グッドデザイン賞受賞 【国産広葉樹の価値ある物創り】 木材コーディネーターが仕掛けた 「国産広葉樹ワイン樽」×「山ぶどう」 ALL JAPANワイン誕生!
配信日時: 2023-11-01 08:30:00
審査委員がお気に入りを選ぶ「私の選んだ一品」にも選出。森林、製材所、樽メーカー、ワイナリー、研究機関を繋いで生まれた”日本樽プロジェクト”。カスケード利用で森のめぐみを最大限に活用。
【構想10年。山から考えたものづくり】
木材コーディネーター ・鈴木直子(一般社団法人木和堂 代表)がプロデュースした森林を利活用する取り組みが、2023年度のグッドデザイン賞を受賞。
ワインはテロワールが重要であり、樽も同地域の広葉樹を使用することで高付加価値製品となる。樹木成分・香り・味の研究を山梨大学ワイン科学研究センターと国立研究開発法人 森林総合研究所で行い、エビデンスを広く提供。国産広葉樹ワイン樽(日本樽)の需要が広がることが、林業家への利益還元につながる仕組み。
構想10年を経て誕生した日本の古来種である山ぶどうをミズナラで作った樽で発酵・熟成させたオールジャパンワイン「Kuzumaki Story 1」(株式会社岩手くずまきワイン)は、至極豊穣な味わいと薫りで話題となり、限定300本が即完売。
さらに、審査委員が個人的なお気に入りを選んだ85点を受賞作を展示する「私の選んだ一品 2023 - デザインのよろこび - 」展の一品にも選出された。
『GOOD DESIGN Marunouchi(東京都千代田区)』にて11月8日(水) - 11月30日(木)で開催
【木を使うことで森林が活性化する仕組みの創出。
ー 山から考えたものづくり ー】
[画像1: https://prtimes.jp/i/130446/1/resize/d130446-1-9d13d0e039c7f59a05f8-5.jpg ]
「未来の子どもたちに豊かな森を残したい」と日々考え続ける木材コーディネーターの鈴木直子が、林業の厳しい現実に触れる中で、「日本の広葉樹でワイン樽を作れないか」と、あるワイナリーから相談を受けたのは、10年以上も前のことでした。
現在も、日本のワイナリーで使われている樽のほどんどが米・仏からの輸入品です。
テロワールの観点からも、その地域の葡萄、その地域で育った広葉樹を使った樽でワインを作ることができれば、高付加価値商品となり、そのワイン樽が普及するほどに、林業家へ還元する取り組みができると考えたのです。
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その宿題を叶えるべく、森林、製材所、樽メーカー、ワイナリー、研究機関を一つ一つめぐり、コツコツと縁を繋げてきました。そして、2022年にオールジャパンワイン「Kuzumaki Story1」(株式会社岩手くずまきワイン 岩手県岩手郡葛巻町)が誕生。
10年かけて作りあげてきた取り組みが<2023年にグッドデザイン賞 審査員のお気に入り>を受賞したのです。
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「Kuzumaki Story1」は限定300本で販売。1週間で完売するヒット商品となりました。
なお、樽づくりはメーカー国内唯一の樽メーカーである有明産業(京都府京都市伏見区)、樽用材の選定・製材加工は西野製材所(岐阜県飛騨市古川町)が担当。
使用したミズナラは、ワイン樽として使用するには漏れやすい性質があり、納得のいく樽が出来上がるまでに7年近くの年月を要しました。
[画像4: https://prtimes.jp/i/130446/1/resize/d130446-1-ba8cdd89bddced2a3f02-1.jpg ]
また、今回のプロジェクトの大きな特徴として、山梨大学ワイン科学研究センター(山梨県甲府市)・国立研究開発法人 森林研究・整備機構(茨城県つくば市)と共同研究をしながら進めている点をあげることができます。
樽の樹種ごとに樹木成分を抽出し、味や香りの違いを研究。
これらの研究成果は囲うことなくオープンソースとして開放し、醸造や樽の製造等、各方面でのデータの利活用を推進していきます。
ミズナラ以外にもヤマザクラやクリを使った樽も製造。樽の内側のロースト具合も含めてどのような香りと味の違いが生じるか等を長期にわたってデータ分析を進める予定です。
[画像5: https://prtimes.jp/i/130446/1/resize/d130446-1-3e08d8db8071bbaf86e5-11.png ]
