でした。




 本実証では、楽しい対話と愛らしい動きで日常に明るく寄り添うシャープの「RoBoHoN」に「MICSUS」を搭載することで、「MICSUS」による言語コミュニケーションだけでなく、「RoBoHoN」による身ぶり手ぶりなどの非言語コミュニケーションを組み合わせて効果を検証します。高齢者の日常生活に溶け込む身近な存在になることで、ロボットへの関心維持および高齢者のコミュニケーション不足解消を図ります。
 また、従来の「MICSUS」に「雑談機能」「対話履歴と対話要約の共有機能」「注意すべき回答があった際の警告機能」を追加しました。介護業務に必要な情報だけでなく、雑談を通じた高齢者の日常の関心など、情報収集量の増加を図ります。また、健康状態や日常の関心などをご家族へ共有することで、離れた場所で暮らしているご家族と高齢者とのコミュニケーションを活性化します。さらに、健康に関する注意すべき回答があった際は専用サイトで警告画面が出るため、不測の事態があった際の迅速な対応が可能です。
[画像2: https://prtimes.jp/i/68011/44/resize/d68011-44-49969bc5515c76b9e654-1.jpg ]

■本実証について
1.内容
高齢者の普段の生活リズムに合わせ本ロボットの発話時刻をケアマネジャーなどが事前に設定します。指定時刻になると本ロボットから高齢者へ話しかけ、健康状態のヒアリングやイベントの案内などを実施します。

発話時刻以外でも高齢者から本ロボットに呼びかけることで雑談が可能です。健康状態だけでなく、雑談の会話内容もケアマネジャーとご家族へ共有し、ご家族の方が健康状態だけでなく高齢者の興味・関心なども把握できるため、ご家族と高齢者とのコミュニケーションの活性化を図ります。


[画像3: https://prtimes.jp/i/68011/44/resize/d68011-44-0bf96b9862b022f3a81f-2.jpg ]

2.実施日
2023年11月17日~12月18日


3.実施場所/対象
やさしい手が運営している東京都内のサービス付き高齢者向け住宅、棟外利用者 計10名

■「MICSUS」について
内閣府総合科学技術・イノベーション会議の「SIP第2期/ビッグデータ・AIを活用したサイバー空間基盤技術」(管理法人:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の1テーマである「高度マルチモーダル対話処理技術」としてKDDI、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)、NECソリューションイノベータ株式会社が採択され、日本総研の協力を得て開発しました、介護モニタリングの一部を代替するマルチモーダル音声対話システムです。

高齢者の健康状態や生活状況の変化に関して、ケアマネジャーに代わって「MICSUS」が聞き取ります。聞き取る内容は、厚生労働省の補助事業の一環で日本総研が調査研究事業を実施している「適切なケアマネジメント手法(注4)」に準拠しています。

大量のWeb文書 (350GB) と本プロジェクトで構築した300万件の高品質な言語資源データで大規模言語モデルを学習させ、ユーザー発話の意味解釈を高度化し、遠まわしなユーザー発話にも対応可能な自然言語処理を実現しています。また、自然言語処理の軽量化にも成功し、深層学習用プロセッサ (GPU) 1枚(注5)で5,000名のユーザーとの同時対話に対応可能です。画像や音声のマルチモーダルなセンシング情報 (表情・音韻的特徴・うなずき) を総合的に考慮し、感情の表出が認められてから0.1秒以内にユーザーの感情を推定します。

MICSUSが聞き取った内容は、ツールを用いて時間場所を問わず簡易に確認・修正可能なうえ、ケアマネジャーが把握したい情報が盛り込まれており、モニタリング業務の作業効率向上が見込めます。

モニタリングのための質問とWeb情報やニュース記事を基にした雑学対話とをシームレスに切り替えます。雑学対話では、高齢者の応答内容に関して新規情報を含んだ応答を返すことで高齢者の関心を引きつけ、飽きずに継続利用いただくことでコミュニケーション不足の解消に寄与することが期待できます。

基本ケア (疾患や状態によらず、共通して重視すべき事項) に基づいた対話が可能なため、ケアマネジャーのモニタリング用途だけでなく、高齢者の見守りなど広い用途にも応用可能です。

ご家族はスマートフォンなどから高齢者と本ロボットの日々の対話履歴をチャット形式で確認できます。また、対話の要約を確認いただくことでより気になる項目について気軽に確認可能です。

介護事業者のケアマネジャーなどには対話履歴に加えて、高齢者と本ロボットの対話の中で健康に関する注意すべき回答があった際に画面上でアラートを発出する機能を追加しました。これにより、毎日対話の履歴すべてを確認する時間が無くとも注意すべき項目をすぐに確認することが可能です。


■各社の役割
[表: https://prtimes.jp/data/corp/68011/table/44_1_156a81f5b347547f2ecf1024827c8ec7.jpg ]



(注1)2021年7月9日 厚生労働省 報道発表資料
第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000207323_00005.html
(注2)斎藤雅茂、近藤克則、尾島俊之、平井寛、「健康指標との関連からみた高齢者の社会的孤立基準の検討 10年間の AGES コホートより」、日本公衆衛生雑誌2015; 62(3): 95-105, doi:10.11236/jph.62.3_95 (表3より一部抜粋)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jph/62/3/62_14-071/_article/-char/ja/
(注3)2023年3月8日 KDDI 企業トピックス
高齢者向け対話AIでケアマネジャー面談業務時間の7割削減に成功
~ケアマネジャーの介護モニタリング業務負荷を軽減~
https://news.kddi.com/kddi/corporate/topic/2023/03/08/6598.html
(注4)「適切なケアマネジメント手法」は、要介護高齢者本人と家族の生活の継続を支えるための多職種連携をより円滑に進められるようにするため、各職域で培われた知見に基づいて想定される支援を体系化し、その必要性や具体的な支援内容を検討するためのアセスメント/モニタリングの項目などを整理したものです。
(注5)NVIDIA V100

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