他にも、木材を余すことなく活用する、カスケード利用(多段階的活用)に取り組みました。
樽用材として用いられなかった端材はワイン購入者へのノベルティとしてブートニエールを製作。更にワイン醸造の過程で発生した山葡萄の残渣は、くずまきワイナリー従業員制服とブートニエール染色の際に用いました。
木材だけでなく、山葡萄の残渣活用にまで徹底してこだわりました。
[画像6: https://prtimes.jp/i/130446/1/resize/d130446-1-ce47a48cfd77de6aadfb-10.jpg ]
日本の持続可能な森林を次世代に引き継ぐべく、
林業、製材、加工、樽製造、醸造など関わる人々や物、そして森をつなぐ取り組みを一層進めてまいります。
[画像7: https://prtimes.jp/i/130446/1/resize/d130446-1-cc12909fa53615975848-0.jpg ]
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[画像8: https://prtimes.jp/i/130446/1/resize/d130446-1-e97b5027920fb9b1e3c5-1.jpg ]
木材コーディネーター・鈴木直子
このプロジェクトでは広葉樹を使った高付加価値の樽製造の需要を創出することで、森林を最大限活用して林業家に利益還元ができる仕組みづくりを生み出し、産業としても成り立つ持続可能な森づくりを目指しています。
【こちらの取り組みがわかる動画です。ぜひ、ご覧ください】
「Kuzumaki Story 1 」
[動画: https://www.youtube.com/watch?v=2yUP4C_Kv94 ]
【2023年グッドデザイン賞 受賞概要】
「国産広葉樹ワイン樽」×「山葡萄」 ALL JAPANワイン誕生!
https://www.g-mark.org/gallery/winners/14827
担当の審査委員:廣田 尚子 田中 みゆき 永田 宙郷 西村 浩
<評価コメント>
元々自生していた山葡萄から生まれたくずまきワイン。その土地の気候風土そのものから生まれる個性こそが価値とされるワインだが、日本産ワインの多くは、輸入された洋樽で熟成されていて、それを何とか国産広葉樹でつくりたいとのこと。言われてみれば当然の話だが、日本には樽製造の工場が数少なく、製造や輸送コストが嵩むことと、国産広葉樹でつくった樽を使ったワインの熟成とその結果生まれる風味がどのようなものになるのかがまだまだ手探りであることなど、挑戦は継続中のようだ。とはいえ、樽も含めて国産に拘ることがワインの醍醐味。難題は多いものの、全国の木材コーディネーターの仲間とともに、くずまきワインを皮切りに、日本中各地の個性ある気候風土を生かしたワインづくりに取り組もうという姿勢に感銘を受けた。国産木材による樽づくりの先には、林業の再生への眼差しも感じられる。日本各地の森の風景が思い浮かぶワイン、実に楽しみだ。
[画像9: https://prtimes.jp/i/130446/1/resize/d130446-1-907cf761bfad151e7b3a-7.jpg ]
【「私の選んだ一品 2023 - デザインのよろこび -」展 概要】
<審査委員名/コメント>
横田 響子/プロジェクトオーガーナイザー
2年物のワインを試飲しました。日本に約100名しかいない木材コーディネーターの鈴木さんの想いを聞くとオールジャパンである意味の奥深さに納得。ワインは、最初は酸味が強く時間と共にまろやかになる。このワインが年月を経て変化する姿を、日本の山・林業に思いをはせながら今後も飲んで応援したい。
〈会期〉
2023年11月8日(水)~11月30日(木)
〈時間〉
11:00~20:00(10/22・11/5は17:00まで。休館日は10/23~10/31、11/6、11/7)
入場料無料
〈会場〉
GOOD DESIGN Marunouchi
東京都千代田区丸の内3-4-1 新国際ビル1F
〈URL〉
https://marunouchi.g-mark.org/exhibition.html
【一般社団法人 木和堂について】
木和堂は、「日本の森と暮らしをつなぐ」をコンセプトに、
子どもたちに豊かな森の恵みと職人の技を伝える場づくり、
国産材を活かした製品プロデュースなどを行なっています。
https://mokuwado.com/
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